知識を得て智恵に 広がる出前講座

■平成30年5月3日(木) 第18105号

=行政、市民、企業・公共機関の「ちょっときてぇな講座」=

先月21日に開かれた湖東信用金庫での出前講座

 【東近江】東近江市は、市民や事業所および企業等に学びの機会を提供する出前講座「ちょっときてぇな講座」を開設している。
 市教委に登録している団体やグループが得意とするジャンルの出前講座を引き受け、要請のあった場所に出向いて講演や教室(ワークショップ)を開催するもので、出前の内容によって「市民の部」、「行政の部」、「企業・公共機関」の3部に分かれている。
 講座の依頼件数は年々増加しており、18部署が50テーマを登録する行政の部では、平成29年度で151件の申込みがあり、前年度より21件増加した。中でも保健センターが行っている「健康寿命をのばそう」や「元気の源」など、健康に関する講座に人気を集めているという。企業や事業所が、社員や職員研修として活用するケースも珍しくない。
 先月21日には、湖東信用金庫の「平成30年度役職員大会」で西堀榮三郎記念探検の殿堂の出前講座「西堀イズムに学ぶ―異質の協力でチームワーク―」が開かれ、職員約200人が耳を傾けた。
 企業向けに対しては、企業との事前協議による講座が行われ、この日は、西堀榮三郎氏が遺した企業の業績アップに繋がるコミュニケーションづくりから生まれるチームワークについて解説した。
 学芸員は、研究者、探検家、科学者など多角的な顔をもつ西堀氏の足跡の中から、第一次南極観測越冬隊長となった西堀氏が、不注意から研究室で火災を起こした若い隊員への対応にスポットを当て、隊長として、隊員の失敗をどのように受けとめ、指導したのかを伝えた。
 京都大学からオーロラの研究者として参加した隊員は、昼間の犬の訓練に疲れ、研究室で睡魔に負け、ウトウトする間にストーブの火が観測データに燃え広がり、観測小屋の火災と蓄積した貴重な観測データや機材を焼失し、失意のどん底に突き落とされた。
 西堀氏は後日、やってはいけない大失敗を起こした隊員に、一言も怒ることなく西堀氏自身があり合わせの資材で作ったトランシットを手渡し「お前を手ぶらで帰すわけにはいかんからなぁ」と励まし、観測の継続を指示したことで、隊員はどんな苦労をしてでも何かしらの成果を持ち帰ることを心に誓ったという実話を紹介し、失敗の責任を追及することに執着せず隊員自らが失敗から学んで立ち直り、仕事の成果を生み出すよう諭す西堀氏の指導力を話した。
 また現在では、ほうれんそう(報告、連絡、相談)といわれる仕事の規範に▽怒らない▽否定しない▽助ける▽指示するの「おひたし」を加えた上司が「カッコいい」と言われることも紹介した。
 出前講座の問い合わせは、市教委生涯学習課(TEL0748―24―5672)へ。


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