ホンモロコの産卵保護 採捕禁止に一定の評価

■平成30年5月10日(木) 第18111号

=遊漁規制導入から1年 稚魚増、西の湖4倍 伊庭1・8倍=

琵琶湖産のホンモロコ(県水産課提供)

 【東近江】 有識者や漁業者で構成される県内水面漁業管理委員会は3月、ホンモロコの産卵保護を目的に、瓜生川の目崎(めさき)橋下流端から天尾橋上流端(東近江市伊庭町)と、躰光寺川の躰光寺橋下流端から大橋上流端(同市躰光寺町)、山本川の西沢橋下流端から松原橋上流端(近江八幡市安土町香庄)の3か所に採捕禁止区域の指示(注)を出した。漁業者だけではなく、一般の遊漁者をはじめて規制した昨年に続き2年目。1年が経過し、県水産課らは一定の手応えを感じている。(古澤和也)

 コイ科の魚で最もおいしいと言われる琵琶湖固有種のホンモロコ。琵琶湖の食文化を広める「琵琶湖八珍」に選定されるなど、ブランド化の推進に拍車がかかる一方、1995年ごろまで200トンあった漁獲量は、近年、15トン程度に落ち込んでいる。漁業者の自主禁漁などで回復傾向にあるが、ピーク時には程遠い。
 ホンモロコの4〜5割が伊庭内湖や西の湖の周辺河川で産卵するとみられている。県水産試験場の調査によると、2012年から2016年までの3月下旬から5月にかけて、伊庭内湖周辺で1・2〜5・1トン、西の湖周辺で1・3〜5・7トンが投網や釣りなどで遊漁されており、また、1平方メートルあたりの稚魚の密度調査を行うと、山本川では14・14尾(2012年)から0・05尾(2015年)、瓜生川では3・39尾(2009年)から0・29尾(2016年)と激減していることから、遊漁が大きく影響していることがわかった。


 以上の調査を踏まえ県水産課は、禁止区域を設けることにより1〜2割の増加を予測したほか、遊漁者を対象とした聞き取り調査を行った。その中で遊漁者も産卵保護に取り組むべきとの遊漁者からの支持も多数あり、今回の規定につながったという。
 近年は外来魚駆除や稚魚の放流など、県や市をはじめ、漁業組合や自治会単位での保護活動も広がりをみせている。
 期間中、伊庭内湖や西の湖周辺で遊漁を楽しむ人の姿が多くみられる。地元住民によると、遊漁者は一定数いるが、禁止区間を規定した昨年から区域内での遊漁者は見かけなくなったという。
 県水産試験場は規制した昨年6月、稚魚の生息密度を調査した結果、2016年に比べ西の湖では4倍、伊庭内湖では1・8倍に増えていた。
 県水産課の職員は「一概に増えたとは言えないが、評価していきたい。統計を取るためにも引き続きモニタリングしていく必要がある」と規制継続を視野に入れている。
 (注)違反には1年以下の懲役や50万円以下の罰金などが処せられる場合がある。


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