中央政界特報

■平成29年12月28日(木) 第5339号

「政治特報」

 2017年が終わる。世界中が激しく動いた1年だった。迎える18年。安倍晋三首相は首相として6回目の正月を迎えることに。

 17年を表わす漢字ひと文字に、安倍首相は「挑」をあげている。
 ここに今年の安倍首相の胸の内が。
 「国難に挑んだ年だった」
 1月5日、自民党本部での仕事はじめの挨拶は「今年はただの酉年ではなく、丁酉(ひのととり)。非常に大きな変化がある」だった。
 まさに、その言葉通りの激動の年になっている。
 迎える18年の最初の記者会見ではどんな発言が出てくるか。
 今後の主な政治日程は1月に通常国会開会。3月に自民党党大会。9月に自民党総裁選。秋に臨時国会。
 19年1月に通常国会。春に統一地方選。夏に参院選。
 その中で注目されるのが9月の自民党総裁選。安倍首相の再選なるかどうか。
 安倍首相が政権の座に復活したのは12年12月26日。
 まるまる5年が経過している。
 歴代首相の在任日数は佐藤栄作首相が最長の2798日。次いで吉田茂首相の2616日。
 安倍首相は第一次政権をあわせると、すでに2000日を超えている。
 9月の総裁選。ここで再選されれば、21年9月まで政権任期は延長になる。
 今年は年始から年末まで足元が大きく揺らいだこともあり、任期延長には固く口をつぐんでいた。 だが10月の衆院選の大勝で、またまた最長に強い意欲を燃やしている。
 「ポスト安倍」に名前があがっているのは岸田文雄政調会長、野田聖子総務相、河野太郎外相、石破茂元地方創生相。
 「総裁選には4氏が揃って出馬することはあり得る」(永田町筋)
 前回2015年の総裁選は無投票で安倍首相。その前の2010年は安倍氏、石破氏が真正面で激突。党員票では石破氏が勝利したが、国会議員による決選投票は安倍首相が制している。
 総裁選では資金力が欠かせない。
 谷垣禎一氏は2000年の総裁選に出馬したが、このとき銀行から1億円を借りている。
 総務省の公表による政治資金収支報告書によると2016年度分で安倍首相は約1億6000万円余。

「首相とゴルフ」

 12月7日の参院文教科学・内閣両委員会の連合審査。
 松沢成文参院議員が「ゴルフ」を論議に取り上げ、梶山弘志地方創生相、林芳正文部科学相に答弁を求めた。
 安倍晋三首相のゴルフを念頭において。
 国家公務員による利害関係者とのゴルフを禁じている倫理規定。
 首相、大臣など特別職は対象外になっている。
 これを松沢氏は「時代錯誤の倫理規定」とした上で「特別職も禁止対象に入れるべき」と。
 安倍晋三首相のゴルフはこれまでにも国会でとりあげられているが、またまた論議の対象に。
 ゴルフについて安倍首相は「ストレス解消にはゴルフ」と。
 ゴルフは安倍首相にとって一番の健康法、そして趣味。
 そして、外交のとっておきの「武器」になっている。
 今年はほとんど「封印」状態だった。例年なら「ゴルフ三昧」になる夏休みも、ゴルフどころではなかった。
 トランプ米大統領が来日した11月5日に「待ってました」とばかりに到着早々、埼玉県川越市の霞ヶ関カンツリークラブで9ホールのラウンド。
 その前日には練習までして臨んでいる。
 12月5日には茅ヶ崎スリーハンドレッドクラブで小林喜光経済同友会代表幹事らとプレー。
 トランプ大統領と楽しんでいらい1カ月ぶり。
 フィットネスクラブで汗を流すこととゴルフ。安倍首相には欠かせないものになっている。
 そのゴルフが国会ではなにかと問題にされてしまっている。

「社民党」

 社民党は新年早々の1月29日開票の党首選を行う。
 社民党の党首選は寂しさを増していくばかり。
 前身の社会党時代のそれは熱気に包まれていた。
 党そのものが自民党と二大政党を張り合い、所属議員も最盛期には200人を超えていた。
 現状はどうか。10月の衆院選挙では小選挙区に19人、比例区に2人を擁立したが、2議席確保がやっとだった。
 政党要件の得票率も2%を割り込んでしまっている。
 党本部もまったく寂しいものに。かつての党本部は国会議事堂に近い三宅坂に。
 地上7階、地下1階、延べ床面積7022平方メートルの社会文化会館を全館使用。680人余も収容できる大ホールもあった。それでも書記局員ら党本部職員が多く、手狭だった。
 いまはどうか。社会文化会館が老朽化で取り壊しにされたあと、転々。現在は国会議事堂から離れた、東京都中央区新川の貸ビルのフロアに賃貸入居。
 特別国会の予算委員会。福島瑞穂氏が質問に立ち、安倍晋三首相に迫っていたが、いまひとつ迫力がなかった。
 衰退に歯止めがかからない。
 土井たか子党首時代「おたかさんブーム」で一時期盛り返したが、長くはつづかなかった。
 その後「女性の党」への変身をはかったが起爆剤にならないままに。
 吉田忠智現党首は前回の参院選で議員バッチを失っており、国会議員でないままの党首。
 党首選そのものが問われている。

