中央政界特報

■平成29年4月20日(木) 第5303号

「政治特報」

 石破茂前地方創生相が「政権の座」奪取の声を上げた。長期政権を狙う安倍晋三首相に真正面からの果たし状だ。

 今年も東京・新宿御苑で安倍首相主催の「桜を見る会」が。
 政権の座に復帰してから5回目の花の宴だ。
 参加者は例年通り、政財界、芸能界、スポーツ界から1万5000人余。
 華やかな花の宴の1週間前の4月9日、宮崎県で石破氏は「打倒安倍」のこぶしを振り上げた。
 「未来永劫につづく政権というものはない。次期政権へ向け準備するのは当然のこと」
 まさに、安倍首相への挑戦状だ。
 安倍首相は5月に小泉純一郎元首相をも抜き、在任日数は歴代3位になる。
 それだけではない。さらなる長期政権を目指している。
 3月5日の自民党大会で総裁任期が2期6年から3期9年への延長が正式に決定している。
 このままいけば21年9月までの政権も可能に。
 二階俊博党幹事長は断言している。
 「安倍首相の後は安倍首相だ。躊躇はない」
 党内にも「安倍下ろし」の声はあがっていない。まさに「1強」そのもの。
 そんな中での「打倒安倍」を宣言。
 石破氏の側近、山本有二農林水産相は「石破さんは世界で最も優れた首相になれる」と。
 だが、党内情況は石破氏には厳しい。
 それでも声を上げた。
 石破氏は森友学園問題で名前が上がっている安倍首相の昭恵夫人に対しても「夫人がうそを言うわけがないと信じるが故、きちんと真実を述べなくては」と。
 まさに果たし状だ。
 石破氏の初当選は86年の衆院選挙。93年初当選の安倍首相より2回も当選回数で上回っている。
 だが、出世は安倍首相が早く、官房長官の経験だけで総理大臣に駆け上がっている。
 石破氏のほうは防衛相、農林水産相、地方創生相などを歴任。
 2012年の総裁選で直接対決している。
 このとき石破氏は地方票で199票を獲得し、141票しか集まらなかった安倍氏を退けている。しかし、国会議員による決選投票で安倍氏の108票に対し、89票。政権の椅子に座ることはできなかった。
 このときの勝敗結果でも明らかなように地方票に強くても、国会議員票に弱い。
 そこには安倍首相が初当選以来、自民党内の本流を歩いてきているのに対し、石破氏は一度自民党から離れ「出戻った」過去が。
 それでも政権に意欲を。石破氏の戦略はやはり地方票獲得から。全国行脚に入っている。

「春とともに」

 小泉純一郎元首相の動きが春とともに活発になってきている。
 神奈川県横須賀市の自宅にじっとしていない。
 活動はいまやライフワークとなっている「脱原発」の講演だが、それにあわせての動きも。
 4月7日、東京都内で行われた「新経済サミット2017」に飛び入り参加。
 このサミットで楽天の三木谷浩史氏とディスカッションをしていたYOSHIKI。
 その場に小泉元首相は突然に顔を出し、YOSHIKIを激賞。
 「話をしているときは普通だが、やはり天才だね」
 ドキュメンタリー映画「WE ARE X」も六本木に一人で見にいったことまで明かし、YOSHIKIを感激させている。
 音楽の話になるともう止まらない。
 一番の趣味はオペラ。政権の座にあった時は、一人、首相公邸でワーグナーを聴きながら「政策を練った」とも。
 ワーグナー大好き人間で、「タンホイザー」にはしびれきっている。
 「序曲が流れてくるだけで涙が出てくる」と。
 オペラだけではない。やはり政権担当時代にイタリア映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネ氏の作品を自ら選曲したCD「私の大好きなモリコーネ・ミュージック」を発売し、大ヒットさせている。
 初めて音楽にしびれたのは中学のとき。バイオリンを手にしたときだ。
 音楽にからませ、ことあるごとに、
 「私の人生には美しい旋律がある」
 いま人生を賭けているのが「原発ゼロ」。

