東近江市の花「ムラサキ」活用した

■平成30年4月11日(水) 第18086号

=地域活性化の方策は?=

県東近江合同庁舎で開かれた意見交換

 【東近江】 宮廷歌人・額田王(ぬかたの・おおきみ)が恋の歌(相聞歌=そうもんか)として有名な「あかねさす紫野行き 標野(しめの)行き 野守は見ずや 君が袖ふる」を蒲生野(東近江市)で詠み、今年で1350年を迎える。これを契機に同市の花であり、歌に登場する植物「紫(以下ムラサキ)」のブランド化を後押ししようと、「東近江ムラサキ紫縁プロジェクト1350周年の集い」をテーマにした意見交換会が県東近江合同庁舎で開かれた。
 これは、官民協働事業の実施に向けて、様々なテーマを設定し、関心のある人が自由に対話や協議を行い、目指すべき姿を模索する県の取り組み「協働プラットフォーム」の一環である。

額田王の相聞歌「あかねさす紫野行き〜」
蒲生野で歌われ今年1350年


 「あかねさす紫野行き」で始まる相聞歌は、天智天皇の一行が蒲生野にあった「御料地」を訪れた際、随行の額田王が白く可憐なムラサキの花咲く蒲生野で、昔の恋人だった大海人皇子に向けて歌われたとされる。
 相聞歌で詠まれたムラサキは、温暖化の影響で一時期は絶滅が危惧されたが、2000年ごろから八日市南高校と奥永源寺地区をはじめとする市民有志の栽培努力の結果、現在では一定の成果を収めるようになった。
 意見交換の冒頭では、ムラサキを活用したコスメ生産・販売で、奥永源寺地区の活性化を目指す前川真司さんが、「様々な人が参加する冠イベントを開くことで、50年後の1400周年につなげたい」と呼びかけた。
 続いて、横山幸司・滋賀大学社会連携研究センター教授のコーディネートのもと、栽培関係者やまち協の役員、染色家、観光関係者、僧侶、市職員、高校教員、県議など様々な立場の参加者約24人が意見を交換した。
 この中で参加者からは、「額田王が相聞歌を歌った付近とされる船岡山の万葉歌碑には、県外からの観光客を見かけることがある。しかし、市民で万葉歌碑のことを知らない人が多く、まずは地元から魅力を知る必要がある」「市内の各コミセンで盛り上がりをつくれないか」などの意見が飛び出した。
 これらの意見を踏まえて横山教授は、ムラサキのブランド化に向けて、(1)絶滅危惧種で栽培困難、(2)今後の商品化の方向性、(3)売り出し方、(4)教育による啓発―の課題を整理した。


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