中央政界特報

■平成29年12月14日(木) 第5337号

「政治特報」

 2017年、最も光った政治家はやはり自民党小泉進次郎筆頭副幹事長だった。首相への階段をまた一歩上がった。

 小泉氏の趣味はサーフィン。湘南に隣接している横須賀の生まれ。サーフィンはごくごく自然に身についている。
 「国会の中で波に乗れるか」
 そんなことをもらしたことがある。
 現状はどうか。波に乗っている。それも大きな波に。
 「ポスト安倍」に名前があがっているのは岸田文雄氏、野田聖子氏、石破茂氏、河野太郎氏。
 実力の裏付けのひとつに政治資金。
 総務省の発表による政治資金収支報告書で、4氏は6000万円台の河野氏から1億4000万円余の岸田氏まで。
 小泉氏はその中にはいっても真ん中。約8000万円余。個人寄付が5分の1あまりも。
 人気の強さがはっきりとあらわれている。
 生い立ちからこれまでの略歴は1981年生まれの36歳。04年に関東学院大学を卒業。06年に米コロンビア大学大学院修了。そのまま米国に残り、米戦略国際問題研究所のスタッフに。国会議員になったのは09年の衆院選。当選4回。
 出世は父親の小泉純一郎元首相よりも早い。
 国会での質問デビューは09年11月18日の内閣委員会。
 民主党政権の「柱」だった菅直人国家戦略担当相に1時間にわたって対している。
 このときは菅氏にいなされる場面が多かったが、8年たったいま、自民党の「エース」になっている。
 今年10月の衆院選挙。公示前は自民党の「危機」がささやかれた。
 小池百合子東京都知事が「希望の党」を旗揚げしたことから「70人近くが議席を失うのでは」と「自民1強」崩壊までが焦点になっていた。
 結果は自民党の圧勝となったが、そこには小泉氏の活躍が。
 抜群の人気と演説のうまさ。
 選挙戦中、12日間で全国約70カ所を応援にかけまわった。
 小泉氏が応援した候補はパーフェクトに近くで当選している。
 国会議員になってからの役職は党青年局長、復興政務官、党農林部会長。そして現在は党筆頭副幹事長。
 いま自民党内にあって、ズバリ発言している。
 284議席獲得という大勝にも「国民の思いと議席には大きなギャップがある」と安泰ムードにクギをさしている。
 安倍晋三首相に対しても、教育無償化の財源確保で「党内の議論をへていない」と真正面からかみついている。
 「言うべきことは言う」の姿勢だ。

「二足のわらじ」

 日本維新の会代表に再選の松井一郎大阪府知事。
 小池百合子東京都知事は「希望の党」の代表を退き、2足のわらじを1足にしたが、松井知事はひきつづいて2足のわらじだ。
 所属議員の中から「代表選」を求める声があがっていたが、「党の結束を優先させる」ことから、所属議員ら約300人が出席した臨時党大会で賛成多数で再任に。
 10月の衆院選は維新の会としては厳しい結果に終わってしまった。
 選挙前は14議席あったのが、3議席を失い11議席に。
 衆院では21議席ないと議案を提出することはできない。
 それだけに「必勝」を期して衆院選に臨んだのだが、結果は逆に。さらに議案提出は遠のいてしまった。
 松井代表が明らかにしている奥の手は、希望の党との連携。
 「積極的に働きかけていきたい」
 政治の世界に足を踏み入れたのは03年。大阪府議に。
 その後、橋下徹氏とともに地域政党「大阪維新の会」を興した。
 12年の衆院選挙では54議席を獲得。党として3番目の勢力に。
 「維新の会が国会を動かすことになる」(永田町筋)とまで言われていた。
 だが、その後の統合、分裂をへて、橋下氏も党から離れてしまっている。
 そんな維新の会にあって、松井氏は最大の看板。
 安倍晋三首相、菅義偉官房長官とのパイプも太く、「松井氏のほかは代表は考えられなかった」(永田町筋)
 かつては黒衣役がつづいていたが、いまは主役として舞台の中央が「様」になってきている。

