中央政界特報

■平成29年3月9日(木) 第5297号

「政治特報」

 小池百合子東京都知事の人気はとどまるところを知らない。「ポスト安倍」にも名前が上がってきている。魅力の源泉は。

 ドンも吹っ飛んでしまった。
 東京都議会で絶対的な権力を誇り「ドン」の異名をつけられている内田茂氏が、7月の都議選に不出馬。都議を引退することを表明。
 まさに小池パワーの前に屈してしまった。
 知事の座に座っていらい小池旋風は吹きまくっている。
 永田町ではこんな声までが聞かれるようになっている。
 「小池総理ということも十分にあり得る」
 安倍晋三首相の後を狙う「ポスト安倍」では菅義偉官房長官、岸田文雄外相、石破茂前地方創生相が「有力視」されているが、その中に小池知事の名前も。
 「いま国会議員で小池知事に勝るパワー、人気のある議員はいない」(永田町筋)
 小池人気の源泉の一番は「政策」。
 東京五輪、パラリンピック会場問題にまず手をつけ、次に築地市場の豊洲移転の問題に。
 知事に当選したときから自民党内には「これまでのキャリアから手ごわいことになる」の見方が強かった。
 事実、その通りに。小池知事が国会議員に初当選したのは1992年の参院選。93年に衆院に。
 これまで環境相、防衛相、沖縄・北方担当相と閣僚を歴任し、安倍第一次政権では首相補佐官を務めている。
 いまや日本国民には当たり前のことになっている「クールビズ」は小池知事によってはじめられた。環境相時代に提言したもの。
 いま知事として声を高くしているのは電柱撤去、地下にもぐらせる環境整備。
 魅力で大きな部分を占めているのに答弁のうまさ。
 相手を考えての受け答え、質問は、閣僚、各党党首にもないものが。
 民進党蓮舫代表の質問は厳しく安倍晋三首相も追いつめている。
 それなのに「いまひとつ国民に受けていない」(永田町筋)
 そのことは民進党の支持率が伸びないことでも明らか。
 小池知事自身にある魅力も大きい。
 スマイル。これが都民をひきつけている。
 激しい言葉を、スマイルで包んでしまう。
 ファッションも支持されている。
 「キャスター時代のものを着回しにしています」というが、これがぴったりと決まっている。
 語学力も強みになっている。カイロ大学に留学しているときに身につけた会話力をしっかり生かしている。

「ドン亀が動きだした」

 1936年11月1日生まれの80歳。
 国会議員多し中にあって最長老の「ドン亀」こと亀井静香衆院議員が動きだした。
 超党派の国会議員の集まり「日本の明日を考える議員連盟」を立ち上げ、2月16日に設立総会を開いている。
 自らは会長の椅子に座らず、幹事長は自民党の平沢勝栄氏。
 超党派の集まりだけに民進党からは平野博文元官房長官、日本維新の会からは馬場伸幸幹事長らが加わっている。
 亀井氏は意気軒昂だ。トランプ大統領がまだ大統領になっていない選挙選中に渡米。会談の機会をうかがっていた。
 東大経済学部を卒業。1年間サラリーマン生活を送ったあと警察庁に入庁。検察庁時代はあさま山荘事件などの責任者に。
 国会議員になってからは、行くところ常に波乱含み。
 建設相、自民党政調会長などの要職を歴任しているが、小泉純一郎首相の「郵政民営化」に反対。自民党を飛び出し「国民新党」を旗揚げ。
 最後はその国民新党からも離脱。このとき75歳。
 その後は永田町の表舞台からは引っ込み、ほとんど話題にもあがらないできている。
 「ドン亀はどうしている」といった言い方までされていた。
 それがここにきて、動きはじめた。
 トランプ大統領によって世界が激しく揺れだしている。
 このことが眠りかけていた亀さんをゆり起したのか。
 安倍晋三首相にハッパをかけていくことを明らかにしている。

「会食が裏付ける密度」

 二階俊博氏が自民党幹事長のポストに就任して6カ月が過ぎた。
 まだ半年しか経っていないが「剛腕幹事長」として党内を仕切っている。
 安倍晋三首相は二階幹事長に絶大な信頼を寄せている。
 記者会見で二階幹事長はこう言い切っている。
 「3選支持は当たり前のこと」
 自民党の次期総裁選は来年9月。まだ1年半先だが、早々に言及だ。
 自民党総裁任期を3期9年に道筋をつけたのも二階幹事長。
 それをさらに確かなものにするように「当然だ」のダメ押し。
 プーチン大統領と安倍首相の「日ロ首脳会談」直後は、北方領土が議題にもあがらなかったこともあり、安倍首相の外交を非難する発言をしていた。
 だが、トランプ大統領との「日米首脳会談」の後は安倍外交を最大に評価している。
 安倍首相に対するご意見番としての立ち位置がここにありあり。
 安倍首相が頼りにしていることは、2人での会食の多さが裏付けている。
 この半年間、安倍首相と二階幹事長は夜の会食を6度もしている。
 自民党総裁と幹事長という関係にしても、これは異例の多さだ。
 そのことは安倍首相が「次期政権」をうかがう石破茂前地方創生相とはこの2年間で6度しか会食をしていないことで明らか。
 同じ6度でも半年と2年間の違いがある。
 それも時間にしていつも3時間。じっくり話し合っている。
 この会食で幹事長としての存在感はさらに増している。

