中央政界特報

■平成29年3月23日(木) 第5299号

「政治特報」

 安倍晋三首相の昭恵夫人が話題になっている。近年の歴代ファーストレディーはどうだったか。

 昭恵夫人はすっかり「時の人」だ。
 安倍首相の外国訪問では、政府専用機のタラップを手をつないで駆け上がっていくシーンはすっかりおなじみ。
 米国訪問ではトランプ大統領のメラニア夫人と初顔合わせ。
 そしていまは国会でその名前が上げられている。
 3月8日のトークイベントで昭恵夫人は話題になっていることに触れている。
 「海外によく行くが、取り上げられるのは何かあった時だけ」
 そして、こうも。
 「いい形で放送してほしい」
 社交的で表に出るファーストレディー、反対に表に出ないファーストレディーに分かれているが、昭恵夫人は前者。
 イベント、会合には積極的に顔を出している。
 3月11日には東日本大震災の被災地を訪れ、大川小遺族と対面。
 東京・神田駅前には地元山口県の特産品をメニューにした料理店を開いている。ここにはオバマ前大統領のミシェル夫人を招いてのおもてなしを。
 近年の歴代ファーストレディーは。
 福田康夫元首相の喜代子夫人は農相、蔵相を務めた故桜内幸雄氏の孫娘。170センチ近い長身だ。
 慶応大学で心理学を専攻していた。結婚する前はスチュワーデス志望だった。
 地味で、目立たず。福田氏が政権の座にいたときもそうだった。
 麻生太郎副総理兼財務相の千賀子夫人。
 鈴木善幸元首相の三女。見合い結婚で麻生氏も千賀子夫人も晩婚だった。
 麻生氏は42歳、千賀子夫人は33歳のとき。
 結婚1カ月後の総選挙で麻生氏が落選してからは、腰を90度に曲げて地元選挙区を守ってきている。
 昭恵夫人も地元山口では安倍首相以上に人気がある。
 選挙は「昭恵夫人まかせ」に。
 活発な言動で「新しいファーストレディーのスタイルを作った」と言われたのは鳩山由紀夫元首相の幸夫人。
 宝塚歌劇団出身のタカラジェンヌ。
 鳩山氏が在任中「目立ちすぎ」といった批判の声もまったく気にしなかった。
 チャリティーファッションショーに出演したり、テレビのバラエティー番組「笑ってこらえて」「SMAP×SMAP」「はなまるマーケット」「おしゃれイズム」などに出演。
 09年の「ベストジーニスト」にも選ばれている。 
 「太陽を食べている」「UFOで金星」などのびっくり言葉も。
 菅直人元首相の伸子夫人。菅氏の尻を叩きつづけていた。
 「家庭内野党だよ」と菅氏がもらしていたように、家で伸子夫人が代表質問を。
 菅氏の在任中に「あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの」といった著書も出版している。
 野田佳彦前首相の仁美夫人。野田氏は20年以上、「駅立ち」をつづけてきているが、仁美夫人はビラ配りを。
 表に出たのは野田氏の訪米のときに同行したぐらい。

「ミンシン」

 民進党の新マスコット「ミンシン」。
 青いぽっちゃりとした体、首には赤いスカーフ、丸く大きな眼はキラリと輝き、頭には民進党のロゴをかたどった触角が。
 民主党時代のマスコット「民主くん」とはガラリ、スタイルも雰囲気も違う。
 「民主くん」は全身、真っ赤。顔も真っ赤だった。
 民主党が「民進党」と改名したのは16年3月。これで「民主クン」は党本部から去っていった。
 「円満退社」というよりか戦力外の「クビ」に。
 このとき岡田克也代表は「ハローワークを紹介して、職業訓練も」と言っていた。
 「ミンシン」は公募で、1523通の応募から選ばれた。
 いま日本全国、いたるところに「ゆるキャラ」が頑張っている。
 「ゆるキャラ日本一」も決められており、歴代グランプリは滋賀県彦根市の「ひこにゃん」にはじまり、熊本県の「くまモン」、と続いている。
 そこで注目される「ミンシン」の人気度。
 はたしてどこまで受け入れられるか。
 「ミンシン」をデザインしたのは女性。
 人気といえば、これはもうくまモン。
 「熊本県営業部長」の肩書をもらっており、日本国内ばかりか、海外に出ても活躍。
 熊本地震の復興でも懸命に頑張っている。
 ちなみに16年度には1280億円の売り上げを記録している。
 「ミンシン」の名付けの親の蓮舫代表は日本列島の隅々までに「ミンシン」の名前と姿を広めていく決意。
 はたしてどうなるか。寄せられている期待は大きいのだが。

