中央政界特報

■平成30年3月1日(木) 第5348号

「政治特報」

 民進党が分裂してから半年余。希望の党、立憲民主党、民進党と党首は1人から3人に。これからが代表としての真価の発揮しどころ。

 分裂前は前原誠司氏一人が民進党の代表。
 それがいま希望の党玉木雄一郎氏、立憲民主党
枝野幸男氏、民進党大塚耕平氏と3人。
 2月14日の衆院予算委員会。
 枝野氏は107分間にわたって安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相を攻め立てた。
 枝野氏の激しい質問攻めに安倍首相、麻生財務相はたじたじになる場面が。
 3人の代表の中で、最も勢いにのっているのが枝野氏。
 今国会での3党の勢力図は、衆院で立憲民主党54人、希望の党51人。参院で民進党42人、立憲民主党6人、希望の党3人。
 対する自民党は衆院が283人、参院が125人。
 3党の党内状況で厳しくなっているのは希望の党。
 国会の勢力図に変化をもたらしそうな動きで党内が揺れている。
 松沢成文氏、中山恭子氏、行田邦子氏の参院議員と中山成彬氏、井上一徳氏の衆院議員が「憲法改正」「安全保障」での考え方の違いから分党を要求。さらに「集団的自衛権の行使」に否定的な大串博志衆院議員も「分党」の声を上げており、3分裂ということにもなりかねない状況だ。
 玉木代表は民進党との統一会派を目ざしたが、これは民進党内からの反対の声にあっている。
 民進党も一枚岩には遠い。
 大塚代表は立憲民主党、希望の党との連携に意欲を示しているが、具体的なカレンダーも出せないでいる。正月明け早々に開いた党大会は寂しいものだった。
 2月16日、連合は政策勉強会「連合政策・制度フォーラム」を立ち上げた。
 発足の会合には野党議員が多数出席。3党の幹部も揃って出席している。
 枝野氏、大塚氏の顔も見られた。
 だが、連合内も揺れている。一枚岩ではない。
 傘下の産業別労働組合の支持政党が違っている。
 自治労、私鉄総連は立憲民主党を支持しているが、電力総連は希望の党寄りのスタンス。
 枝野氏、玉木氏、大塚氏の力量が問われる。

「地産で町興し」

 全国各地で「町興し」が盛んに行われている。
 地元特産をアピールしての町興しに、小泉進次郎自民党筆頭副幹事長も乗り出してきた。
 小泉氏の地元は神奈川県横須賀市。
 横須賀といえば米軍、それに海上自衛隊の基地で知られている。
 漢字で「横須賀」と書くより、カタカナで「ヨコスカ」と書くほうがぴったりとくる町だ。
 小泉家は代々、横須賀の住人で神奈川県では河野太郎外相とならぶ政治家一族。
 実家は浦賀水道が望める市内の高台に。
 小泉純一郎元首相が住んでおり、「原発ゼロ」を訴える会合、講演会などのとき屋敷から降りてくる。
 進次郎氏はこの実家から地元の関東学院大学に進学。
 そのあと米コロムビア大学院に留学後、09年の衆院選に初出馬して初当選。
 いまヨコスカで名物になっているのが「ヨコスカカレー」。
 海上自衛隊風味のカレ―。
 そしてスカジャン。若者を中心に人気のあるジャンパーで、市内の商店街「ドブ板通り」で誕生。米兵が土産用に和柄の刺繍をしたのがはじまりになっている。
 「ヨコスカジャンパー」を略して「スカジャン」。
 2月12日、ドブ板通り商店街が「スカジャン発祥の地」を宣言。
 あらためて、スカジャンの町であることを全国に発信。
 この「宣言」に小泉氏も参加。
 「ぼくも着てますよ」と。
 昨年の衆院選挙では緑色のスカジャンで走りまわっていた。

