中央政界特報

■平成29年4月6日(木) 第5301号

「政治特報」

 永田町上空にまた「解散風」が吹きだした。否定する声もあるが、すべては安倍晋三首相の腹の内ひとつ。

 解散風は昨年晩秋に強まったが、菅義偉官房長官の「解散風は偏西風みたいなもの。1年中吹きっぱなしだ」発言で消えてしまっている。
 その解散風がまたまた吹きだした。
 それも「4月解散」の声が。
 4月20日には園遊会が。
 「これが終わったら、安倍首相は解散に踏み切るのではないか」(永田町筋)と具体的な日時までささやかれてきている。
 通常国会の会期末は6月18日。
 いままた解散風が吹き出したのは「いまなら1強を維持できる」の読みが。
 森友学園問題により、各世論調査で安倍内閣、そして自民党の支持率はダウン。
 それでも微減にとどまっている。
 「選挙になれば、自民党は30議席以上減らすのでは」(永田町筋)といった見方もされているが、それでも自民党内に「いまならまだいける」の強気姿勢が。
 7月2日投開票の東京都議会議員選挙も「解散風」につながっている。
 小池百合子知事の人気は絶大で、小池知事の「都民ファーストの会」が127議席の過半数を占める可能性も。さらに小池知事は国政にも意欲を示している。
 安倍首相の外交力も「解散」の後押しに。
 3月19日から22日にかけてのフランス、イタリア、ドイツ、ベルギー4カ国訪問で、安倍首相にトランプ米大統領との橋渡しを期待する声が高かった。
「世界の中心で輝く」を所信表明演説でも明らかにしている安倍首相の外交での出番は大きい。
 現状の衆院の勢力地図は自民党が290議席、公明党が35議席、維新の党が15議席、民進党が97議席、共産党が21議席、自由党が2議席、社民党が2議席。
 与党が定数の3分の2議席を占めている。
 「負け数を最小限に抑えることができれば安倍首相が断行を口にしている改憲も3分の2議席を確保できる」(永田町筋)
 自民党の泣き所は当選1、2回の若手議員が全体の4割を占めていること。
 選挙基盤の弱い「安倍チルドレン」が討ち死にする恐れも。
 これには二階俊博幹事長が「候補者を差し換えることも」のハッパをかけているが。
 解散は首相の専権事項。安倍首相の腹の内にかかっている。
 「安倍首相は解散に否定的」の見方もあるが、微風が強風になることも。
 過去では吉田茂首相が1953年3月14日に、野党議員の質問に激昂した「バカヤロー解散」がある。これはまさに突然の解散だった。

「民主くんの落ち着き先」

 旧民主党のゆるキャラ「民主くん」。
 真っ赤な顔に、真っ赤な体。
 そんな赤づくめの民主くんが、一時は青ざめていた。
 党名が「民主党」から「民進党」に。
 しかも新しいゆるキャラとして「ミンシン」が誕生。
 戦力外となり、行き場がなくなっていた。完全失業だ。
 民主くんがデビューしたのは2007年6月。年齢や性別は不明。大きな分厚い唇は魚肉ソーセージが素材に。
 デビュー当初は非公認だったが、15年8月に党の公認キャラクターになっている。同年11月、初めてゆるキャラグランプリに出場し、1747体中、総合部門で142位に。
 失業が決まったとき、党内からさまざまな声が。
 「民主くんにシェイプアップしてもらう」とスマートに変身させようという声が。
 時の岡田克也代表はハローワークを紹介する考えを。
 「職業訓練の手当を出すので、新しい職場を見つけてもらいたい」と。
 「新党の最高顧問はどうだろうか」の声も。
 「我が党は労働者を大事にする党。手厚い対応をしなくては」の声も。
 民主くん自身は「手厚い対応」を訴えていた。
 だが、なかなか第二の職場が決まらない。
 ゆるキャラの世界の生存競争は厳しい。民主くんも「過去の人」として忘れられかかっていた。
 そんな「危機的状況」の中、落ち着き先が決まった。
 憲政記念会館に寄贈。なんと日本議会政治のシンボルとして「殿堂」入りだ。

