中央政界特報

■平成30年5月24日(木) 第5360号

「政治特報」

 民進党と希望の党の統合によって誕生した国民民主党。総勢62人。政権交代に意欲をみせる玉木雄一郎氏、大塚耕平氏の共同代表はどんな人。その横顔を。

 「国民民主党」に参加した議員は衆院39人、参院23人。
 その内訳は民進党から26人、希望の党から36人。
 統合する前の勢力は民進党55人、希望の党54人だった。
 4割の議員が参加せず、立憲民主党をしのいで野党第1党の座確保とはならなかった。
 立憲民主党は動かなかったことで、衆参両院から11人が増え、74人に。
 「仲間が増えたことはきわめて嬉しい」と国民民主党に大きな差をつけたことに枝野幸男代表の声は高くなっている。
 それでも大塚氏と玉木氏は、
 「62人もよく集まってくれた」
 大塚氏がそう言えば、玉木氏は「ゼロからの出発」と。
 「大きな塊りとなって政権を目指す」ことに強気の姿勢。
 だが、その前途は厳しいものに。
 自由党小沢一郎代表からは「期待している」のエールが届けられているが、4割もの議員から「不参加」されたという事実。
 永田町では「国民の支持をどこまで得られるか」の見方がされている。
 希望の党を立ち上げた小池百合子東京都知事は
「残念」と統合したことより、分裂してしまったことに言及している。
 手を握った大塚氏と玉木氏。
 大塚氏は昨年11月31日の両院議員総会で代表に。蓮舫前代表も出馬を狙ったが、20人以上の推薦人を集めたのは大塚氏だけで、無投票により代表に。
 就任記者会見で「一般の方から見れば『誰だ』
と思う」と自ら、自己紹介からはじめるなど知名度の低さを口にしている。
 「責任が重い。荷が重い」とも。
 このときは立憲民主党、希望の党との早期合併は否定していた。日本銀行の職員から国会議員になったのは13年の参院選。
 趣味はスキューバーダイビング。
 玉木氏が希望の党の代表に就任したのは昨年11月10日の両院議員総会。大串博志氏との選挙になり、39票の玉木氏が14票の大串氏を抑えた。大蔵省の官僚から議員バッヂをつけたのは09年の衆院選。野党連携には積極姿勢の大串氏とは反対で消極的なスタンスだった。趣味はカラオケ、マラソン。
 統合にはけっして前向きではなかった二人が、一転して手を握った。

「ミンシンはどこへいく」

 日本列島、まだまだ「ゆるキャラブーム」は続いている。
 日本全国、いたるところに「ゆるキャラ」は存在し、その数たるや数えきれないほどに。
 熊本県の「くまモン」にいたっては、県の営業部長の肩書で、国内ばかりか海外にも飛び出しての大活躍。
 そんな「ゆるキャラブーム」の中、なんとも寂しいところに立たされてしまっているのが「ミンシン」だ。
 民主党が民進党と党名を変更したとき、民主党のキャラクター「民主くん」と入れ替わって登場している。
 公募により、全国から寄せられた1523作品の中から選ばれたもので、水色の体と顔。頭には民進党の「M」をあらわす触覚が。
 民主党時代の民主くんの活動は選挙のときなどに出番があった。
 ミンシンが登場したとき、ときの岡田克也代表は「民主くんの次の仕事を考えてやらなくては」と就活を約束していた。
 ミンシンはまだ、ほとんど活動していない。デビューが17年3月だけに1年ちょっとしかたっていない。これでは活躍の場もなかった。
 民進党がなくなり国民民主党に。
 その勢力は目指していたものより少なく、希望の党と統合するが野党第一党にはなれなかった。
 民進党としては55人だったのが、国民民主党に参加したのは衆院3人、参院23人。
 希望の党の玉木雄一郎氏との共同代表になった大塚耕平氏は「自民党に替わる政権樹立」のトーンを高くしているが。
 それにしてもミンシンは出番がないままに。

「女性未来塾」

 世界の中にあって日本は、女性の政治の世界への進出が遅れている。
 列国議会同盟が発表している各国議会の女性進出報告書で日本は193カ国中158位。
 昨年10月の衆院選挙の立候補者でもそのことは明らかに。
 女性の候補者は209人で、当選者は47人。全議員の10・1%。
 内訳では自民党は25人が出馬し22人が当選しているが、希望の党は47人が出て当選は2人、共産党は58人が立候補し、当選は3人。
 安倍晋三首相は「女性の社会進出」を政策の目玉の一つにしているが、現実はなかなか前に進んでいない。
 国会議員、地方議員に女性議員を増やす。
 まず、そのためには女性に政治に関心を持ってもらうことが第一。
 4月26日夜、自民党は政治に関心のある女性を対象にした政治塾の1回目を開講している。
 その名も「女性未来塾」で、約100人の受講生が講義を聞いている。
 この1回目の講師には、自民党にあって一番女性に人気のある小泉進次郎筆頭副幹事長が。
 「女性の観点がない合意形成は怖い。それに女性が活躍したほうが、男性のパフォーマンスはあがる」と。
 女性の政治家が少ない理由のひとつに「結婚」の問題が。
 独身での政界進出の難しさは小泉氏も理解している。
 「結婚については私もよく言われる」と。
 女性議員をいかに多くするか。
 「政治分野における男女共同参画推進法案」(候補者男女均等法案)は参院本会議で可決、成立した。

