中央政界特報

■平成30年1月11日(木) 第5341号

「永田町劇場の主役・安倍晋三首相」

 過ぎた昨年を漢字一文字で「挑」と表している。
 新しい年の漢字は果たしてどうなるか。
 「国民によりアピール」と新年から力を入れているのが、若者の間で広まっているインスタ。
 安倍首相も写真共有アプリ「インスタグラム」を開設した。
 これを使って、政策をアピールしていくことに。
 安倍首相の新年は元日、皇居での新年祝賀の儀で始まった。
 年頭所感は「実行の一年」と。
 暮れから正月にかけては、渋谷区富ヶ谷の自宅を出て、六本木のホテル「グランドハイアット東京」で過ごした。
 昨年も同ホテルで新年を迎えており、すっかりご用達の感じ。
 1日には六本木の映画館「TOHOシネマズ」で映画「オリエント急行殺人事件」を観賞。2日には茅ヶ崎市の「スリーハンドレッドクラブ」で初ゴルフ。
 今年も世界を飛び回る年になる。
 「必要とあればどこにでも行きますよ」
 フットワークのよさを強調している。
 さっそく、1月の通常国会前にマレーシア、シンガポール、アラブ首長国連邦(UAE)を訪問。
 マレーシアとシンガポールには新幹線技術の売り込み。UAEには海上油田権益更新に。
 来日する首脳を迎えての首脳会談もひっきりなしになりそう。
 日中首脳会談も予定されている。
 9月には自民党総裁選が。ここで3選をものにすることができるか。
 3選となれば、2020年東京オリンピック、パラリンピックを首相として迎える。

「永田町劇場の主役・麻生太郎副総理兼財務相」

 永田町劇場では絶対に欠かせない存在だ。
 閣議の前の控室では、安倍晋三首相の左隣りの「ナンバー2」の指定席に座りつづけ、6回目の正月を迎えた。
 国会議員きっての「セレブ」で、その身なりからピシっときまっている。
 スーツはずっと東京・青山の「テーラー森脇」で。海外出張の折りにはベルサリーノの帽子は欠かさない。
 冬にはこれに黒いロングコート、白いマフラー、黒い手袋。そして手には葉巻が。
 昨年暮れに公表された閣僚の資産では飛び抜けていた。
 閣僚の平均資産は9200万円余円だったが、麻生氏は5億2000万円余円。
 麻生氏で注目されるのは自前の派閥「為公会」の勢力拡大。
 昨年もその派閥をふくらませ、勢力は39人。
 安倍首相にとってかわって政権の座を狙っているのか。
 永田町での見方は、
 「数年前まではその気でいた。だが、いまはそんな気持ちはまったくないのでは。年齢的にも」
 現在の国会議員で麻生氏は3番目の高齢議員。
 では狙っているのは。
 「永田町のドンとしてのキング・メーカーの座だろう」ともっぱら。
 昨年10月の衆院選挙。
 「解散」を仕掛けたのは麻生氏。
 一時は小池百合子東京都知事の「希望の党」が旋風を巻き起こし、解散は裏目に出かかった。
 それが結果は「1強」維持。
 これによって麻生氏の立ち位置はより強力になっている。安倍首相の信頼は、ほかの誰よりも厚い。

「永田町劇場の主役・菅義偉官房長官」

 菅義偉官房長官は12年12月26日に第二次安倍内閣が発足以来、ずっと内閣を仕切ってきている。
 官房長官は内閣でナンバー2のポスト。
 露出度は一番だ。日に午前と午後の2回、官邸での記者会見に応じている。
 首相官邸4階にある閣議室。直径5・2メートルの木製円形のテーブルに閣僚は着席。
 菅官房長官は閣議の進行を進めていく。
 官房長官のスケジュールのハードなことは安倍首相にも劣らない。
 記者会見では、まったく表情を変えることはない。
 淡々と質問にこたえていく。
 表情を変えないのは、表情で政権の動きを官邸記者に読み取られてしまわないために。
 永田町にはこんな「レジェンド伝説がある。
 それは「歴史に残る名官房長官」としては梶山静六氏と後藤田正晴氏が。
 梶山氏は掌握力で。後藤田氏は「カミソリ」の異名そのままに、鋭い切れ味で内閣をささえてきた。
 そのレジェンドの両氏を菅官房長官は超えてきている。
 「在任期間はもちろんだが、内閣を支えることでも」(永田町筋)
 「ポスト安倍」に名前があがっているのは岸田文雄氏、野田聖子氏、河野太郎氏、石破茂氏。
 そして菅官房長官が「隠れ本命」に。
 だが、そういった声を頭から否定している。
 「まったく考えたことはない」
 あくまでも安倍首相を黒子として支えていくことを強調している。