「国民栄誉賞」

 平昌冬季オリンピックで日本選手のメダルラッシュの最中、2月13日、首相官邸で国民栄誉賞表彰式が行われた。
 表彰されたのは将棋の羽生善治竜王と囲碁の井山裕太7冠。
 衆院本会議後の午後5半過ぎから約30分。
 紋付、袴姿の羽生氏と井山氏に表彰状と『国民栄誉賞』と記された盾が。
 あわせて安倍晋三首相から記念品として硯(すずり)と筆のセットが贈られた。
 硯は山梨県で採石された雨端硯で、筆は熊野筆。
 硯と筆を納める硯箱にもこだわりが。
 羽生氏、井山氏がともに「7冠」ということで、七宝彩釉群鶴文硯箱(しっぽうさいゆうぐんかくもんんすずりばこ)に。
 国民栄誉賞が贈られるようになったのは77年で王貞治氏が最初。その後、長谷川一夫氏、植村直己氏、山下泰裕氏、衣笠祥雄氏、美空ひばり氏、千代の富士貢氏、藤山一郎氏、長谷川町子氏、服部良一氏、渥美清氏、吉田正氏、黒沢明氏、高橋尚子氏、遠藤実氏、森光子氏、森繁久弥氏、女子W杯サッカー代表、吉田沙保里氏、大鵬幸喜氏、長島茂雄氏、松井秀喜氏、伊調馨氏と続いている。
 贈られた表彰状、盾、記念品に羽生氏、井山氏とも感激しきりだ。
 式に長女の舞花さんも同席させた羽生氏は「緊張しました」と。
 井山氏は、
 「これからも努力していかなくては」
 羽生氏からは安倍首相に弘山作、水無瀬書の盛り上げ駒と、二寸盤。
 井山氏からは日向産の蛤(はまぐり)碁石、榧(かや)製の碁盤と碁石入れが贈られている。
 安倍首相が囲碁、将棋を楽しむことになるか。

「喝!」

 1月13日、首相公邸に自民党所属の衆院議員が集められた。
 つぎつぎに公邸に入っていったのは当選3回生。
 党内で、3回生は「問題視」されている。
 当選2回生時代、同期の議員が暴行、不倫疑惑など、なにかと騒ぎを起こしていることから。
 昨年10月の衆院選挙前、2回生には厳しい声が集中していた。
 二階俊博幹事長は「場合によっては候補者を差し替えることもある」と擁立見直しにまで言及していた。
 自民党内にあって2回生は101人。
 自民党全議員の4割ほどを占める。そのほとんどが、「安倍首相人気」を背にした追い風の中で当選している。
 それだけに投票直前まで「101人のうち、はたして何人が当選できるか。自民党の命とりになるのではないか」(永田町筋)といった言われ方をされていた。
 それが結果は、小選挙区で60人、比例区で27人の87人が当選している。
 8割以上が、バッジを胸につけることができた。
 民進党が希望の党、立憲民主党に割れてしまったことによるものが大きかった。
 それでも、「甘い」と批判されながらも議席を確保したのは確か。
 だが、党内ではいぜんとして「問題」視されている。
 首相公邸に集まった3回生議員は約20人。
 安倍首相と会食しながら、改めて「喝!」を入れられた次第。
 と同時に安倍首相が今後の国会審議で、当選3回生議員を頼りにしていることのあらわれでもある。