「国政狙いか」

 やはりというか、小池百合子東京都知事が「国政」へ向けて動きだした。
 自らが中心になっている「都民ファーストの会」が新たに国政を勉強する「国政研究会」を起こすことに。
 7月の都議会選へ向け、小池知事は着々と手を打ち、次々と行動に移してきている。昨年には「政治塾」を開塾。
 今年1月には都議選での公認予定者15人を決定している。
 新たに起こす「国政研究会」には、政治塾4000人の中から選抜する方向だ。
 国政選挙については「考えていない」と否定している。
 たが、いまここでの「国政研究会」の立ち上げそのものを永田町では「意欲を裏付けている」ともっぱら。
 自民党の総裁任期は3期9年の延長となったが、永田町では「ポスト安倍」の声が聞かれるようになっている。
 「ポスト安倍」では岸田文雄外相、石破茂前地方創生相が有力候補になっているが、ここに小池知事が割ってはいることも。
 自民党内でも小池知事の名前が出てきている。
 就任以来、東京オリンピック、パラリンピックの会場問題、そして築地市場の豊洲移転問題を。
 「いま政治家で最も人気が高い」(永田町筋)とまで。
 だが、ここにきて風向きがかすかだが変わってきているのも事実。
 都民の間から「パフォーマンスばかりで、本来の都政はどうなっているか」の声がちらほらと聞かれだした。
 石原慎太郎元知事からは「迷走は小池さんの責任。不作為」との逆襲を。

「バトル」

 小池百合子東京都知事と石原慎太郎元東京都知事のバトルのゴングが鳴っている。
 築地市場の豊洲移転をめぐっての問題は、いま東京都民の一番の関心ごと。
 石原氏が政治家になったのは1968年。参院選全国区に自民党から出馬してトップ当選。
 現在、石原家からは長男伸晃氏、三男宏高氏と2人の国会議員が。
 伸晃氏は経済再生相で、「ポスト安倍」にも強い意欲を。
 石原氏は小池知事に対し「不作為」の声を。
 「石原氏としては最大の正念場」(永田町筋)
 1932年生まれ、一橋大学に在学中の56年に小説「太陽の季節」で芥川賞を受賞。
 戦後まもない日本の若者に鮮烈なインパクトをもたらした。実弟の裕次郎氏はスーパースター。
 「太陽族」の元祖で、昭和の時代に元気を甦らせた。
 72年に衆院議員に鞍替え。75年の東京都知事選では美濃部亮吉氏に敗れ、76年の衆院選で国政に復帰。東京都知事の椅子に座ったのは99年。
 このとき、声を高くしてこう叫んだものだ。
 「革命をやる」
 11年に4選を果たしたが、翌12年に辞意を表明。新党を旗揚げ。橋下徹氏との連携もあった。
 石原氏の「政権の座狙い」の意欲は強かった。
 永田町でも常にそのことが話題になっていた。
 89年には自民党総裁選に出馬もしている。
 だが、その夢を現実のものにできないままにきてしまっている。
 小池知事とのバトルはこれからがいよいよ本番になる。