「錦鯉」

 安倍晋三首相が掲げている政策の柱のひとつに「生産性革命」。
 11月17日、衆院本会議での所信表明演説でも生産性革命を強調している。
 「生産性を劇的に押し上げるイノベーションを実現し、世界に胎動する生産革命を牽引していく」
 2020年度までの3年間を「生産性革命集中投資期間」と位置づけている。
 自民党の経済構造に関する特命委員会でまとめたものの中に注目されるクールジャパンが。
 「ニシキコイ特区」がそのクールジャパン。
 ニシキコイの養殖、海外への売り込みを積極的に押し進めていこうというもの。
 コイといえば田中角栄元首相。目白の田中邸の庭の池に泳ぐコイに背広に下駄ばきという格好で餌をやっていた。
 これはニュースでもよく取り上げられたものだ。
 11月、トランプ米大統領が来日したときもコイがニュースに。
 安倍首相とトランプ大統領は首脳会談に入る前に、コイに餌を。
 小分けにしての餌やりを、トランプ大統領は途中から升ごと餌を投げ入れていた。
 近年、ニシキコイは大きくクローズアップされている。とくに海外の富裕層に人気。
 それは輸出額が急激に増えてきていることで明らか。
 2008年は22・2億円だったのが、16年には35・6億円にまで増えている。
 国家戦略特区構想の中で、養殖池を拡大することは、農地活用の規制緩和につなげていくことに。
 11月30日から永田町の自民党本部でも「飼育」がはじまっている。

「外相はハード」

 12月1、2日、河野太郎外相は就任してから初めて沖縄を訪れた。
 沖縄入りする直前にはロシアのモスクワに。
 ラブロフ外相と会談。北方四島をめぐっての共同経済活動などを話し合っている。
 外相に就任したのは今年8月。
 外相として最初の外遊となったのは8月6日、フィリピンに。ASEANと日中韓首脳会議出席で。この場で中国、王毅外相とも会談している。
 以後、世界を駆け巡る日々が。
 フィリピンから帰国するや、霞ヶ関の外務省大臣室の椅子に座る間もなく、米国に。
 小野寺五典防衛相と、米国側のテイラーソン国務長官、マティス国防長官と日米2プラス2会談に。
 外相ポストはかねてから意中のものだっただけに、その力のはいりようたるや大変なものがある。
 外相のポストはハードだ。文字通り「外国を相手にする」とあって、国外に出ていることのほうが多い。
 いかにハードか。外相の経験がある麻生太郎副総理兼財務相によると「2年やったら死ぬ」と。
 在任4年8カ月の前任者、岸田文雄氏も言っている。
 「とにかく体力勝負」
 岸田氏は延べ90カ国を回り、140カ国以上の外相と会談。
 訪れた国は気温零下20度を超すところも。
 安倍晋三首相の外遊には政府専用機が使われるが、外相にはない。
 国会議員きっての英会話の達人、河野外相もこれからがハードの本番に突入する。
 12月15日に国連安保理に出席でニューヨークに。

「外交の舞台、三ツ星」

 首都東京の中心、銀座。数寄屋橋交差点すぐ近く、並木通リの脇をはいった路地にあるビルの地下1階。
 すし店「すきやばし次郎本店」がある。
 11月、トランプ米大統領が来日したとき、安倍晋三首相が「おもてなし」をしたのは銀座の鉄板焼店「銀座うかい亭」。
 トランプ大統領、メラニア夫人、安倍首相、昭恵夫人は北海道のホタテ貝、但馬牛のステーキを。
 3年前の14年4月、オバマ大統領を迎えたとき、安倍首相が「おもてなし」をしたのは「すきやばし次郎」だった。
 このときオバマ大統領は夫人を同行しておらず、キャロライン・ケネディ駐日大使がファーストレディ―役を。安倍首相とオバマ大統領は、こはだ、中トロなど20貫のコースをつまんでいる
 安倍首相がオバマ大統領に酌をしたのは自身の地元山口の酒「獺祭」。
 オバマ大統領の感想は
「とてもおいしかった」
 この「すきやばし次郎」が「ミシュランガイド東京2018」で三ツ星をつけられた。
 最高ランクの三ツ星は12軒、二ツ星は56軒、一ツ星は166軒。
 「すきやばし次郎」は11年連続の三ツ星で、ほかには港区の日本料理店「かんだ」、品川区のフランス料理店「カンテサンス」、目黒区のフランス料理店「ジョエル・ロブション」が11年連続の三ツ星。
 すきやばし次郎は1965年に開店。店内はカウンターのみ10席。
 店主の小野二郎さんは「黄綬褒章」を受章している。
 小さな店が外交の舞台に。知らないと、通りすぎてしまうが、予約なしではまず入店は無理。