「防戦の小池知事」

 「都政に専念」と、国政から一歩退いている小池百合子東京都知事。
 「都政」での状況は厳しい。
 都議会定例会の一般質問では、激しい追及に顔はこわばっていた。
 「知事自身がブラックボックスを生み出している」には苦しい反論を。
 各会派からの意見には陳謝の場面が。
 都知事選に当選、都議会選に「都民ファーストの会」が大勝、国政政党「希望の党」を立ち上げたときにみせた「百合子節」は完全に聞かれなくなり、「百合子スマイル」も消えてしまっている。
 12月7日、JR東京駅改修式典で安倍晋三首相と隣り合わせの席になったが、押し黙ったままだった。
 2020年東京オリンピック・パラリンピック開会まで1000日を切ってしまっている。
 都民の間には「オリンピックは開催できるのか」の声まであがっている。
 「選挙では安倍首相、自民党を激しく批判していた。それだけに、頼みにいくのは難しいのでは」(永田町筋)と、国との連携を危惧する声が多くなっている。
 東京都議会の議席は定数127議席。
 今年春の都議会選で「都民ファーストの会」は49人が当選。
 その後2人が離党して、現在は47議席。
 都議会選後、「国政」にシフトを置いた小池知事に反発、公明党は距離を置いてきている。
 築地市場の豊洲移転でも、まだまだ具体的に見えていない。
 ひとりぼっちになってしまっている小池知事。これから先、さらに厳しい議会運営を強いられるのは避けられない。

「稲田氏はいま」

 稲田朋美元防衛相がジワリと動きだした。
 7月に防衛相を辞任して以来、パッタリと永田町でも話題にあがらなくなっていた。
 「いまなにをしているか」とまで。それが、ここにきて動きだした。
 12月11日、国会内でひとつの会合が持たれた。
 自民党の保守系議員による「伝統と創造の会」がその会合。
 稲田氏が会長をつとめており、自らも出席。
 稲田氏が防衛相のポストに就任したのは昨年9月。
 だが、防衛相としての1年は、ハリのムシロの毎日だった。
 陸上自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報問題で野党の激しい追及を。
 辞任したときはまさに「ドクターストップ」の感じ。安倍晋三首相からタオルを投げ込まれている。
 防衛相に就任する前、稲田氏には「女性首相候補」にあげられていた。
 それも「最も有力」(永田町筋)とまで見られていた。
 早稲田大学を卒業し、弁護士だった稲田氏を国政に引っ張り込んだのは安倍首相。
 05年の衆院選挙で初当選してから、安倍首相は稲田氏を要職に抜擢し続けてきている。
 そのこともあり、「日本で最初の女性首相に近い」とまで言われるように。
 10月の衆院選挙。背水の陣で臨んで当選。
 現在、稲田氏は党内での肩書はない。要職についていない。
 まずは「伝統と創造の会」の会合を重ねて開いていくことに。
 「原点に戻る」ことを強調している。

「資産家」

 安倍内閣きっての資産家は誰か。
 それはやはり麻生太郎副総理兼財務相。
 暮れも押し詰まってきた12月15日に公開された安倍晋三首相を含む20閣僚の資産で明らかになっている。
 内閣全体の平均は9200万円余。
 その平均を麻生氏の資産は大きく上まわっている。
 公開された麻生氏の資産は5億23000万円余。ちなみに安倍首相は1億400万円余。
 資産では麻生氏は他をまったく寄せ付けていない。
 祖父が吉田茂元首相という政界きっての名門の出。
 その華麗さは小学校3年生まで過ごした地元福岡県飯塚市の実家、東京渋谷区神山町の私邸からもうかがい知れる。
 飯塚市の実家の広さは東京ドームがすっぽり入ってしまうほどの広さ。約10万平方メートル。
 屋敷の廊下は「100メートルはある」ともっぱら。
 庭ではゴルフのアプローチの練習ができる。
 東京の私邸は敷地は約700平方メートル。樹木に囲まれた中に瀟洒な洋館が。
 政権の座にあった時は、連夜のホテルのバー通いを。
 行きつけは帝国ホテルの「ゴールデンライオン」、「インペリアルラウンジ」。ホテルオークラの「ハイランダー」「バロンオークラ」など。
 メディアの批判に、ゆったりと葉巻をくゆらせながら言っていた。
 「ホテルのバーはそんなに高くはない」
 好んで飲んでいるのはウヰスキーの「マッカラン」。