中央政界特報

■平成30年4月12日(木) 第5354号

「政治特報」

 日本初の女性首相へ。野田聖子総務相が手を挙げた。自身が塾長を務める女性政治塾を開塾。9月の自民党総裁選へアクセルを踏み込んだ。

 「岐阜女性政治塾」はその名の通り地元の岐阜市で、女性だけに絞って4月1日に第1回目の講義が開かれた。
 応募者200人の中から選ばれた15〜69歳の72人が参加。
 政治塾は総裁選が行われる直前まで開かれる。
 「総裁選のためのものではない」
 そう否定しているが、永田町では「まさに総裁選を睨んでの政治塾」の見方がされている。
 上智大学外国語学部を卒業し、帝国ホテルに就職。政治家になることは子供の頃からの夢で、小学生の時の作文に「総理大臣になる」と書いている。
 祖父野田卯一氏と養子縁組をし、87年に26歳で岐阜県議に当選。90年の衆院選挙には落選したが、93年に初当選。
 自民党議員として、順風満帆。小渕内閣で戦後最年少の37歳で郵政大臣に。
 党内で「白雪姫」「自民党のマドンナ」と呼ばれ、「総理大臣候補」として大きくクローズアップされた。
 そんな野田氏が厳しいところに追い詰められたのは小泉内閣の「郵政民営化法案」に造反、自民党を追い出されたとき。
 06年に復党し、再び「女性首相の座」を目標に。
 これまで「日本初の女性首相候補」として田中真紀子氏、稲田朋美氏、小池百合子氏、そして野田氏の名前があがってきている。
 昨年は、小池氏がクローズアップされた。
 「排除」のひとことで後退してしまったが、「総理大臣の椅子に坐るのでは」とまでいわれたほど。安倍晋三首相も神経をとがらせていた。
 政治塾の講義の後の記者会見で野田氏は9月の総裁選出馬への強い意欲を語っている。
 15年の総裁選。野田氏は無念な思いをしている。
 土俵にあがることができなかった。
 出馬するには20人の国会議員の推薦人が必要だが、最終的に19人しか集められなかった。
 推薦支持の予定議員が引きはがされてしまった。
 結局、この年の総裁選は安倍首相の無投票での再選に。
 あれから3年。今回の総裁選はかつてない「激戦」(永田町筋)が予測されている。
 3選を目指す安倍首相をはじめとし石破茂前地方創生相、岸田文雄政調会長、野田氏の4氏による「戦国ダービー」になりそう。
 勝つことに野田氏は強気。そして自信を持っている。
 「出るだけにはしない」と。

「木曜の昼」

 自民党内の7派閥、1グループ。
 清和会(細田派・細田博之会長)、為公会(麻生派・麻生太郎会長)、平成研(竹下派・竹下亘会長)、宏池会(岸田派・岸田文雄会長)、志師会(二階派・二階俊博会長)、水月会(石破派・石破茂会長)、近未来(石原派・石原伸晃会長)有隣会(谷垣グループ・谷垣禎一会長)。
 各派は何を考えているか。どう動いてくるか。
 それを知ることができるのは木曜日の昼過ぎ。
 木曜日の昼間、自民党議員は国会議事堂に隣接する議員会館から一斉に姿が見えなくなってしまう。
 国会内で開かれる派閥の会合に出席するためだ。
 昼食をとりながらの各派閥の定例会。
 同じ日、同じ時間に開くのは「他派閥への掛け持ちができないように」から。
 希望の党、立憲民主党、民進党と3分裂する前の旧民進党も、自民党に習い、鳩山由紀夫政権になった2010年から木曜日昼の定例会を行っていた。
 自民党各派閥の定例会。これは情報交換とともに、派閥のより強い結束を目指している。
 9月の総裁選が迫ってきており、しかも安倍晋三内閣の支持率が急落してきたことで、木曜日の会合は緊迫度を増してきている。
 佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問の直後の定例会後の発言では、石破氏は「国民が分かったというのには遠い」。
 「国民の信頼は回復しない」は石原氏。
 総裁選を睨んでの 今後の各派の動きがでてきている。
 木曜の昼間は、これまで以上に注目されることに。

