文化財を火災から守る 桑實寺の消防道路開通

■平成30年5月16日(水) 第18116号

=繖山麓から本堂まで約1キロ=

新しく完成した桑實寺消防道路

 【近江八幡】近江八幡市安土町桑実寺の天台宗古刹・桑實寺(くわのみでら)の消防道路が完成し、12日に同寺本堂で同寺住職や工事関係者ら約70人が出席し開通を祝う記念式典が行われた。
 同寺は678年に天智天皇の勅願寺院として創建され、室町時代には12代将軍足利義晴が3年間仮幕府を置いたと伝わる。境内の大半は国の史跡・観音寺城跡に含まれ、山裾から険しい石段を400メートル登った先に、室町時代前期建立の入母屋造りの本堂(国指定重要文化財)がある。同じ繖(きぬがさ)山にある国の史跡・瓢箪山古墳をはじめ、北西に安土山、麓に安土城考古博物館が遠望でき、休日には歴史ファンが訪れている。
 2001年5月の繖山での山火事後に消防道路整備の要望が高まり、合併新市誕生後、計画が進展した。同火災では緊急車両が通行できる道路がなかったため、消防隊員が麓からホースを担いで消火にあたり、自衛隊のヘリも出動したが、5日間延焼し山林約57ヘクタールが焼けた。炎は本堂から約100メートルの距離にまで迫ったという。
 2015年度に建設工事に着工、今年3月、麓から本堂付近まで幅4メートル、総延長約1キロの道路が完成した。平時は一般車両の通行はできない。総工費約4億円(うち約9割を国や県、市が補助)。
 当日は北川喜雄住職ら8人の僧侶により、完成を祝い安全を祈願する法要が営まれ、小西理近江八幡市長が祝辞を述べた。


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