知事選立候補予定者にアンケート

■平成30年6月8日(金) 第18136号

=国体対応、大戸川ダムでスタンスに違い=

テレビの討論会で県政への思いを語った三日月氏(左)と近藤氏

 【全県】 任期満了に伴う県知事選挙(投開票24日)が7日、告示され、再選を目指す現職の三日月大造氏と滋賀大学名誉教授で新人の近藤学氏の2人が立候補した。そこで本紙では、今後の県政が歩むべき道筋を考えるため、アンケート調査を行った。

 ――大戸川の流域治水を考える勉強会が始まったが、勉強会は国の事業であるダム建設の是非に、県として一定の判断を示す確固とした材料になりうるか。

 三日月
 なりうるともなりえないとも選ばない。大戸川ダムについては、国で定められた河川整備計画で、淀川中上流部の河川改修の進捗とその影響を検証しながら実施時期を検討することとされている。勉強会で重要なのは、大戸川ダムにどういう効果があり、下流も含めてどういう影響があるかを、私たち県民自身が知ることである。勉強会では「大戸川流域に与える影響」と「瀬田川洗堰に与える影響」を検証するが、滋賀県のスタンスを決めるためには有効な手段と考えている。

 近藤 確固とした材料にはなりえない。「勉強会」は、大戸川ダム凍結の「4府県知事合意」をくつがえす「理屈」を見つけようとして開かれるもので、前提条件の設定の仕方により答えは変えられます。ダムは大手土木企業の儲けに奉仕する事業であり、県民合意である流域治水基本条例に基いて、堤防強化、河川改修、流域住民への安全対策などを計画的にすすめます。

 ――2024年、県内で開催される国体に関し、新施設建設やその他の大型事業で今後、大幅な財源不足が予測されるが、それをどのように健全化を図っていくか。

 三日月
 将来を見据えた諸施策を着実に展開していけるよう目標を定め、行財政改革を強力に進めていく。そのため、経済の活性化を通じた県税収入の確保のほか、県有資産の有効活用や国からの財源獲得など、歳入確保の取り組みを強化していく。その上で、行政サービスの効率化や民間活力の活用をはじめ、「健康しが」の推進を通じた医療費の適正化など、将来負担の軽減につながる取り組みの検討や事業効果等を踏まえた事業の見直しなどに取り組む。

 近藤 国体見直しにより財政健全化を図ります。国体開催基本方針にある「既存の施設の活用」に立ち戻り、主会場と体育館の新設は取りやめ、国体開催費500億円を、近年の開催県レベルの200億円程度にまで縮減します。国体に名を借りた施設建設を行い借金を増やすとともに、「一歩踏み込んだ行財政改革」を行おうとする県方針は、県民福祉を後退させるものです。

 ――福井県おおい町の大飯原発4号機が5月、再稼働したが、県としては今後、容認するのか、停止するよう呼びかけるのか。

 三日月
 容認するも、停止を呼びかけるも選ばない。万一、原子力災害が発生した際、その影響を受ける可能性のある滋賀県としては、実効性ある多重防護体制の構築が道半ばであること、使用済核燃料の処理など原子力の「静脈」部分が未整備であること、原子力発電所に対する県民の不安が払しょくされていない現状においては、再稼働を容認できる環境にない。また、原発に相当程度依存する現在のエネルギー政策をできるだけ早い時期に転換していくべきである。

 近藤 停止を呼びかける。福井の原発群の再稼働は、びわ湖を放射線汚染から守るためにも絶対に許されない立場を鮮明にした取り組みをすすめます。4野党が共同して国会に提出した「原発ゼロ基本法案」の成立をめざす野党や市民の運動を応援するとともに、原発立地地域同様の「再稼働同意権を有する」安全協定の締結を求めます。原発は直ちに廃止すべきです。

 ――県内にも自衛隊の施設はあるが、「憲法に自衛隊を明記するか否か」の国政の問題へ県として明確な意志を示す意向はあるか。

 三日月
 意向はない。我が国の憲法は、戦後様々な経過を経て制定され、とりわけ第9条については、戦争の惨禍を踏まえた深い反省や平和を希求する強い思いが込められている。一方で、制定以降の社会の変化も踏まえ、条文の内容が社会の実態にあったものになっているか、不断の検討を行っていくことも大変重要であり、国会での審議などを通じた国民的議論の深まりが求められており、様々な意見がある中で、「県」としての意志を示すことは、そぐわない。

 近藤 意向はある。私は戦争放棄の9条を守る市民運動をすすめてきたものとして、憲法を変え日本を戦争する国に変えることは許せません。憲法に自衛隊を明記することは、自衛隊が海外で戦争することにつながります。県民の命や暮らしを守るために、国政の課題についてしっかり物を言う知事こそがもとめられています。

 ――県内でも人口減少の局面を迎えているが、特に少子高齢化の著しい地域における再生についてどのような方策が考えられるか。

 三日月
 農村部や中山間地などの少子高齢化が進む地域において、地域資源を生かした魅力的な仕事づくりや、6次産業化の推進、新規就農者への支援などの取り組みにより農林水産業の振興を図る。また、地域の文化、自然などの魅力発信や観光振興、都市農村交流などにより、交流人口を増加させ、地域の賑わいを創出するとともに、移住促進などの施策を展開する。さらに、地域社会の絆を維持するため、多様な交流の場や居場所の創出を図る。

 近藤 人口減少問題は国の家族政策の抜本的な改善が必要です。県としては地域の経済を良くし安心して暮らせるよう、農業、中小企業が持続できる取り組み、地域の保育、教育など子育て政策に力を入れます。高齢者が安心して暮らせるよう、市町と協力して養護老人ホームの増設、介護の充実などをすすめます。


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