【寄稿】滋賀県議会議員 井阪 尚司

■平成30年2月11日(日) 第18036号

=県政NOW 働く幸せをカタチに=

    井阪氏

 川崎市にある日本理化学工業(株)を訪問しました。この会社は、学校で使うチョークを製造する国内シェア50%以上を誇るトップメーカーで、最も人を大事にする会社として世界から注目されています。社員84人の内、62人が知的障害者の方々。その様子を描いた書籍『虹色のチョーク』は、働く幸せを実現した町工場の奇跡として紹介しています。
 この会社が、障害者雇用に踏み切ったのは昭和35年で、大山会長が禅寺の住職から聞いた言葉がきっかけでした。住職曰く、「人間の究極の幸せは、『愛されること、ほめられること、役に立つこと、必要とされること』です。会社であればこそ、『こんな大雨の中来てくれて助かったよ』『昨日よりもたくさん作ってくれてありがとう』などと声をかけられるでしょう。このことが人間としてうれしい、幸せだから毎日会社に来るのです。」
 大山会長は、「それぞれが自分の持ち場で集中して一生懸命にやってくれているので、生産性は維持でき、経営も維持できる。私は、重度障害者多数雇用の50年の中で、かれらの働く姿から、人間の本当の幸せとは何かを考えることができました。」と回想されています。そして、「周りの人に役立つ心地よさ、喜び、幸せを感じる『共感脳』と日本の多くの企業が持っている『職人文化』を活かせば、もっと障害者の働く場を増やすことができる。」として、皆働社会の実現を提唱されています。
 滋賀県内でも、障害者雇用に積極的に取り組まれている事業所があります。パナソニック アソシエイツ滋賀(株)は、会社を「社会の公器」と位置付け、社員58人の内、障害者が33人で、全員参加の協働による経営の実践を進めています。(社福)わたむきの里福祉会は、すべての人が生まれたまちで育ち、働き、暮らし続けられるノーマライゼーションのまちづくりを実現しようと、159人の職員で多くの事業所で展開されています。やまなみ工房は、日常の表現を重視し、アール・ブリュット作品を制作する芸術家を産み出すなど高く評価されています。このように、私たちの身近なところに、「幸せをカタチ」にする取組みがたくさんあります。しかし、障害者雇用促進法による雇用率達成は十分とは言えません。県議会でもしっかりと提案して参りたいと思います。




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