「政治家の人気度」

 またまた政治家がランク入りしなかった。
 毎年のように「やりたい仕事」の調査がある。
 今年、クラレが小学校新1年生に「就きたい職業」を聞いているが、それによると男の子の1位はスポーツ選手、2位は警察官、3位は運転士・運転手。
 女の子の1位はケーキ屋・パン屋。2位は芸能人・歌手・モデル。3位は看護師。
 出てこないのが政治家。
 ベスト5どころか、ベスト10にも顔を出していない。
 これはいまになってはじまったことではない。
 5年前の第一生命保険が行った調査でも政治家ははいっていない。
 男の子のベスト3は「サッカー選手」「学者・博士」「警察官・刑事」。 
 女の子は「食べ物屋さん」「看護師さん」「保育園・幼稚園の先生」。
 4年前の調査のベスト3は男の子は「サッカー選手」「野球選手・食べ物屋さん」「消防士・救急隊員」。
 女の子は「食べ物屋さん」「保育園・幼稚園の先生」「お医者さん」。
 政治家は子供たちにとって、あまりにも遠い存在なのか。それとも政治家に子供たちをひきつける魅力が少ないということなのか。
 いま世界は激しく揺れている。
 「まったく先が読めない」(永田町筋)
 こんな時代だからこそ、政治家の占める位置は大きい。
 安倍晋三首相は所信表明演説で「世界の中心で輝く日本」を強調している。
 世界の中で日本の存在は大きなものに。
 だが、なにかと問題になる国会議員が多いのも事実。

「台所事情」

 永田町の上空に微風だが「解散風」が吹いている。
 「解散風の特徴は、突風に変わること」(永田町筋)
 各党とも次期衆院選挙に備え、候補者を内定している。
 あとは選挙活動資金だ。桜も散りはじめたいま、都心のホテルでは「資金集め」のパーティーが。
 1人2万円のパーティー。これによる政治資金は大きい。
 資金といえば政党交付金。
 4月3日に総務省から2017年分の政党交付金の配分額が明らかに。
 政党交付金は1月1日現在の国会議員数と国政選挙での得票数によって算出される。
 これによると総額は約317億円。
 最も多いのは自民党で約176億円。次いで民進党の約87億円、公明党の約31億円、日本維新の会の約10億円、日本の心の約5億円、自由党の約4億円、社民党の約4億円と続いている。
 共産党は申請していない。
 政党交付金によって各党の金庫に差が。それはそのまま選挙にもつながってくる。
 自民党は09年から12年12月まで野党に転落していたときが最も苦しかった。
 緊縮作戦が断行され、朝の勉強会の弁当は廃止になり、党本部のトイレの手ふきペーパータオルもなくなった。選挙ポスターの画質も落としている。
 連休明けの5月8日から社民党の本部は東京中央区湊3丁目のビルに引っ越す。
 台所事情からくるもので、いまの首相官邸近くのビルより賃料は3分の1に。

「さらに窮地」

 民進党が揺れている。民進党東京都議会は、いまや「草刈り場」に。 
 都議選が迫ってくるにつれ、離脱者が相次いでいる。
 行く先は小池百合子都知事のもと。
 この揺れは党本部にも及んできている。
 長島昭久元防衛副大臣(衆院比例東京)が離党した。
 国会議員から離党者が出る。これが蓮舫代表に与える衝撃は大きい。
 長島氏は民進党にあって幹部議員。
 自民党の石原伸晃経済再生相の公設秘書をへて2003年の衆院選挙で初当選。
 現在当選5回。民主党が政権担当していたとき首相補佐官、防衛副大臣を歴任。
 次期衆院選を民進党は共産党との共闘の方向にある。
 このことが長島氏の決断に。
 蓮舫氏が代表の座に就いたのは昨年9月。
 このとき蓮舫代表への期待の声は高かった。初の女性党首ということもあり「党を大きく躍進させてくれる」と。
 蓮舫氏も強気一方に宣言していた。
 「政権を奪取する」
 だが、蓮舫代表となって半年が過ぎたいまも、民進党の前途は厳しい。
 国会で激しく追及しているが「森友問題」も支持率につながっていない。
 各世論調査によっては、民進党の支持率はダウンしているものも。
 そんな中での当選5回の長島氏の離党。
 「いまここに蓮舫代表の先行きはかかっている。対応によってはまったくの窮地に追い込まれてしまうのでは」(永田町筋)
 はやくも正念場だ。
 ここをどう乗り越えていくか。