「支援するのは誰か」

 額賀福志郎氏が退き、竹下登元首相の弟、竹下亘氏の会長就任で、4半世紀ぶりに復活の自民党竹下派(平成研究会)。
 9月の総裁選が迫ってきていることで、復活した竹下派の動向に注目が集まっている。
 竹下派の勢力は55人。これは自民党内の派閥では細田派、麻生派に次ぐ3番目の大派閥。
 だが、現状では総裁候補はいない。
 総裁選では「誰か」を支援することに。
 「竹下派の動きによって、総裁選はガラリと違った様相になってくる」(永田町筋)
 額賀氏は安倍晋三首相支持だった。
 「支えていく」ことを明言していた。
 竹下氏は額賀氏のように「誰を」と明言していない。
 「半年先のこと」と。そこには派閥内の事情も。加藤勝信厚生労働相は安倍首相とは強いパイプでつながっている。
 その一方で安倍首相とは距離を置く議員も。
 これから半年、竹下氏は党内の情勢を見ながら、「誰れ」の決断を下すことに。
 竹下派が竹下登元首相によって旗揚げされたのは1987年。
 これまで竹下登氏をはじめ小渕恵三氏、橋本龍太郎氏と3人の首相を生んできている。
 まさに名門派閥であり、実力派閥。
 総裁選は3選を目指す安倍首相、地方票に強い石破茂前地方創生相、外相経験の長い岸田文雄政調会長、野田聖子総務相による「激戦」の様相が強い。
 竹下氏は「政策に近い人を」と。
 早々に決めつけをせず、9月までじっくりと見極めにかかる考え方だ。

「存在感をアピール」

 石原伸晃元環境相が率いる「近未来会」(石原派)は自民党7派閥の中で最小だ。
 その勢力は12人。最大派閥の細田派の約8分の1ほどでしかない。
 だが、いま「12人」が注目される勢力になっている。
 自民党総裁選は9月。半年もない。
 この段階にきて安倍晋三首相の「3選」は絶対的ではなくなってきている。
 「まったくわからなくなった」(永田町筋)
 石破茂前地方創生相、岸田文雄党政調会長、野田聖子総務相が活発な動きになってきている。
 そこで石原派の12人。石原派の動きが総裁選を左右することにも。
 3月にはいってすぐ、石原派の最高顧問、山崎拓元副総裁は石破派幹部と会談。その後、山崎氏は石破派の勉強会の講師をつとめている。
 さらに石原派幹部は谷垣禎一前幹事長の谷垣グループの幹部とも会食。ここで、毎月1回は会食することが決まっている。
 石原氏も口を開いてきている。
 森友学園問題について、安倍晋三首相を牽制するように「国会全体で真相を究明しなくては」と。
 53歳のときに、自民党のナンバー2の幹事長の椅子に座っており、12年の総裁選にも出馬している。
 環境相時代の失言で、以後、一歩下がっていたが、いまここにきて動きを再開だ。
 若手時代は「自民党の明日を創る会」の世話人を務めるなど、その言動は目立っていた。
 総裁選を控えて党内が騒がしさを増してきていては、一歩さがったままではいられない。

