迫る'18年 滋賀県知事選挙(3)

■平成30年6月7日(木) 第18135号

=三日月氏 自民修復に腐心の4年間=

3日、大津市内のホテルで開かれた三日月大造氏の決起大会

●『昭和』のゾンビ再来か
 【全県】 国が建設を凍結している大戸川ダム(大津市)の治水効果を検証する県の勉強会の初会合が5月30日、県庁で開かれた。
 傍聴した嘉田由紀子・前知事はフェイスブックで「ダム建設真っ盛りの『昭和の時代』に戻ったような『勉強会』だった。最初から『治水にはダム』という選択肢しか示していない」と批判した。
 「ダムだけに頼らない流域治水」を掲げてきた嘉田は4年前、三日月大造(47)を後継者指名しただけに、大戸川ダム建設は絶対に容認できないのだ。

●松井知事、大戸川ダムにノー!?
 このような中、大阪府の松井一郎知事は、嘉田の後継者である三日月が再選のために大戸川ダム建設にかじを切るなら、「嘉田さんはもう1回(知事選に)チャレンジしたら」とエールを送ったのがMBSテレビで報じられた。
 嘉田は本紙取材に「松井知事の発言は大戸川ダム(総事業費約1100億円)の地元負担金を出すつもりはないという意味だろう。私は知事選に出馬しない。いまは新潟県知事選(10日投開票)に出馬した原発再稼働反対の池田千賀子さんの応援で忙しい」と話した。

●用意周到な代表質問
 自民党県議団は昨年11月、今回の知事選で三日月の対抗馬を出すか、それとも支援して相乗りするか―の選択に迫られ、「三日月県政検証チーム」を設置。
 今年2月、功罪両論併記の報告書を同党県連役員会に提出した。結局、同月20日の2月県会での「代表質問」に対する知事答弁で見極めることになった。
 再選を目指す三日月は「大戸川ダムの効果や影響について検証するため、県として勉強会をスタートさせ、その検証結果を踏まえて(大戸川ダム凍結を盛り込んだ)4府県知事合意についても、必要な見直しができるよう努めたい」と答弁。自民党県連は同月25日、同党県連役員会合同会議で、三日月の支援を決定する。
 実際は今年に入り、同党県議団は三日月に対抗する候補者がなく、三日月支援で固まっていたが、4年前に戦った敵だけに党員を納得させる必要があった。
 同党有力県議は「本当は、三日月氏とは代表質問の答弁について細部にわたり協議していた」と舞台裏を明かす。

●二階幹事長の威光
 三日月は4月18日、自民党県本部を訪ね、二階俊博幹事長と面談した。この場には、上野賢一郎県連会長や自民党県議団代表の家森茂樹県議らが同席した。
 二階幹事長は「(自民党から支援を取り付けるなど)上手にやったね」と語ると、三日月は「ありがとうございます」と答えたという。
 4年前の知事選で自民党に刃を向けた三日月を受け入れる懐の深さが同党の凄みだ。

●政策集団「チームしが」の出番か
 一方、三日月を支援する県議会会派「チームしが」(主に国民民主党系)の中堅県議は「うちは三日月知事与党が売りだったが、自民の相乗りで来年の統一地方選では差別化ができなくなった。そのためにも政策集団『チームしが』を国民民主党、立憲民主党などのプラットフォームに位置づけるべき」と話していた。(文中敬称略、石川政実)


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