「肉食系」

 最近の若い男子は「草食系」が多くなっている。
 反対に女子のほうが「肉食系」に。
 安倍晋三首相は「肉食系」だ。
 今年に入ってからは首相官邸での執務の後は東京・渋谷区富ヶ谷の私邸に帰ることが多いが、外食では食欲旺盛なところをみせている。
 すでに今年、東南アジア、アメリカ、ヨーロッパと外国訪問をしているが、政府専用機で飛び回ることをまったく苦にしていない。
 「地球儀俯瞰外交」を所信表明演説のなかでも強調しており、外交に強い自信を。
 安倍首相は酒はほとんど飲まない。そのかわり食べるほうだ。
 外国訪問から帰国したその日に、焼肉屋を2軒はしごしたこともある。
 サーロインステーキなどはペロリと平らげてしまう。まさに肉食系。これでハードなスケジュールにも音を上げない。
 ラーメンも豚骨ラーメンが好き。肉のほかでは甘いものが好物で、アイスクリームには目がない。
 今後、さらにハードな日程が組まれている。
 ロシア訪問を予定しており、5月にはイタリアでG7(主要先進国首脳会議)がある。
 サミットに出席する首脳の顔ぶれも大きく変わり、安倍首相はドイツのメルケル首相につぐ古参だ。
 今後の外交面では「肉食系」のタフさが要求される。米トランプ大統領によって世界は緊張状態になっている。
 米国がシリアにトマホーク攻撃したとき、トランプ大統領は安倍首相に2度も電話。それも予定を超える時間話し合っている。よりタフさが求められる。

「石破夫人」

 「ポスト安倍」の声をあげた石破茂前地方創生相。
 安倍晋三首相に挑戦状を叩きつけてきた。政権の座奪取に自信満々。
 そこで注目されるのは石破氏を支える佳子夫人。
 鳥取県出身で「カレーを作るのが得意」な石破氏の夫人にも早々に焦点が。
 佳子夫人はどんな人なのか。石破氏は慶応大学法学部を卒業している。
 佳子夫人も慶応大を卒業しており、それも法学部の同級生。ということは同じ歳。
 二人が最初に出会ったのはドイツ語の授業で。
 石破氏はプラモデル作りのオタクで知られている。それも軍事プラモデルで、軍艦、戦車、戦闘機のプラモデルを作っているときが一番の至福の時。
 防衛相時代には、自室に飾り、ご満悦そのものだった。
 UFOの存在も信じている。国会で「UFOは間違いなくいる」と答弁しているほど。
 そして、もうひとつ夢中になったものがある。
 一時代を築き、爆発的な人気を誇ったキャンディーズの大ファンだった。
 キャンディーズが後楽園球場公演を最後に解散したときは、それはションボリ。
 「こんなに大きなショックはないよ」
 佳子夫人はキャンディーズの中でランちゃん(伊藤蘭)似。ところが石破氏はミキちゃん(藤村美樹さん)に夢中だった。
 そんな石破氏が佳子夫人とゴールインしたのは「安心感の強さにほれ込んでのもの」と言われている。
 安倍首相と石破氏が争った自民党総裁選のときには、東京の神田明神に必勝祈願をしている。