中央政界特報

■平成30年2月15日(木) 第5346号

「政治特報」

 自民党内が騒がしい。9月の総裁選へ向け、党内各派が動きだした。安倍晋三首相の3選へ強い意欲は変わらず。

 毎週木曜日昼、自民党議員は国会に集まる。
 昼食のカレーライスを食べながらの懇談会が。
 各派閥それぞれの集まりだ。
 自民党内にある派閥は細田派、額賀派、麻生派、岸田派、二階派、石破派、石原派の7派閥。
 自民党の派閥が顕在化したのは1956年。「自民党」が結党された翌年だ。
 このときの派閥は池田派、佐藤派、岸派、河野派、大野派、石井派、石橋派、三木・松村派。
 その後、60年余で解散、連携、合体をくりかえし、現在の7派閥に。
 この7派閥がいま騒がしい。
 大揺れなのは額賀派。吉田博美参院幹事長をはじめとした参院議員21人が、額賀福志郎会長の会長退任を要求。
 それも退任しなければ「額賀派を抜ける」とまで。まさに「クーデター」ともいえる動きだ。
 竹下派の流れをくむ額賀派。竹下派時代は党内最大派閥で104人の大勢力を誇ったときも。
 それも「一致団結箱弁当」といわれたほど『鉄の結束』を誇っていた。
 だが、現状の勢力は第3位派閥になってしまっている。
 額賀会長は党主要ポストからも離れたまま。かつての勢いはない。
 「このままでは冷や飯を食わされつづけるという不満が派閥内にはある」(永田町筋)
 勢いを増しているのは麻生派と二階派。
 麻生派は山東派を抱え込み、一気に勢力を拡大。
 二階派は会長の二階俊博氏が幹事長に就任してからは、つぎつぎに議員をスカウト。
 麻生氏、二階氏とも意識しているのは「キングメーカー」としての座。
 9月の総裁選での「キャスチングボード」を狙っている。
 勢力拡大は岸田派も。ここにきて、昨年10月の衆院選で初当選した西田昭二氏を迎えた。
 今回の総裁選から地方議員、党員票が重視される。
 だが、「決定権」は国会議員が握っている。
 まず総裁選に出馬するには20人の推薦国会議員が必要だ。
 「ポスト安倍」に強い意欲をみせている石破氏だが、派閥勢力は19人。あと1人が足りない。
 有力候補の野田聖子総務相は、自前の派閥がない。14年の総裁選では推薦人が1人及ばず出馬を断念している。
 すでに推薦人が確保できているのは最大派閥細田派を出身母体にしている安倍首相と岸田政調会長。
 「勝ち馬に乗る動きもでてくる」(永田町筋)と見られており、派閥のざわめきはさらに大きくなることに。

「卒業の季節」

 超厳しい寒さがつづいているが、立春も過ぎ、季節は春に向っている。
 卒業の季節だ。いちはやく卒業が続いているのはアイドルグループ。
 ももいろクローバーZの有安杏果が卒業したかと思うと、乃木坂46生駒里奈も卒業。
 アイドルグループからの卒業にファンからは「寂しい」の声が。
 卒業を惜しむ声は政界からも。
 「残念、残念」を連発しているのは立憲民主党枝野幸男代表。
 民主党代表として今年初の記者会見で、さっそくこれに触れている。
 衆参合わせて717人いる国会議員の中で、枝野代表の「アイドルグルーブ好き」は有名。
 それも、昨日、今日のファンではない。年季が入っているガチガチの「アイドルグループファン」なのだ。
 コンサートにもかけつけており、仮面女子のコンサートのときはステージにもかけあがって、一緒に歌い踊っている。
 民進党当時で党内が大揺れのときは欅坂46の「不協和音」を歌い、昨年の衆院選挙のときは乃木坂46の「インフルエンサー」を歌っている。
 それだけに相次ぐ卒業に少なからずのショックを受けている。
 有安は文字通り本当の卒業で、芸能界からも引退。
 「普通の女の子にもどります」と。
 今後はアロマ検定取得の勉強などを。
 有安がいなくなったももいろクローバーZは残った4人のメンバーでの活動に入っている。
 生駒は乃木坂46を卒業するが、ひきつづいて芸能界に。
 これには枝野代表もほっとしているよう。