「ゴルゴ13、出動」

 人気劇画「ゴルゴ13」。
 主人公のデューク東郷はプロ中のプロだ。
 日本が生んだ最強のセキュリティーマンといえる。
 日本国内に熱烈なファンがいる。
 その一人に麻生太郎副総理兼財務相も。
 麻生氏はマンガが大好きで、車にはマンガがどっさりと。
 その中でも「ゴルゴ13」が愛読書。これは麻生氏本人がことあるごとに言っている。
 「ゴルゴ13は全巻を持っている。全巻を持っている人はそうはいないのではないか」
 いかに「ゴルゴ13」のファンであるかは、自身がデューク東郷そっくりのスタイルをしていることでも明らか。
 黒いソフト帽に、黒のスーツ、コート、真っ白なマフラー、手には葉巻。G20などの会議で外国に出かけるときもこのスタイル。
 「ギャングスターのよう」と海外のメディアで報じられたこともある。
 頭は高倉健さんが通っていた理容店、ウイスキーはマッカランやソルティー・ドッグ。
 76年のモントリオール五輪にはクレー射撃の日本代表として出場している。腕も確かだ。
 そんな麻生氏が傾倒しているデューク東郷に「出動」の声がかかった。
 外務省が海外に進出する日本の企業の安全対策の指南を依頼。
 外務省のホームページに登場。世界中を飛び回る大活躍を展開する。
 岸田文雄外相もデューク東郷に大きな期待を寄せている。
 いま、世界は緊張状態にある。デューク東郷に寄せられるものは大きい。6月13日まで登場だ。

「自民の逆襲」

 東京都民の心をわしづかみにしてしまっている小池百合子知事。
 就任以来、小池知事がテレビに登場しない日はないほど、毎日のように話題を提供している。
 しかも、国政をターゲットにした動きも。
 「国政研究会」を旗揚げしているのがその証拠。
 「百合子党が国政に出てきたら、一気に政界地図が変わる」といった見方が永田町でされている。
 その前に7月の東京都議選(6月23日告示、7月2日投開票)も大波乱になりそう。
 自民党からだけではない、民進党都議からも小池知事の下に走る都議が続出。
 この現実に自民党本部も、明らかに顔色を変えてきている。
 都議会の定数は127議席。小池知事が就任する前までは、自民党が圧倒していた。
 だが、小池知事の登場によって、勢力地図は大きく変わってきそう。前ぶれは千代田区長選挙で。自民党の推す候補が小池知事の推す候補に敗れてしまっている。
 3月21日、自民党東京都連の下村博文会長は、公認した54人の候補者を集め、ゲキを飛ばしている。
 「小池知事のイエスマンばかりを集めさせない」
 この場には自民党本部の二階俊博幹事長も出席。
 都議選で党を挙げて戦ったのはかつてない。初めてのことだ。
 安倍晋三首相も応援に出てくることに。これは二階幹事長が口にしている。
 小池知事が目指しているのは「都民ファーストの会」で、定数の単独過半数獲得。
 勝敗は国政にもつながってくるだけに、自民党は負けられない。