「総理と髪の毛」

 予算委員会での安倍晋三首相。
 その頭髪はびしっと櫛がはいっているが、少し乱れているときも。
 白いものも。国会が紛糾していることが、そのまま頭髪にも。
 安倍首相は東京・西新宿のホテル「ヒルトン東京」内の「村儀理容室」と渋谷の「HAIR GUEST」で。
 「村儀理容室」といえば小泉純一郎元首相も常連客。自慢のライオンヘアーを調髪。
 内閣総理大臣は日本で最も多忙。それこそ分刻みでスケジュールは詰まっており、海外も駆け巡っている。心労も大きい。
 このことで頭髪が受けるダメージは大きい。
 歴代首相を見ても、在任期間中に頭髪に変化が。
 中曽根康弘元首相は量が少なくなり、櫛で整える回数が多くなっていた。
 飛行機のタラップを降りるときは、風向きを気にしていた。
 5年半の長期政権になった小泉元首相は、ライオンヘアーが黒から白に。それこそライオンヘアーのおもむきに。
 菅直人元首相も1年3カ月あまりで白髪が増えた。
 野田佳彦前首相は、就任したときは黒々としていたが1年たらずの間に
 生え際に白髪が目立つように。それに額が後退気味になっている。
 頭髪にもっとも気を配っていたのは橋本龍太郎元首相。
 毎朝、鏡の前に30分以上も。ポマードでガッチリとリーゼントを整えていた。
 いま安倍首相は12年12月26日に政権の座に復帰して以来、最大の窮地に立たされている。
 世界もこれまで以上に緊迫している。頭髪が受けるダメージは大きい。

「6人組のいま」

 民進党が希望の党、立憲民主党、民進党に3分裂してから半年。
 民進党と希望の党の合併協議がささやかれている。
 「半年もたたずに再合流とは」(永田町筋)といった冷めた見方があるが、「新党を結成したい」と民進党大塚耕平代表。
 そんな動きの中、動きがないのが野田佳彦氏、岡田克也氏、前原誠司氏、枝野幸男氏、安住淳一郎氏、玄葉光一郎氏の6人。
 民主党政権時代の6人は、それこそ「花形」だった。
 「6人組」と言われ、鳩山由紀夫氏、菅直人氏、野田佳彦氏と首相が替わっても、つねに党の中枢に。
 内閣の、党の重要ポストに常にいた。このことで「ポストをハシゴする6人」(永田町筋)とまで揶揄されていた。
 その6人組もすっかり様変わりだ。
 目立っているのは立憲民主党代表に就任している枝野氏ひとり。
 あとの5人はすっかり存在がかすんでしまっている。
 まったくといっていいほど永田町で話題にあがってこない。
 野田氏、前原氏の背中には怒りの声が。
 野田氏には旧民主党を野党に転落させたことへの恨みと怒り。
 前原氏には「旧民進党を3分裂させてしまった」ことへの怒りが。
 今年に入ってからは、ほとんど2人に言動はない。
 安住氏、玄葉氏も静かだ。
 岡田氏は民進党に所属していながら「無所属の会」をつくるという複雑さ。
 合併協議を「政府与党を利するだけ」と批判しているのだが。

「1位に」

 3月30日にセ・パ両リーグともに開幕した今年のプロ野球。
 「優勝」を目指し、熱い戦いになっている。
 セ・リーグは広島が3連覇に強気。パ・リーグはソフトバンクが2連覇へ燃えている。
 開幕の日、安倍晋三首相の姿は東京ドームに見られた。
 「巨人―阪神」の開幕戦をハガティ駐日米大使夫妻と観戦。
 巨人がエース菅野を押し立てながら敗れた試合だったが、最後まで席を立たなかった。
 長嶋茂雄巨人軍終身監督ともガッチリと握手を交わしており、感想は「楽しみました」と。
 長嶋氏とは25年5月5日にも顔を合わせている。このときは長嶋氏と松井秀喜氏に「国民栄誉賞」を贈っている。
 3日後の8日には両氏を首相公邸に招いての夕食会。
 今年の開幕戦にはグラウンドに下りなかったが、これまで2度、始球式をしている。
 1度目は06年、第1次政権のとき、日米野球で。 
 そして2度目が長嶋氏と松井氏への国民栄誉賞授与の試合で。
 安倍首相はどのチームのファンなのか。
 少年時代はアトムズ(現ヤクルト)のファンだった。
 巨人の優勝と安倍首相にはつながりが。
 12年12月26日に政権の座に復帰しているが、この年の巨人はリーグ優勝、そして日本シリーズにも勝ち、日本一になっている。
 今年9月、自民党の総裁選が行われる。安倍首相は3選を目指している。
 3選成るか、巨人は優勝できるか。総裁選とほぼ同時期に判明する。