中央政界特報

■平成29年6月22日(木) 第5312号

「政治特報」

 永田町で「内閣改造」の声が聞かれだしてきた。夏休み明けにも安倍晋三首相が「改造」に踏み切るのではと。

 昨年は8月3日に「未来チャレンジ内閣」と銘打った内閣改造が行われた。
 安倍晋三首相は7月17日から1週間、8月10日から5日と2度に分けて夏休みをとり趣味のゴルフを楽しんだが、7月の夏休み中は改造の人事に集中している。
 今年の夏休みも、改造人事を練ることになりそう。
 永田町では「夏休み明け早々の8月、遅くとも9月には改造内閣が発表されるはず」の見方が。
 永田町の常識として言われていることがある。
 それは「改造」と「解散」の違いについて。
 「解散は支持率上昇につながるが、改造は支持率低下のリスクが大きい」というもの。
 「求心力を高める大きなカードの1枚だが、危険もともなう」(永田町筋)
 1974年11月、田中角栄首相は内閣改造に踏み切ったが、改造後15日間で退陣表明している。
 1988年12月に改造を行った竹下登首相は4カ月後に退陣表明を。
 退陣にまで至らなかったが1997年の橋本龍太郎首相は改造によって大きく支持率を落としている。
 逆のケースもある。
 2003年9月に小泉純一郎首相は改造を断行し、それを政権浮揚につなげている。
 このとき、安倍晋三首相(当時官房副長官)を幹事長に抜擢するというサプライズが大きかった。
 リスクをはらんだ改造。安倍首相が踏み切るかだが、小泉首相が自らを幹事長に抜擢したようなサプライズ人事はあるか。永田町では「隠し玉を出すか」とも。
 そこには、ここにきての世論が厳しさを増してきていること、そして18年9月の自民党総裁選が。
 今年3月の自民党大会で総裁任期は3期9年への延長が決定している。
 安倍首相には2021年9月までの政権担当の道が開けている。
 だが、いまここにきて安倍首相を取り巻く情勢は難しくなっている。
 「1強にほころびが」(永田町筋)
 党内での動きも騒がしさを増してきている。
 麻生太郎副総理兼財務相による自らの派閥の拡大。
 「ポスト安倍」での石破茂前地方創生相、岸田文雄外相の発言。
 水面下では改造をめぐっての動きがジワリ、ジワリ。
 改造人事の「超目玉」として橋下徹前大阪市長の名前があがっているが。

「判定が下る」

 6月23日、東京都議会議員選挙が告示。
 いよいよ小池百合子都知事に「判定」が下る。
 知事の椅子に座って300日超余。この間、小池知事は圧倒的なパフォーマンスでフィーバー。
 自民党は東京都連本部だけでなく、永田町の党本部も押しまくられてしまっている。
 「出来たばかりのところに負けるわけがない。ファーストでなくラストだろう」
 菅義偉官房長官まで決起集会に顔を出してゲキを。
 小池知事は「都民ファースト」の代表にも就任。次期国政選挙も視野に入れている。
 小池知事の人気は本物か。都民ファーストの勢いは本物か。
 それがすべてわかる。都議会の議席は127議席。小池知事が目指しているのは過半数獲得。
 「改革に燃えた同志を増やす」
 自信満々だ。
 自民党も全選挙区に候補者を擁立。
 小池知事に対する批判を一気に強くしている。
 約5800億円もかけた豊洲新市場。当初の予定で行けば昨年11月に移転ずみになっている。
 先送りにされていることで、100億円余もの費用負担になってしまっている。
 自民党は徹底してここを攻めてきている。
 「混乱をまねくだけの女王」と。
 投票日が迫ってきている中、小池知事に吹いていた風向きにも変化が。就任当初のような「追い風」ばかりでなく、向い風が。そのことは各世論調査で明らか。
 「都民ファースト」への支持率が伸びない。
 さあ、都民は小池知事にいかなる判定を下すか。

「混迷の中での外交」

 世界はますます混迷の度合いを増してきている。
 下院定数650議席を巡って争ったイギリスの総選挙。
 結果はメイ首相が率いる保守党が第1党の座を保ったものの、過半数を割り込んでしまった。
 労働党が激しく追い上げ、英国の先行きは視界不良に。
 これによって、EU離脱交渉にも影響が。
 5月26、27日にイタリアのシチリア島で行われたG7(主要先進国首脳会議)もまさに、空中分解の様相になってしまった。
 米トランプ大統領は地球温暖化対策の「パリ協定」から離脱。
 1975年に始まった主要先進国首脳による会議。
 これまで世界をリードしてきたが、今年の首脳会議でG7のリーダーシップは崩壊寸前に。
 日本の立ち位置も微妙になってきている。
 安倍晋三首相は「地球儀俯瞰的外交」を掲げ、12年12月26日に政権の座に就いてから世界を飛び回っている。
 マイレージのポイントを積み重ねていけば、大変な数字になるほど。
 イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの欧州首脳とトランプ大統領との間の橋渡し。
 これが 今後ますます重要になってくる。
 安倍首相はG7サミットが終えた5月28日、その足で地中海の島国マルタを訪れ、ムスカット首相と会談。
 日本の現職首相がマルタを訪問したのは初めて。
 マルタは今年前半のEU議長国。
 ここに安倍首相の「緻密な外交」戦略が。
 世界が揺れているだけに、なおのこと安倍首相は外交力の発揮どきだ。