「離党が止まらない」

 3月25日、東京都の小池百合子知事が「あっ」と驚く場所に姿をあらわした。
 都内で行われたファッションショー「東京ガールズコレクション」に登場だ。
 今年の東京ガールズコレクション」のテーマは『Female Hero』(女性のヒーロー)とあっての登場だが、客席の女性からは悲鳴に近い歓声が。
 まさに「女性のヒーロー」そのもの。
 上下紺のスーツがビシっときまっていた。
 「東京から女性のパワーを発信していこう」
 百合子パワーはいまや政治の世界に大きな位置を占めてきている。
 民進党からの離党が止まらない。
 民進党を離れて行く先のひとつが小池知事のもと。
 国会議員の離党ではなく、東京都議だが、これは民進党には大きな衝撃波になっている。
 民進党は7月の都議選に36人の公認候補擁立を予定しているが、これまでに7人が離党を。
 そのうちすでに半数近くが小池知事が中心となっている地域政党「都民ファーストの会」の公認予定者に名前を連ねている。
 民進党本部は3月24日に都議選へ向けての「選挙対策本部」を設けている。
 その日に離党者が出たという事実。
 自民党は小池知事の「勢い」を警戒しているが、民進党はそれ以上。危機感を強くしている。
 民進党の支持率は依然として伸び悩みのまま。
 この現実からも「さらに離党者が出るのでは」(永田町筋)の声が。
 離党に歯止めをかけることが先決になっている。

「政治は0歳から」

 小泉進次郎自民党農林部会長が動いている。
 週末を使っての行動で、3月最後の土曜日には地元の神奈川県横須賀市に姿をみせた。
 選挙がはじまると、地元に帰ることはほとんどない。
 自民党きっての「人気者」で、全国各地に応援で飛び回る。
 久しぶりの地元での活動報告会。
 強調したのは「生き方改革」。
 「政治に年齢は関係ない。0歳から政治に参加という考え方を浸透させていきたい」
 選挙権年齢は引き下げられ、昨年夏の参院選から18歳で投票に参加できるようになっている。
 これについて「政治への意識は赤ん坊のときから」という主張だ。
 議員バッヂをつけて以来、「改革」の声をあげており、それを行動に。
 復興政務官のときは教育に。東日本大震災で大きな被害を受けた被災地に造られた高校は小泉氏のアイデアがぎっしりつまったものに。
 カリキュラムは独特。講師陣の顔ぶれも、既存の高校では考えられないその分野のスペシャルな人材を集めている。
 昨年には「若い力」をアピール。
 党内の長老議員をストレートに攻撃している。
 「私たちは30年後も現役でいる」
 1981年生まれの36歳。
 結婚適齢期のど真ん中にいる。
 実兄の俳優、小泉孝太郎氏は最近、こんなことをもらしている。
 「自分の夢は家庭を持つことです」
 結婚したい、胸の内を。
 だが、小泉進次郎氏にはまだその考えはない。

「人間ドック」

 ハードスケジュールに加え、国会では森友学園問題で厳しい追及を受けている安倍晋三首相。
 今年にはいってからすでに外国訪問は1月にフィリピン、インドネシア、ベトナム、オーストラリア、2月にアメリカ、3月にドイツ、フランス、イタリア、ベルギーを訪れ、4月にはロシア訪問も予定している。
 外国訪問は小泉純一郎元首相を抜いて歴代首相で最多。
 1月6日から通常国会がはじまっており、国会審議の合間を縫っての、トンボ返りの外国訪問だ。
 「時差ボケなどはもはや超越している」(永田町筋)
 タフなところは行動力が証明している。
 4日間のヨーロッパ4カ国訪問から帰国したのが22日。羽田空港に午後6時すぎに政府専用機で。
 翌23日には月例経済報告関係閣僚会議、24日には国会に。午後1時から5時過ぎまで参院予算委員会。
 だが、タフとはいえ、疲労の色も隠し切れないのも確か。
 予算委員会中に、席をはずすことも。頭髪にも乱れが。
 週末の25日午前8時過ぎ、安倍首相は東京・信濃町の慶応大学病院に。
 人間ドックを受けるため。
 これは急に思い立ってのものではなく定期的なもの。半年に1回の割りでドック入りしており、12年12月26日に政権の座についてから、9回目ということに。
 安倍首相は潰瘍性大腸炎という持病があるが、これは「新薬が劇的に効いている」ということでまったく心配していない。ドック入りは国会審議に備えてのものに。