「今年3度目の外国訪問」

 安倍晋三首相は3月19日からドイツ、フランス、イタリアの3国を訪問。
 トランプ大統領の誕生が引き金になったか世界は大きく揺れている。
 そんな中で日本丸をどう舵取りしていくか。
 所信表明演説でも外交に声を高くしている。
 「世界の中心で輝く日本を」
 積極的な外交を続けることを改めて強調だ。
 今年、最初の外国訪問となったのは正月明け早々のフィリピン、インドネシア、ベトナム、オーストラリア。
 1月12日から1週間にわたって巡ってきている。
 フィリピンのドゥテルテ大統領、オーストラリアのターンブル首相、インドネシアのジョコ大統領らと首脳会談を。
 そして今年2度目の外国訪問はアメリカに。2月9日から13日まで。
 滞在中にトランプ大統領のフロリダの別荘に2泊。
 食事を4回も共にし、5時間半のゴルフを。
 「日米同盟の強化」などを盛り込んだ共同声明を発表している。
 トランプ大統領から「アメリカは日本と100パーセント同じ」の言質を引き出している。
 今年3度目となるヨーロッパ3カ国訪問。揺れる世界の中で、ヨーロッパはとくに揺れている。
 今年のG7(主要7カ国首脳会議)は5月にイタリアで。
 7カ国の首脳もメンバーの入れ替わりが激しく、
安倍首相はドイツのメルケル首相についで出席回数は多い。
 発言力が増してきている中での訪問。今後、外交力の発揮しどころが続く。

「原発ゼロ」

 小泉純一郎元首相が、改めて「原発ゼロ」の声を高くしている。
 3月11日で東日本大震災から6年。
 死者、行方不明者は2万人余も。生まれ育ったふるさとを離れて避難している人はいまだに約12万人余。
 だが、6年の月日で、ややもすれば大震災が「風化」されてきているのは事実。
 11日の午後2時46分には全国各地で多くの人が黙とうを。
 安倍晋三首相は東京千代田区の国立劇場での追悼式に出席、「復興」の誓いを。
 東京から、そして福島から遠く離れた北海道の地で小泉元首相が叫んだ。
 札幌市で、市民団体が主催した講演会の檀上で。
 「原発は負の遺産になる」
 さらに安倍首相に矛先を。
 「安倍首相がゼロにすると言えばそれでいい。なぜ、それがわからないのか」
 政権の座を退いてからの小泉元首相は「脱原発」をライフワークにしている。
 細川護熙元首相とタッグを組み自然エネルギー普及を研究する「自然エネルギー推進会議」を立ち上げてもいる。
 各地での講演はすべて「脱原発」を。
 永田町では小泉元首相を「過去の人」という声が。
 そういった声を全く気にしていない。おかまいなしだ。
 「過去の人と言われる私の話を多くの人が聞いてくれる」
 年明けの1、2月は静かにしていたが、これからまたまた活発に動きだすことに。
 「原発が安全というのは大嘘つきだ」と。

「衆院選に出馬」

 民進党蓮舫代表が次期衆院選に鞍替え出馬することを表明した。
 3月12日に行われた党大会での記者会見で。
 オノ・ヨーコさんの「1人で見る夢は夢でしかないが、みんなで見る夢は現実だ」との言葉を引用。
 自らの衆院選出馬を明らかに。
 昨年9月15日の党代表選で代表に選出。
 503ポイントを獲得し、230ポイントの前原誠司氏、116ポイントの玉木雄一郎氏に大差をつけての圧勝だった。
 同党の女性党首ははじめて。
 「有権者に選択される党に生まれ変わる」
 そう声を高くしていた。
だが、このときから党内では蓮舫代表が参院議員であることに「党首なら衆院選の小選挙区で戦うべきだ」の声が。
 代表選の前、7月に行われた参院選に蓮舫氏は出馬。
 112万票を獲得してトップ当選している。
 それでも「衆院議員ではないから」と冷めた目で見られている。
 蓮舫氏を党首の座に押し上げた野田佳彦幹事長も言っている。
 「衆院選に出なければいけない」
 それだけに、次期衆院選への出馬は蓮舫代表にとっては大きな決断だ。
 蓮舫代表に近い筋からは「比例東京ブロック単独1位からの出馬」を目指す声がある。
 だが、これに対し「野党第1党の代表なら小選挙区で戦うべき」の声のほうが多い。
 小選挙区での立候補となると、参院選で112万票獲得している蓮舫代表としても、楽観は許されない選挙になる。
 ましてや、蓮舫代表になってからも民進党の支持率は伸びていない。