中央政界特報

■平成29年1月5日(木) 第5288号

「大変結構」

 森喜朗元首相が上機嫌でいる。
 安倍晋三首相との首脳会談のため来日したロシアのプーチン大統領とは東京文京区の講道館で顔を合わせている。
 昨年12月16日、夕方5時半過ぎに講道館にあらわれたプーチン大統領と抱き合っての再会の喜びを。
 プーチン大統領とは「ファーストネーム」で呼び合う親しい仲。
 今回が16回目の首脳会談となった安倍首相は記者会見ではファーストネームで呼び合っていたが、まだ仲の良さでは森元首相にはかなわない。
 16日には2020年東京五輪・パラリンピックのバレーボール会場が先送りされていた有明アリーナに決まった。
 小池百合子東京都知事が正式に表明。
 これによって問題になっていた水泳の五輪水泳センター、ボート・カヌー・スプリントの海の森水上競技場、有明アリーナとすべてが決着。
 会場問題が紛糾していたときの森元首相は東京五輪組織委員会会長として、それは不機嫌な顔をしていたものだ。
 小池知事が自民党議員で森派に属していたときからの「不仲」がそのまま顔に表れていた。
 それだけに3会場が組織委員会の計画通りに落着したことに「当然」といった面持ちを。
 「2年かけて結論を出していたところに落ち着いた。大変結構なこと」と。
 組織委員会会長に就任したとき「最後のご奉公」と口にしており、その直後には肺がんの手術を受けている。
 「こんなものは切ってしまえばどおってことはない」と強気で通してきているだけになおのこと「大変結構」に。

「出馬するか」

 永田町にまた解散風が吹き出している。
 安倍晋三首相は「私の頭の中には解散と言う言葉はカケラもない」と否定している。
 だが、安倍首相が否定しても、各党ともすでに「臨戦態勢」そのもの。
 自民党も含め、衆院選挙の公認候補がつぎつぎに発表されている。
 そんな中で注目されているのが民進党蓮舫代表。
 昨年7月の参院選でも東京選挙区で112万票を獲得して圧勝しており、蓮舫代表は民進党参院の切り札だ。
 だが、党を引っ張り、「政権の座」を狙うとなれば、参院議員では迫力に欠ける。
 「民進党が政権を奪い、蓮舫氏が首相を目ざすなら、やはり衆院議員でなくては」(永田町筋)
 早ければ年明け早々ともささやかれている衆院解散。
 蓮舫代表は衆院選に出馬するか。
 これがいま党内の最大の焦点に。
 「解散となれば、衆院選に出馬するのは間違いない」
 そう断言しているのは野田佳彦幹事長。
 蓮舫氏を代表に担いだときから野田幹事長は蓮舫代表に「出るべきだ」と進言している。
 「出なければいけない」とまで言っている。
 蓮舫代表自身、衆院選出馬に強い意欲を。
 「そのときになれば、判断する」
 だが出馬するにしても、党内には意見が割れているのも事実。
 蓮舫代表の人気度の高さをより優位にするため「比例票の掘り起こしに比例ブロックで」の声と、「野党第1党の代表なら小選挙区で出るべき」の声が。

「世界一に」

 ロシアのプーチン大統領、米国のオバマ大統領との首脳会談で2016年を締めくくった安倍晋三首相。
 プーチン大統領との首脳会談は地元山口県に迎えて。
 会談が行われた長門市の大谷山荘は、明治14年創業の歴史のある古い旅館。
 ここでは通訳のみを入れての会談を95分間にわたって行っている。
 オバマ大統領との会談は昨年12月26、27日にハワイを訪れ、慰霊した際に。
 オバマ大統領との首脳会談はこれが最後になった。
 安倍首相が政権の座に復帰したのは12年12月26日。
 丸4年が過ぎた。政権在任日数は、昨年12月5日に中曽根康弘首相を抜き4番目の長期政権になっている。
 昨年9月26日に召集された第192臨時国会の所信表明演説で、安倍首相は「世界一」を8回も連発している。
 それも「世界一への執念」と切りだして。
 TPP(環太平洋経済連携協定)だけでなく、カジノ法案ともいわれているIR(統合型リゾート)法案も可決に持って行っている。
 2016年を表す漢字は「金」となったが、安倍首相が選んだ漢字一文字は「動」だった。
 「激しく動いた年」の思いが「動」に。
 永田町は自民党の、そして自民党内は安倍首相の「1強」状態が続いている。
 各世論調査での支持率は日ロ首脳会談直後に落ちてきたが、それでも50パーセント台は維持。
 安倍首相の強気のスタンスは変わらずだ。