「カジノは成立するか」

 今国会は6月20日が会期末。
 残り日数はわずかしかなくなってきている。
 だが、国会審議が大幅に遅れており、重要法案が山積みに。
 なにしろ国会が正常化したのは連休明けの5月8日。実に19日ぶりのこと。
 これからの主な政治日程、安倍晋三首相のスケジュールをみてもぎゅうぎゅう詰めになっている。
 5月21日以降に予算委員会集中審議。下旬には安倍晋三首相とロシア、プーチン大統領の首脳会談。
 6月8、9日にはカナダでG7(主要7カ国首脳)会議、
 6月12日には歴史上初の米国と北朝鮮による首脳会談。
 山積みになっている審議には「働き方改革関連法案」「環太平洋経済連携協定(TPP11)関連法案」も。
 そして安倍政権が力を入れている統合型リゾート(IR)実施法案」。
 閣議では法案は決定している。
 これによると、7日間で3回、28日間で10回の入場制限、入場料6000円、場所は3カ所上限、カジノはIR全体の延べ床面積3%以下などがまとめられている。
 現在、誘致に手をあげているのは北海道、神奈川県、愛知県、和歌山県、大阪府、長崎県。
 東京五輪が開催される2020年に開業するには今国会での成立がポイント。
 現状はどうか。自民党、公明党の両党幹事長と国会対策委員長は5月9日の話し合いで、会期内で成立させる方針を確認している。
 だが、見通しが立っていないのは事実。

「無所属の会」

 国民民主党の立ち上げによって、野党の勢力地図が大きく変わってきている。
 立憲民主党72人、国民民主党62人、共産党26人、日本維新の会22人、自由党6人、社民党4人。
 人の動きも活発に。人の動きでは、国民民主党にも立憲民主党にも参加せず、「無所属」を選んだ議員が多い。
 衆院議員23人、参院議員9人の計32人が「我が道を行く」とばかりに無所属に。
 そんな無所属議員の中で会派として名乗りを上げている衆院会派「無所属の会」。
 昨年の衆院選挙後、民進党系の無所属議員を軸に立ち上げられている。
 5月9日には玄葉光一郎氏も「無所属の会」に入っている。
 玄葉氏の加入で、総勢13人に。
 代表は岡田克也氏、幹事長は大串博志氏。
 13人目の男として加わった玄葉氏は民主党政権時代、外相のポストにあった。
 昨年、希望の党が民進党との合流を進めたとき、民進党側の窓口になり候補者調整を。
 結果は惨敗。責任をとり、希望の党には入らず以後、無所属。
 「無所属の会」の顔ぶれは岡田代表をはじめ、旧民主党時代の実力者がズラリ。
 それも個性派が揃っている。
 「無所属の会のパワーから目が離せない」
 永田町ではそう言われている。
 岡田代表はパワーを発揮していくことを明らかにしている。
「大きな塊りをつくる礎になりたい」
 今後の岡田氏の動きに注目だ。

「河野カラー」

 世界を飛び回る河野太郎外相。
 「外相」という重要ポストに就任したことで、はじめてわかったことも多い。
 自らの目で確認したことでの改革を明らかにしている。
 外から見ていることと、実際に自分の目で見ることの大きな違い。
 これをまず反省しているのが大使館の陣容。
 「まったく足りていない」
 大使館員の増員を痛感したのはモルジブに飛んだとき。
 大使館の充実に加え、大使の語学力にも手をつける考え。
 5月7日の参院決算委員会で、こう言及している。
 「大使はその国の言葉ができなくては」
 派遣するにあたって、業務から切り離し、語学学習を徹底させることを明らかに。
 河野外相は国会議員きっての英語力で知られている。
 通訳をまったく必要とせず、ジョークも英語で。
 自身が英語の達人だけに、なおのこと大使の語学力アップに力をいれる考え。
 外相専用機の「必要性」も。予算案で関連費用を計上する考えを。
 「専用機があれば、訪問に問題がなくなる」
 米国、ロシアなどには専用機があり、訪問国数で他国に離されているのは事実。
 外務省については「ブラック企業のよう」とも。残業時間の多さを危惧している。
 さらには外務省内の「禁煙」にも言及。
 「煙が充満している」と。
 「河野カラーを鮮明にしてきている」
 永田町の見方だ。

「石破戦略」

 自民党総裁選まで3カ月余。
 3選を目指す安倍晋三首相に対し、石破茂元幹事長が批判を強めてきている。
 「国民の気持ちと離れていっている」
 現状の安倍首相、政権に対する攻撃は激しい。
 安倍首相は憲法改正を主張しているが、これについても真っ向から「問題だ」と批判。
 森友、加計学園問題でも批判のトーンを高くしていくばかり。
 5月11日、石破氏は大阪入りした。
 今年2月にも大阪入りしたばかり。
 今年2度目の大阪でも、批判の声を。
 明らかになっているのは安倍首相と正面から対決だ。
 批判の声を高くすることで地方票の取り込みを。
 これには自民党内から、そして石破派内からも「走りすぎでは」の見方が。
 それでも批判のトーンを下げようとしない。
 「まるで野党議員のよう。突っ走ることで、失速する恐れもある」(永田町筋)
 岸田氏が「批判するのは簡単だが、そればかりでは」と、幅をもたせているのとは正反対。
 正面からの対決。各世論調査の結果がそこにはある。
 「首相にふさわしい人は」で、石破氏は安倍首相より高い数字を獲得している調査が。
 12年の総裁選では、地方票で安倍首相を圧倒しているという自信も。
 総裁選ダービーは4コーナーをまわって、最後の直線コースにはいってきている。
 5月下旬からの東北地方をこまかくまわる地方行脚では、さらに批判の声を高くしてきそう。