「国土が大きくなった」

 安倍晋三首相は通常国会開会の施政方針演説でこう声を高くしている。
 「新しい時代を共に切り拓いていこうじゃありませんか」
 今国会を「働き方改革」とネーミングしており、「働き方」「人づくり」、そして「憲法」を強調している。
 「国の力は、人に在り」
 東京帝国大学山川健次郎総長の言葉の引用で始まった施政方針演説。
 「多くの人の力を結集し、次の時代を切り拓く。あらゆる人にチャンスを与える日本をみなさんとともに、作ろうではありませんか」
 国際通貨基金(IMF)の発表した2018年の世界経済見通しによると、日本の成長ポイントはわずかだが上昇している。
 そんな中、日本の国土が広くなった。
 1月31日、国土地理院は17年10月1日時点での日本の国土面積を発表。
 これによると日本の国土は37万7973・89平方キロメートル。
 前年の発表より2・32平方キロ大きくなっている。
 大きくなった要因は小笠原諸島の西之島の噴火によるもの。
 西之島が噴火したのは13年。初噴火後も噴火を続け、溶岩流によって島は拡大。
 2つの島が一体化し、1年後には1・89平方キロ。最高地点の標高は約100メートルに。
 この時点で東京ドームの約40倍の広さに。
 そして、2・32平方キロに拡大だ。
 これは昨年10月1日現在のもので、その後さらに大きくなっていることも考えられる。
 溶岩流の流出は1日あたり約15万立方メートルとも。

「首脳来日ラッシュ」

 今年も各国首脳の来日が続きそうだ。
 安倍晋三首相は政権の座に復帰してからの5年で、73カ国、地域を歴訪している。
 これは歴代首相では最も多い。
 「地球を飛び回った」と言われている小泉純一郎元首相も、安倍首相の「地球儀俯瞰的外交」にはかなわない。
 日本を出ることが多いが、日本にやってくる外国首脳も多い。
 民主党が政権を握っていたとき、日本は「通過」され、外国首脳は「パッシング」そのものだった。
 今年、まっさきに日本を訪れたのはオーストラリアのターンブル首相。 安倍首相がエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国、ブルガリア、セルビア、ルーマニアの東欧3国から帰国するのを待っていたように1月18日に来日し、首脳会談をしている。
 1月26日にはフランスのルドリアン外相、パルリ国防相が首相官邸を表敬訪問している。
 2月以降、さらに外国首脳の来日が。
 6日にはドイツのシュタインマイヤー大統領と会談。同じく6日にはペンス米副大統領が来日。
 河野太郎外相が1月28日、日本の外相として1年6カ月ぶりに訪中。
 李克強首相を日本に招待する考えを正式に伝えており、その調整に入っている。
 フランスのマクロン大統領も年内に訪日しそうだ。
 これは安倍首相を首相官邸に表敬訪問したとき、ルドリアン外相がマクロン大統領が「訪日したい意向」であることを伝えている。
 官邸は海外からの千客万来ということになりそう。

