近江鉄道 路線の存続、議論本格化

■平成30年7月19日(木) 第18171号

=滋賀県と沿線5市5町=

東近江市役所東庁舎で開かれた副首長級の会議

 【全県】 将来的に単独維持が難しいとされる近江鉄道路線の存続・廃止を含めた公共交通のあり方について、県と東近江市など沿線5市5町の副首長級による会議がこのほど開かれた。国支援を視野に入れた法定協議会の2019年度末までの設置をめざし、今後議論を積み重ねる。同社と沿線市町、県はこれまで、事務レベルで現状について情報共有してきたが、「今後は一歩進んで、方向性を示すため走り出す段階にきた」と関係者はみている。(高山周治)

19年度末までに一定の方向性
公共交通維持する国支援を視野


 会議は非公開で行われた。県によると、今回の決定を受けて従来の課長クラスの検討会を、法定協議会(法定協)準備会議に格上げし、鉄道路線の存廃を含めて一定の方向性を絞り込んだ後、沿線自治体の同意を得て法定協を19年度末までに設置する。
 今後、月1回のペースで開く法定協準備会議は、有識者と県市町、国交省近畿運輸局、近江鉄道などで構成。公有民営方式(上下分離)などで鉄道を存続するケースや、廃線してバス輸送などの代替方式を導入するケースなどを検討して、一定の方向性まで絞り込む。


 次の段階の法定協は、国の地域公共交通活性化再生法に基づくもので、マスタープランに沿って鉄道事業再構築実施計画を策定することで、国に対して財政支援を求める。
 なお、近江鉄道の沿線は、彦根、近江八幡、甲賀、東近江、米原、日野、愛荘、豊郷、甲良、多賀の5市5町にまたがる3路線59・5キロ。採算ラインを上回っているのは八日市線(近江八幡―八日市)など一部区間で、大半の区間は下回り、鉄道事業は1994年から連続赤字に陥っている。
 さらに同社は今後10年近く、老朽化したレールや車両の更新に必要な設備投資が現在の1・5倍に増え、施設維持が重い負担になるとみている。
 このような状況を受けて、同社の要請で県と沿線5市5町担当者による勉強会が、2017年1月〜18年2月の8回にわたって開かれた。
 議論が本格化することについて県の担当者は「公共交通が衰退すれば、交通の便の良い都市部へ人口が移動し、地域の活力が低下する。沿線の各自治体は、将来の公共交通のあり方を真剣に考える時期にきている」と指摘していた。
 一方で、民間への公的資金投入に慎重な意見も根強い。


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