「どうなるカジノ」

 カジノ法案が迷走している。
 カジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐっての各党の姿勢が違っている。
 推進の自民党、慎重な公明党、反対の立憲民主党。
 政府は3月末までに実施法案を国会に提出する方向でいる。
 自民党は今国会(6月22日まで)での成立を目指している。
 だが、野党の「反対」の構えは強い。
 立憲民主党枝野幸男代表は「やめるべき」と、勉強会のテーブルにもついていない。
 公明党が慎重なのは「ギャンブル依存症」が出てくるのを危惧してのもの。
 「カジノ」の声が初めて上がったのは1999年。
 時の石原慎太郎東京都知事が「お台場でカジノを」とぶち上げたのが始まりだった。
 2000年には韓国の「江原」にカジノがオープンしている。超党の議員によって「国際観光産業振興議員連盟」(IR議連)が立ち上げられたのは2010年。
 安倍晋三首相もカジノには前向きのスタンスで「観光振興になり、雇用創出にもつながる」と、成長戦略の目玉に。
 14年には自らシンガポールのカジノを視察している。
 カジノ誘致に手を上げた自治体は北海道(小樽市、釧路市、苫小牧市)、東京都、千葉県、横浜市、大阪市、宮崎県、長崎県、沖縄県。
 それが、つぎつぎに手引っ込めてきており、横浜、東京などからは声も聞かれなくなっている。
 法案づくりにもまだ問題が多い。

「立憲のエース」

 通常国会で、存在が際立って目立っている立憲民主党長妻昭衆院議員。
 予算委員会での質問、追及の激しいこと。
 安倍晋三首相、麻生太郎財務相も思わずたじろいでしまうほどの激しさだ。
 「いまや立憲のエース。追及男」(永田町筋)といった言われ方までされている。
 麻生財務相の答弁には「国会をなめるなといいたい」とまで語気を荒くしていた。
 立憲民主党には国会質問の「凄腕」議員が揃っている。
 そんな中にあって、長妻氏の追及は鋭い。
 昨年の衆院選挙での快勝の勢いそのまま。
 厳しい選挙が予想されたが、開票から5分もたたないで当選を決めている。
 「こんなに早く当選が出るとは」
 即当選に本人がびっくり。
 1960年6月14日、東京生まれ。慶応大学法学部を卒業したあと、職を転々と。
 まず入社したのは電機大手メーカーのNEC。岡山支店で営業を。
 政治家になったのは「日経ビジネス」の記者として取材しているとき「世直しがしたい」という気持ちから。
 95年の参院選全国区に「平成維新の会」公認で出馬したが落選。翌96年の衆院選には旧民主党推薦で出馬するも落選。
 初当選は2000年の衆院選。
 国会議員のバッヂをつけてからは、5000万件の消えた年金をあぶり出し「ミスター年金」の異名を。
 民主党政権では厚生労働大臣に。初閣議に5分遅刻している。

「首相の会食」

 今年に入ってから安倍晋三首相は外での会食が少なくなっている。
 東京・渋谷区富ヶ谷の私邸に帰る日が多い。
 2月に入ってからは15日に岸信夫衆院議員らと東京・本郷の「焼肉ジャンボ はなれ」での会食が目立ったぐらい。歴代首相は揃ってグルメだ。
 小泉純一郎元首相は「独身」ということもあって、それこそ連日のように都内の有名店を食べ歩いていた。
 銀座の料亭「吉兆」をはじめ赤坂のすし店「濱寿司」、ラウンジ「トップオブアカサカ」、ステーキ店「桂」、フランス料理店「トリアノン」、しゃぶしゃぶ「ざくろ」、中華料理店「トゥーランドット遊仙境」、インド料理店「リトルインディア」、イタリア料理店「サバティーニ青山」といったように世界各国の料理を。
 森喜朗元首相も外食を楽しんでいた。政権在任中、最も多かったのはホテル内のレスラン。ついで日本料理店、中華料理店、すし店の順に。
 麻生太郎氏は1年間の政権担当中、最も話題となったのはバー通い。
 グルメではあるが、それ以上にバーのほうが。
 帝国ホテル内の「ゴールデンライオン」、ホテルオークラの「ハイランダー」、ホテルニューオータニの「カトーズダイニング&バー」などでブランデーを。
 民主党政権では菅直人元首相が「グルメ」に。
 築地のすし店「樹太老」、日本料理店「なだ万」、焼肉店「叙々苑」など。
 今年、安倍首相の外食が少なくなっているのは正月明けから外国訪問が続いていることと、外国から首脳の来日が相次いでいることに。