「吠える亀さん」

 「ドン亀」の異名で知られる亀井静香前衆院議員。
 10月の衆院選挙には出馬せずに政界を引退。
 1979年の初当選以来、スーツの襟元に輝いていた議員バッヂがなくなった、「普通の人」の生活に。
 引退したとき、「政治の相棒がいない」と永田町から離れることに寂しさをにじませていた。
 第二の人生として実業家の仕事に力を注ぐことを口にしていた。
 警備会社のオーナー兼会長の仕事に。
 バイオマス発電、太陽光に投資をしていくことも。
 だが、やはり「ドンカメ」さんは、「普通の生活」では満足できなかったようだ。早々に活動再開を明らかにしている。
 11月28日、東京都内で開いた「感謝の集い」。
 支援者を前にこう声を高くしている。
 「終わったわけではない。これからだ。第2幕の幕をあける」
 引退したとき「政治も」とほのめかしていたが、政治からは離れきれないことが「第2幕」発言にありありと表われている。
 何をしていくのか。
 「アジア外交」と「脱原発」を挙げている。
 「感謝の集い」には盟友の石原慎太郎元東京都知事もかけつけての激励。
 「これからも暴言は続けてほしい。暴言を慎むことをせず、一緒に日本をかく乱していこう」とゲキを。
 現役時代の亀井氏と石原氏。
 24年11月には「反TPP・脱原発・消費税凍結を実現する党」を旗揚げするなど、それこそ永田町をかきまわす主役を演じてきている。
 亀井氏は石原氏より4歳若い81歳。なにをしてくるか。

「ハード日程もものかは」

 横綱日馬富士が引退した。
 13年の大相撲初場所。優勝したのは日馬富士。このとき安倍晋三首相は首相として両国国技館の土俵にあがり「内閣総理大臣杯」を手渡している。
 表彰状を渡し「全身全霊。全勝優勝おめでとうございます」と、祝福。
 あの日から4年。日馬富士は引退。
 内閣総理大臣杯は約40キロの重さがある。安倍首相は介添人の助けを得ながらも手渡している。
 安倍首相の毎日は、ハードだ。首相官邸にいるときは分刻みで面会者が。
 そして政府専用機で世界を飛びまわっている。
 来年1月早々にはUAE(アラブ首長国連邦)、マレーシア、シンガポールを訪れる。
 体力勝負だが、まったく疲れをみせないでいる。
 そのぶん、健康状態には気を使っている。
 東京・信濃町の慶応大病院の人間ドックを。
 週末には東京・六本木のホテル「グランドハイアット東京」内の「NAGOMIスパアンドフィットネス」で汗を流している。
 第1期政権を1年で降りた苦い思いから。
 持病の「潰瘍性大腸炎」からの退陣。その持病も新薬で劇的に「寛解」。
 いま安倍首相が健康維持としているのはゴルフ。
 トランプ大統領が来日したときも、霞ヶ関カンツリークラブで9ホールをラウンド。
 ゴルフについて「ストレス発散にはこれほどよいものはない」
 今年は夏休みでも封印していただけに、トランプ大統領との勝負に満足。
 食欲も旺盛で、焼肉のはしごをしたことも。
 これには周囲からも「すごい食欲」と驚きの声が。