中央政界特報

■平成29年4月13日(木) 第5302号

「政治特報」

 結党してから2年目に入った民進党。蓮舫代表は「政治生命を賭けて政権を取る」と。1年が過ぎたいま、現状は。

 旧民主党時代の党公認ゆるキャラ『民主くん』は5月の連休明けから憲政記念館で展示される。
 非公認時代も含め、10年にわたって党のマスコットとして、PR活動を。
 いま民主くんは「民進党」をどんな思いで見ているか。
 3月12日の党大会で新しい公認キャラとして『ミンシン』が披露され、もう民主くんの出番はないが。
 民主くんは頑張った。民主党は政権政党にもなった。
 だが、それからが苦難の道に。
 民主党から民進党と党名が変わったのは16年3月27日。
 旧民主党が発足したのは96年9月。このときの勢力は衆参57人。
 民進党という新しい党名になったとき、ときの岡田克也代表は「民とともに進むという、良い名前だ」と。
 9月15日には岡田氏に代わる党首の座に蓮舫氏が就任。
 党名につづき、代表も交替し、まさに「心機一転」のスタートを切っている。
 就任の記者会見で蓮舫代表は声を高くしている。
 「ガンバロウ」
 結党から1年。永田町での見方は厳しい。
 「1年たったが、厳しい状況に変わりはない」
 民進党は旧民主党時代から各政党の寄り合い世帯。
 この事実は党内に派閥が群雄割拠していることで明らか。
 政策の違い、スタンスの違いが民進党となっても続いている。
 「原発」「改憲」では党内には異論が噴出。
 「党名は変わったが、党内は変わらず。一枚岩には遠い」(永田町筋)
 3月の定期党大会でも「2030年、原発ゼロ」を表明することが出来なかった。
 この1年、蓮舫代表自身、「カラー」を鮮明にできないままできている。
 就任直後は初の女性代表とあって、大きな期待が寄せられた。
 女性のトップとしては小池百合子東京都知事が「百合子カラー」で波を起こしていることに比較されてしまう。
 伸び悩んでいる現状は、各世論調査結果に明らか。
 支持率が10パーセント台に乗らない。
 いま、永田町の上空には「解散風」がまた吹きだしている。
 民進党の支持率低迷が、解散風を吹かせる一因に。

「花の委員長」

 衆参の予算委員会が注目されている。
 「森友学園」問題で予算委員会が舞台に。
 与野党を問わず、国会議員がまずなりたいのが予算委員。
 国会の中には多くの委員会があるが、その中で一番人気が高い予算委員会。
 それというのは、予算委員会は衆参ともにNHKのテレビ中継が入ることにある。
 「予算委員会に出てテレビに顔が映ることで、アピール度が違ってくる。選挙での票が増える」(永田町筋)と言われている。ましてや、質問に立つことができれば、国会議員としての重みも増してくる。
 まさに予算委員会は「花の委員会」なのだ。
 その「花の予算委員会」を仕切る委員長。
 「花の中の花」ということに。
 参院予算委員会の委員長を務めている山本一太氏。
 委員会を仕切る声は一段と高くなっている。
 1958年1月24日生まれ。中央大学法学部を卒業して米国ジョージタウン大学に留学。国際政治学の修士号を取得。国際協力事業団に入り、国連開発計画ニューヨーク本部、国連職員などの仕事を。
 父親は山本富雄元農水相。国会議員になったのは父親の死去により、95年の参院選から。
 「森友学園」問題は、なにが飛び出すかといった緊張状態になっている。
 それだけに質問に立っている野党議員と受ける安倍晋三首相のやりとりは激しい。
 委員長として仕切る山本氏の声も一オクターブも二オクターブも高くなっていく場面が。

「息子が活躍」

 小泉純一郎元首相の2人の息子、俳優の孝太郎氏と衆院議員の進次郎氏。
 小泉元首相にとって「自慢」の息子だ。
 俳優として売れっ子になっている孝太郎氏。
 小泉元首相は孝太郎氏が出演するテレビドラマはしっかりと観ているという。
 これは孝太郎氏が言っている。
 「ああだ、こうだと言ってます」
 ドラマがはじまるとテレビの前に。
 孝太郎氏の一番のファンといったところ。
 批評はかなりの辛口だそうだ。
 進次郎氏のほうは初当選以来、自民党内にあってトントン拍子の出世。昨年秋の内閣改造では「入閣」もしくは「幹事長」といったことまでささやかれていた。いまは党農林部会長を。
 進次郎氏については、
 「俺より上だよ」
 5年半余に及ぶ政権の座から降りたとき、小泉元首相には『海外移住』のウワサがたった。
 大のオペラ好き。オペラのことになると話が止まらなくなってしまう。
 そしてワインにも詳しい。こうしたことで「イタリアに住みたいのでは」と移住説が。
 細川護熙元首相も、政権の座を降り、衆院議員も辞任した直後の98年にはパリに居を構えたことがある。
 いま小泉元首相は神奈川県横須賀市の住人。
 原子力発電を「ゼロにする」ことをライフワークにしている。
 「日本に原発は必要ない。いますぐ脱原発にするべきだ」
 講演会ではそう叫んでいる。
 そして2人の息子の活躍。イタリアのことはいまや頭にはないか。