「目標、桂太郎首相」

 安倍晋三首相の足元が揺れている。
 森友学園問題に続き、加計学園問題で。
 自民党総裁の任期は今年3月の党大会でこれまでの2期6年から3期9年への延長が決定している。
 これによって安倍首相には2021年9月までの政権担当の道が開けている。
 なにもなければ18年の総裁選に勝利して、そのあと3年間の任期を。
 それが、いまここにきて揺れてきている。
 昨年12月4日に在職日数の通算は中曽根康弘首相を抜いて歴代首相で単独4位に。
 そして5月に小泉純一郎首相を抜いて単独3位に。
 戦後の首相で安倍首相より長期政権なのは1位の佐藤栄作首相、2位の吉田茂首相の2人だけ。だが、安倍首相が目指しているのは佐藤首相、吉田首相を抜くことではない。その上を目標にしている。
 今年1月、安倍首相は東京・日比谷の「松本楼」で開かれた「在職日数4位」を祝う会でそのことを口にしている。
 47都道府県で、もっとも多くの首相を誕生させているのは山口県。伊藤博文、山県有朋、桂太郎、寺内正毅、田中義一、岸信介、佐藤栄作の各氏。そして安倍首相と8人。
 このうち6人が在職ベスト10人に入っている。その中で最長が3度にわたって政権を担当した桂太郎首相。
 実に2886日だ。この桂首相を2021年9月まで担当すれば抜いてしまう。
 日本の首相としての最長に。
 はたして、そこまで到達できるか。いま、安倍首相の周囲は騒がしい。

「子供保険」

 日本の人口はますます減少していく。
 厚生労働省が発表した「人口動態統計」でそのことが改めて明らかに。
 2016年に国内で生まれた日本人の子供はついに100万人を割り込んでしまった。
 その数は97万6979人。
 もっと恐ろしい数字も発表されている。
 東北大学経済学研究科の吉田浩教授の「子ども人口時計」によると、3011年に日本の子どもは1人になり、翌年までにゼロになってしまうと。
 出生率が落ち込んでしまっているのは、結婚する若者が減少していることにある。
 1981年4月14日生まれと、いま「結婚適齢期」にありながら、結婚していない小泉進次郎衆院議員。
 週刊誌でチラリとウワサを流されたことはあるが、本人いわく「いまのところ結婚する気はない」と。
 自民党きっての人気男。「自民党のプリンス」と言われ「将来の首相」とまで言われている。
 なのに、当分は結婚の予定はなし。
 「もちろん国会内で結婚することはありません」と職場結婚を強く否定している。
 いま自民党内での役職は農林部会長。
 そんな小泉氏がいま最も力を入れているのは「子供保険」だ。
 自身は結婚の予定なしとはいえ、将来を見据えて「子どもを生みにくい社会であってはならない」と。
 そのためには財源の確保が。
 厚生年金保険の利率に0・1%ずつ上乗せしていき、将来的には0・5%とすることを主張している。

「動きだした聖子議員」

 このところパッタリと鳴りをひそめていた自民党野田聖子前総務会長に動きが見えはじめた。
 「財政・金融・社会保障制度に関する勉強会」で動きだした。
 この勉強会の会長は野田毅元税調会長。
 そして会長代行に野田聖子氏が中谷元・前防衛相とともに名前を連ねている。
 なかなかの人気の勉強会で、前回5月15日に続き、6月15日にも勉強会は開かれている。
 安倍晋三首相が激しく野党の追及を受けている中に開かれていることもあって、「時期といい、注目される勉強会」(永田町筋)に。
 そして、野田氏にも注目が。自民党総裁選は来年9月に。
 「ポスト安倍」に意欲を見せている岸田文雄外相、石破茂前地方創生相、
 そして野田氏。勉強会の代表代行は「ポスト安倍」参戦への意思表示か。
 野田氏は15年9月の自民党総裁選へ出馬の手を上げた。
 だが、出馬に必要な20人の推薦人を確保できず、ぎりぎりのところで断念に追い込まれてしまった。
 19人まで集めることはできたが、あと1人が足りなかった。結果は安倍首相の無投票再選に。
 このとき、野田氏は「学び直して決断したい」と次期総裁選への出馬の胸の内を語っている。
 野田氏の「政権の座」狙いは小学生のときから。
 作文に「総理大臣になる」と書いている。
 「日本で最初の女性首相になる」と言われたこともある。
 現状はここにきて丸川珠代五輪担当相が一歩リード。野田氏の巻き返しに注目だ。

「バッジ」

 いまや大変なバッジブームだ。
 国際会議でも、出席の各国首脳は同じバッジを。お揃いの民族衣装を身につけることも。
 テレビのワイドショーに出演しているコメンテーター、芸能人、さらにはアスリートのスーツの衿にも、さまざまなバッジが。
 小池百合子東京都知事の胸には2020年東京オリンピック・パラリンピックのバッジが。
 小池知事はマフラーにも五輪のシンボルをあしらったものを。
 これは東京オリンピック・パラリンピック開催都市の首長として。
 民間人にもバッジ族は増えている。
 バッジといえば議員バッジ。
 国会議員から地方議員に至るまで胸に議員バッジが光り輝いている。
 国会議員の中には議員バッジのほかに、東京オリンピック・パラリンピックのバッジをはじめとして3個も4個も付けている議員も。
 片方の衿では足らずに両方の衿に。
 その中で、最も誇らしげにつけられているのが議員バッジ。
 衆院議員のバッジは直径20ミリで、一円玉とほぼ同じ大きさ。赤紫色の純絹糸によるビロード仕上げで、中心には菊花十一弁が。
 参院議員のほうは直径18ミリ。純絹紫色でやはり菊花は十一弁。
 ちなみに皇室の紋章である菊花御紋章は十六の重弁。
 議員バッジが作られたのは明治二十三年の第一回帝国議会開設のとき。日本特有といってもいいもの。
 米国トランプ大統領のスーツの衿には国旗「星条旗」のバッジ。