迫る'18年 滋賀県知事選挙(1)大戸川ダム建設再開、是か?非か?

■平成30年5月24日(木) 第18123号

=流域治水に県としての一定の判断提示へ=

公式に初めてダム建設予定地を視察した三日月知事

 【県】 県知事選の投開票まであと1か月(告示6月7日、投開票24日)となる中、建設が中断している大戸川ダム(大津市)について、再選を目指す現職の三日月大造氏が「建設再開の正否を考えるための勉強会を行う」のに対し、滋賀大学名誉教授で市民団体「滋賀・九条の会」前事務局長の新人・近藤学氏は「ダムに頼らない治水が必要」と主張する。事業開始から今年で50年。県としてダム建設の是非に一定の判断を示す時期になっている。(羽原仁志)

 大戸川ダムは、本体建設に先立ち、これまで水没予定地区の住民移転や道路工事などが行われてきた。しかし、2008年、事業を進める国土交通省近畿地方整備局の諮問機関である淀川水系流域委員会が「ダム計画は不適切」とした意見書をまとめると、嘉田由紀子前知事の働きかけで、滋賀、京都、大阪、三重の知事がダム中止を求める「4府県知事合意」を発表。本体の建設は“凍結”された。
 ところが、16年に国が大戸川の治水対策には「ダムが最も有利」として事業継続を発表したことを受け、昨年12月、定例県議会では、三日月知事に対し4府県知事合意の撤回を講ずるように強く求める決議案が可決された。これは、「自民党が三日月氏に踏み絵をさせた」との意見もあった。
 三日月知事は今年4月、県が主体となる「大戸川ダム治水に関する勉強会」の開催を決め、今年度の補正予算に3400万円を計上した。
近畿地方整備局の池田豊人局長は今月14日、県との会合後に勉強会について触れ「淀川全体の治水安全性を一段アップさせる大切な切り札となる」と述べた。
 さらに、三日月知事は16日、知事就任後初めて、ダム建設予定地を視察し、地元住民との意見交換会を行った。
 20年前に移転した地区の住民から「土砂の放置場所にするために故郷を離れたわけではない」など、ダム事業停滞への憤りを聞いた三日月知事は「地元の思いを国や下流府県に伝える、知事としての責任を果たす」と強い意志を示した。
 地元住民らでつくる大戸川ダム対策協議会の山元和彦会長は「知事の視察が早期着工につながるよう、今後も見守りたい」と語る。
 方や、近藤氏は4月23日、立候補表明の記者会見で「嘉田前知事の唱えた“ダム不要”の姿勢を受け継いで当選したはずの現職だが、最近は建設再開も視野にいれているようだ。これは県民への裏切りであり、見過ごせない」と強く批判し、「100年経てばダムは土砂で埋まってしまうだろう。そういう意味で無駄になる。ダムに頼らない治水を考えるべき」と主張している。
 勉強会の1回目は、今月30日、午前10時30分から県危機管理センター(大津市京町)で、公開で行う。会の顧問を中川博次氏(京都大学名誉教授)、その他の学識者委員も同大で治水や河川専門研究する教授3人が務める。


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