「おれは男だ」

 千葉県知事選で当選、3期目に入った森田健作千葉県知事。
 3月26日投開票で行われた選挙は圧勝だった。
 開票直後に「当確」が打たれた。
 一人だけ100万票を突破し、新人3人をまったく寄せ付けなかった。
 このとき、千葉県の桜はつぼみのまま。開花宣言は出ていなかった。
 森田氏はひと足はやく開花宣言ばかりか、満開宣言を。
 「これから4年間、自分のすべてを出しきる決意でいる。千葉はすごい、東京に負けない」
 そう勝利宣言を。
 3期目に突入ということで、2020年東京オリンピック、パラリンピックを知事として迎える。
 「成功させます」と千葉力発揮も宣言している。千葉県では8競技が行われる。
 生まれは東京都大田区だが、いまは千葉県人になりきっている。
 森田知事といえば、いまでいうトップアイドルだった。明治学院大学を中退し、芸能界に。
 ここで日本中の若い女性ばかりでなく、男性をもひきつける青春映画の大ヒーローに。
 数々の青春映画に主演し「青春の巨匠」とまで言われていた。
 主演ドラマの大ヒットは「おれは男だ」。そして歌では「さらば涙と言おう」のビッグヒットを飛ばしている。
 森田知事の生き方。これはまさに「おれは男だ」「さらば涙と言おう」そのもの。
 すべてにトントン拍子できているわけではない。
 05年の知事選では現職で「無敵」を誇った堂本暁子知事に約6000票差で敗れている。このときの悔しさがいまに生きている。

「向かい風が」

 小池百合子東京都知事に対する風向きに変化が出てきている。
 昨年春に都知事に就任。「百合子スマイル」とともに、一気に人気はブレーク。
 小池知事の発言、行動のすべてが「モテモテ」に。
 「百合子の前にもはや敵なし」といった感じに。
 だが、就任してからやがて1年になろうとしているいま、風向きが変わってきそう。
 追い風ばかりではなく、向かい風も吹きだした。
 自民党が反撃に出てきたことにある。
 2020年東京オリンピック会場移転問題にはじまり、築地市場の豊洲移転と、小池知事は都民支持を。
 「都民ファースト」と言う言葉が都民の胸をつかんでいた。
 それがここにきて「決断できない知事」の声が都民の間からも聞かれだしている。
 百条委員会に呼ばれた石原慎太郎元知事からは「不作為」で法的手段に出ることまで言われている。
 実際、豊洲移転問題はどうなるのか。
 小池知事は「都民ファースト」と。
 専門委員会は「安全」との結論を出しているが小池知事は「安全と安心は違う」と移転には結論を出していない。
 小池知事の一番の「弱み」になっている。
 自民党はここを攻めてきている。
 「決められない百合子」を。それも東京都連ばかりではなく、自民党本部も乗り出してきている。
 自民党の茂木敏充政調会長はこんな和歌を。
 「安全と 言われてなおいざよいに 不安かもせり 時の方」
 痛烈に皮肉っている。

「プレミアムフライデー」

 3月31日、金曜日。安倍晋三首相は午後3時になると首相官邸を出ている。
 渋谷区富ヶ谷の自宅にいったん寄った後、中央高速道を走り、山梨県富士吉田市の「炭火串焼き店」に。
 秘書官らと食事をし、その足で同県鳴沢村の別荘に。翌日はゴルフ。
 「プレミアムフライデー」を自ら実践した。
 プレミアムフライデーが実施されるようになったのは今年2月から。
 毎月最後の金曜日は仕事を午後3時に切り上げ、後は自由に時間を過ごしてもらおうという趣旨ではじまった官民による運動だ。
 個人消費を増し、経済上昇につなげるのが狙い。
 これがどこまで国民の間に浸透していくか。
 1回目のプレミアムフライデーとなった2月24日の金曜日。
 はじめてということもあって、浸透というところまでいかなかった。効果は東京、大阪などの都市圏に限定され、地方はまだまだ。
 「浸透していけば1日で約1200億円の経済効果がある」とはじきだしている調査もあるが、現実はそこまで届いていない。
 現実には「プレミアムフライデー」に踏み切っていない企業のほうがはるかに多い。
 それに消費意欲が下がっている事実もある。
 経済財政諮問会議での報告によると、2016年の39歳以下の所帯主の消費意欲は過去20年で最低だった。
 自らプレミアムフライデーを満喫した安倍首相は、リラックスできたことに満足している。
 課題は国民の間にプレミアムフライデーが受け入れられるかだ。

「多事多忙」

 自民党二階俊博幹事長が安倍晋三首相に苦言を。
 国会では「森友学園」問題に対する野党の追及が続いている。
 二階幹事長が呈した苦言は安倍首相の進退につながる発言に対して。
 安倍首相は自身や昭恵夫人が問題に関係していた場合、「首相も国会議員もやめる」と。
 これに二階幹事長は「軽々に言うべきではない」と。
 自民党を実質的に仕切っている二階幹事長。
 党には総裁の安倍晋三首相、高村正彦副総裁がいるが、人事、政治資金などは二階幹事長が握っている。
 昨年9月に幹事長のポストに就任してから、半年以上に。
 この間の二階幹事長の動きは際立っている。
 いきなり永田町に「解散風」を流した。
 そのあとにはすぐ、安倍首相の長期政権の道筋をつくっている。自民党総裁の任期を2期6年から3期9年に延長を。
 これによって安倍首相は21年9月まで政権を担当することが可能に。
 二階幹事長は安倍首相の背中を支えている。
 ロシアのプーチン大統領との首脳会談は北方領土問題が取り上げられなかったことで「成果はなかった」と切っているが、米トランプ大統領との首脳会談は「成功」と。
 長期政権の道を拓いたことについては「安倍首相の後は安倍首相。なんの躊躇もない」と言い切っている。
 それだけに苦言を。
 4月3日、総務省は17年分の政党交付金の配分額を決めた。
 これによると自民党は176億2200万円。いままた永田町には解散風が微風だが吹きはじめている。