「発信力が弱い」

 蓮舫代表になってからやがて1年になる民進党。
 この間、民進党の支持率は伸び悩みのまま。
 各世論調査にそのことはハッキリと表れている。
 10パーセント台に乗らない世論調査が多い。
 「現状を維持するのがやっとの状態になってしまっている」
 そんな見方が永田町でされているほど。
 「原理主義」「ロボコップ」などと揶揄され「面白みがない」ときめつけられていた岡田克也前代表。
 これは蓮舫氏も言っていた。
 「ずっとそばにいてまったく面白くない男だった」と。
 それだけに蓮舫代表に代わったときは「山が動き、花が咲くのは間違いない」と蓮舫人気で民進党が「盛り上がるのでは」の見方が。
 この見方はいま消えてしまっている。
 蓮舫効果があらわれていないのだ。
 発信力がない。これが蓮舫代表の一番の弱点になってきている。
 ほぼ同じ時期に東京都知事になった小池百合子氏の「発信力」と大きな開きが。
 これを指摘しているのは自由党小沢一郎代表。
 小沢代表は2月17日夜、蓮舫代表と会食。このときに「小池都知事との違い」を。
 小池都知事は就任以来、テレビの報道番組、ワイドショーで取り上げられない日はない。
 それこそ言動のすべてが注目され、話題になっている。
 蓮舫代表のほうは国会での質問が取り上げられるぐらい。
 その質問も「いつもワンパターン」(永田町筋)と、不評になっている。

「サイレント自民党」

 自民党の「1強」以上に強いのが安倍晋三首相の「1強」。
 米トランプ大統領の別荘に泊まり、ゴルフを5時間半も楽しんでの日米首脳会談。
 かつてない異例の首脳会談だった。
 ゴルフ外交でも安倍首相は「政治家として目標」にしている祖父の岸信介元首相に並んだ。
 岸元首相は60年前にアイゼンハワー大統領とゴルフで打ち解け、それが日米安保条約につながっている。
 外交力を発揮していることは自民党二階俊博幹事長が言っている。
 「総理の外交は非の打ちどころがない」
 各世論調査でも安倍内閣の支持率は堅調だ。
 まさにゆるぎのない「1強」に。
 しかも、3月5日の党大会で自民党総裁の任期が2期6年から3期9年になることが正式に決まった。
 このままいけば安倍首相は21年9月までの政権担当も可能に。
 この「1強」状態に懸念を示している石破茂前地方創生相。
 「自民党議員はほとんど物をいわなくなった」
 党全体が「サイレント状態」だと。
 「物をいえない雰囲気になっている」
 自らの若手時代をひきあいに出して激論を戦わせることをいまの党内に求めている。
 だが、石破氏自らも「物を言わなくなった」のは確か。
 昨年9月の改造で石破氏は、自分から内閣の外に出た。
 「閣内から出ることで、自由に発言し、動きまわるのでは」(永田町筋)とみられていたのだが、かえって静かになってしまっている。

「住みたい場所」

 国会議事堂に近く、しかも周囲には東京ガーデンテラス紀尾井町(旧赤坂プリンス)、長老議員が個人事務所を構える砂防会館、安倍晋三首相がよく会食をするキャピトル東急ホテルも近い、東京のど真ん中に高層ビルがある。地下鉄永田町駅に直結している都道府県会館だ。ここには全国各県の東京事務所が。
 1階のホールにいると、各県知事がつぎつぎといっていいほどやってくる。
 東京事務所での大きな仕事は国とのパイプ。知事がやってくるのも国との折衝に。
 そんな東京事務所が力を入れているのが「地方移住」の誘い。
 各県事務所には「現地案内ツアー」のパンフレットが。
 パンフレットには「わが町」を紹介するキャッチコピーが躍っている。
 「移住生活費の補助」を前面に押し出しているところが多い。
 現状はどうなのか。移住する魅力のある町があるのか。NPO法人ふるさと回帰センターが調査したものに興味深い結果が。
 それは「住みたい地方」の調査で、1番は山梨県。2位が長野県。
 首都圏に近いということが人気になっているが、それだけではない。
 九州の各県が上位に進出してきている。
 地方創生は安倍晋三首相が掲げる政策「アベノミクス」でも大きな部分を占めている。だが、地方から聞こえてくるのは「過疎」の声ばかり。
 「知恵もなければ、やるきもないところはダメだ。お断りだ」と言っていたのは石破茂前地方創生相。
 「地域を活性化させる」で始まった「ふるさと納税」にも問題が。

「婚活推進」

 自民党の三原じゅん子参院議員が「婚活」の手本を自ら実践した。
 2月26日、横浜市内のホテルで選挙事務所の所長を務める中根雄也氏と挙式。披露宴を行っている。
 三原氏は1964年生まれの52歳。
 新夫の中根氏は28歳。24歳年下だ。
 籍そのものはすでに昨年末に入れており「けじめをつけるため」の挙式、披露宴に。
 披露宴には約300人が出席し、華やかなものに。そのなかには閣僚、自民党幹部らも。
 安倍晋三首相は出席しなかったが、ビデオメッセージによる祝辞を。
 桂由美さんのデザインによるウエディングドレスに身を包んでの新家庭へのスタートを切った。
 三原氏にとっては再々婚になる。
 いま、結婚適齢期にありながら結婚にゴールインしない若者がますます増えてきている。
 「結婚して家庭を持ちたい」という気持ちはあっても、相手がみつからない。
 いまどきの若者の「交際べた」も大きな原因のひとつに。
 適齢期男女の結婚が少なくなっていることは、そのまま「少子」につながっていっているだけに、国会でも大きな問題になっている。
 「若者の結婚」を掲げて議員連盟も結成されている。
 「婚活・街コン推進議連」がそれ。
 昨年まで会長を務めていたのは小池百合子氏。
 東京都知事に就任したのを契機に会長を三原氏にバトンを。
 三原氏は会長就任早々に結婚したことで、「婚活」を率先垂範だ。