永久歯全28本維持する73歳

■平成30年6月10日(日) 第18138号

=35年にわたる口腔衛生管理記録=

症例を発表する歯科衛生士

 【東近江】 全ての永久歯28本を良好に維持する73歳の35年にわたる口腔衛生管理の記録を、診療にあたってきた井田歯科東診療所(東近江市八日市東本町)と鶴見大学歯学部探索歯学講座(横浜市)の花田信弘教授などが、札幌市内で開催された第67回日本口腔衛生学会で発表した。35年間もの記録を残し、しかも良好に推移している症例は珍しい。井田亮歯科医師と担当歯科衛生士の野邑浩美氏は「高齢社会の中で自分の歯を残すことは非常に大切なこと。他の患者の励みになる」と話している。

歯と口の健康週間4日〜10日
東近江の歯科診療所、学会で発表
口腔衛生管理によるむし歯・歯周病予防


 歯周病は歯を失うだけでなく、糖尿病などの全身疾患や認知症との関係が指摘されている。このためむし歯や歯周病の予防に重点を置き、口腔内を健康に保つことは、生活の質向上につながる。
 同院によると、患者の初診は1982年に「親知らず」抜歯後の治癒が思わしくなく、痛みを訴えて来院した。同院は治療を施した後、歯周の初期治療を行い、メンテナンスの継続を患者に伝えた。
 具体的には、同年からのブラッシング指導は、歯ブラシの毛先を歯の表面に直角に当てるスクラッビング法を、1987年からは、歯の根元の汚れを効果的に取り除くため、歯ブラシの毛先を45度歯と歯茎の間に当てて小刻みに磨くバス法を指導した。
 1993年からは、むし歯や歯周病の原因菌であるデンタルバイオフィルムを除去する器械的な清掃「PMTC」を実施し、口腔衛生管理を実施した。
 さらに2009年からは、最新の除菌方法「3DS」を追加した。これは、デンタルバイオフィルムの殺菌作用がある薬剤を注入したマウスピースを装着し、薬剤を歯と歯茎にとどめ、効果的に除菌する治療方法である。
 この結果、むし歯菌であるミュータンスレンサ球菌の濃度は、1996年でだ液1ミリリットル当たり約50万個だったのが、2016年は3万4500個までに減らすことができた。
 また、歯周病菌は2009年で22万個だったのが、16年は検出限界(5000個)以下までに激減した。
 これについて同院は、「健康な歯を維持するには、医療側と患者側の協働作業(医患協働作戦)による口腔衛生管理が欠かせない。具体的には、初診から定期管理で35年間にわたって、プラーク(歯垢)コントロールからPMTC、さらに3DSへと適切に口腔管理し、家庭でもフッ化物の応用などを続けることで、28本の歯を維持することができた」としている。


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