「永田町劇場の主役・小泉進次郎筆頭副幹事長」

 永田町では「小泉進次郎首相」の声が高くなってきている。
 「一気に首相ということもあり得る」と。
 「ポスト安倍」として支持が高まっていることに、とまどいはない。
 「政治家として日々頑張っていく」と。
 その言葉の端しはしに自信が。
 昨年も大活躍だった。10月の衆院選挙。
 自民党は圧倒的な強さを発揮。「1強」を守り抜いている。
 その立役者に。小泉氏は仲間の応援のため12日間で全国70カ所を駆け巡っている。
 そんな小泉氏の今年で最も気になることは結婚。
 1981年4月14日生まれの37歳。
 結婚適齢期の真っただ中にある。
 衆院当選4回。とんとん拍子で自民党内の出世階段をかけあがってきているが、「結婚」となると足踏み状態。
 まったくウワサがないわけではない。
 復興庁の女性とのデートを週刊誌に書かれたことがある。
 「まだ、結婚ということは考えたことはない。とくに国会内での結婚はない」
 問われると、きまってそう答えている。
 小泉家は「晩婚」のようだ。
 父親小泉純一郎元首相も結婚したのは35歳を過ぎてから。
 しかも離婚をしているバツイチだ。
 実兄の俳優小泉孝太郎氏も独身。
 孝太郎氏のほうが若く見えるのか、進次郎氏が「兄」に見られている。
 「僕は弟です」
 果たして、今年は結婚問題が話題になるだろうか。

「永田町劇場の主役・河野太郎外相」

 河野太郎外相は昨年暮れ、安倍晋三首相をヒヤリとさせた。
 外務省職員に緊張が走った。
 12月21日、河野外相が入院。
 右尿管結石症での入院。幸い、大変なことにはならなく、取り除く治療を受け、22日には退院。
 閣議は欠席したが、外相臨時代理を置くまでもなく、公務に復帰。
 だが、一時とはいえ、官邸、外務省をあわてさせたのは事実。
 昨年9月の内閣改造で入閣。
 一気に存在感を増している。
 外国に対しての存在感も強烈だ。
 「長年、外交を担当してきているような、したたかさを出している」(永田町筋)
 昨年暮れの12月20日の韓国外相との会談でも外交力を。
 クリスマスイブには日本を出発し、パレスチナ、イスラエルなど中東5カ国を訪問。
 トランプ米大統領が「首都」と認定して以来、主要国の外相として初めてエルサレムに入っている。
 世代交代が進み、英語に不自由しない国会議員が多くなってきている。
 そんな中にあって、河野外相の英語は飛び抜けている。
 ジョークも英語でかわしており「間違いなく国会議員で一番」(永田町筋)と。
 1月3日からはパキスタン、スリランカ、モルディブを歴訪。
 さらに1月16日にはカナダでの多民国会合に出席。
 9月に自民党総裁選が行われる。
 そこには河野外相の名前もあがっている。

「永田町劇場の主役・二階俊博自民党幹事長」

 二階俊博自民党幹事長の「永田町劇場」で占める位置は大きい。
 ときには主役の安倍晋三首相に代わって主役をつとめ、さらには安倍内閣、自民党を動かすプロデューサーとして、さらには演出家として。
 二階氏が幹事長のポストに就いたのは16年秋。
 この1年半弱で、存在感は圧倒的なまでに増している。
 自民党本部内の幹事長室。ここから指示を。
 国会議事堂に近い砂防会館。二階氏が率いる派閥「志師会」の事務所がある。
 存在感の大きさをあらわすように、ここに訪れる客はひきもきらない。
 自民党内には細田派、麻生派、岸田派、二階派、額賀派、石破派、石原派と7つの派閥が。
 二階氏が幹事長に就任してから二階派はその勢力を拡大している。
 二階派の結束は固い。二階氏の地元、和歌山県高野山の寺「無量光院」などでの研修会で結束をはかっている。
 78歳。衆院議員では2番目の年長。
 二階幹事長は安倍政権を支えている。
 「ポスト安倍」の声が永田町で聞かれるようになってきているが、二階幹事長は一貫して安倍首相支持だ。
 「安倍の後は安倍だ。外交面でも安倍首相に代われる者はいない」
 自民党総裁任期を2期6年から3期9年にしたのも二階幹事長。
 昨年の党大会で「総裁任期延長」を通している。
 「力のある人には長く首相をやってもらいたい。当然のことではないか」
 永田町の「ドン」としての迫力は増していくばかり。12月末には中国を訪れた。