「沖縄でも走った」

 今年、国政選挙はないが、与党、野党にとっては「一歩も引けない」地方選が続く。来年には参院選が控えており、その後には衆院選挙が。
 国政選挙につながるだけに、それこそ息を抜くことができない。
 前哨戦を制したのは政府与党。
 沖縄県名護市長選に勝利。
 首相官邸で番記者に囲まれた安倍晋三首相は「よかった」と。
 永田町では安倍首相と翁長雄志沖縄県知事の「代理戦争」といった言われ方をされていた。
 今年に入って各世論調査で支持率が再上昇の気流に乗ってきている安倍首相、そして自民党だが、「1強」状態にざわめきが起きてきているのも事実。
 こうしたことからも安倍首相、自民党としては「絶対に落とせない」選挙だった。
 それをあらわすように菅義偉官房長官、二階俊博幹事長も現地入りしている。
 注目の人、小泉進次郎自民党筆頭副幹事長も名護市に入っている。それも2度にわたって。
 渡具知武豊氏陣営のシンボルカラーである「黄緑」のネクタイを締めて。
 応援演説では「協調と融和」の声を高くしていた。
 小泉氏は初当選以来「自民党の一番の看板」として選挙のたびに走りまわっている。
 その人気は絶大で昨年の衆院選挙では小池百合子東京都知事を追いこんだ。
 だが選挙応援は国政選挙が主で、地方選の応援はまれ。
 それが2度までも選挙区入りして声を枯らした。沖縄でも走った。

「首相にしたい人」

 安倍晋三首相にとって、なんとも気になる世論調査結果が。
 各世論調査で自民党、安倍政権の支持率は右肩上がりになってきている。
 「一時のどん底状態から脱してきている」(永田町筋)
 ところが、ここにきて安倍首相には気になる調査結果が。
 「首相にしたい人」の調査でも他を寄せつけず、高い支持を集めていたのが、なんと一部の世論調査では安倍首相が2位に転落している。
 安倍首相を1位から引きずりおろし、1位に上がっているのは石破茂元地方創生相。
 12年12月26日に第二次安倍政権を発足させてから、ここまで「1強」をほしいままにしてきていたのに。
 1月30日の衆院予算委員会。憲法改正で安倍首相は野党の質問に答えるというより、明らかに委員の席に着席している石破氏を意識した答弁をしていた。
 「ポスト安倍」の最右翼と目されている石破氏。
 安倍首相と対峙する発言、行動が目立ってきている。
 「言うべきことは言う」が石破氏のスタンスで、安倍首相の政策を否定することも。
 違いを明確にしているのは憲9条2項。安倍首相は交戦権を否認する2項の維持を主張しているが、石破氏は削除の考えだ。
 行動も積極的になってきた。
 政策本「石破茂と水月会の日本創生」を出版したのもその表れ。
 その時どきの発言、国内外の動きによって支持率は変わってくる。
 これから総裁選までの8カ月余、まだまだ波乱含みの日々に。

「テレビ中継」

 テレビ中継で思わぬところが映ってしまい、与野党から批判の声があがっている。
 衆院予算委員会で茂木敏充経済再生担当相と野田聖子総務相の談笑シーンが。
 野党からだけでなく、公明党山口那津男代表も「緊張感がない」と。
 国会の地上波のテレビ中継はNHKが行っている。
 だが、国会審議のすべてが中継されているわけではない。
 必ず行われるのは本会議場での首相の所信表明演説、施政方針演説、政府演説、代表質問。
 そして予算委員会。国会内には多くの委員会があるが、その中でテレビ中継が入るのは予算委員会。
 このこともあって予算委員会は「花の委員会」といった呼ばれ方をされている。
 議員にとって、予算委員は「国会議員」としての存在感を示すには一番の委員会。
 「テレビに映ることで地元選挙区に大きくアピールできる」(永田町筋)
 質問者となり首相、閣僚に質問するとなれば、さらにアピール度はアップ。委員として席に座っているだけでも効果は大きい。
 「ポスト安倍」への出馬がささやかれている石破茂氏も、閣僚を離れてからは予算委員として委員席で顔がアップになっている。
 国会中継がクローズアップされるようになったのは細川護熙首相の時から。
 映像を意識した細川首相によって、視聴率は急激に上昇。
 それまでに比べ3倍以上も視聴率は高くなった。テレビ中継は見応えがある。