444年ぶりの復活 銘酒「百済寺樽」完成

■平成30年1月24日(水) 第18020号

=やさしい甘みとかすかな酸味 2月上旬から販売=

完成した新酒「百済寺樽」とプロジェクトメンバー(左から、濱中住職、比嘉協力隊員、酒米農家の藤田清一郎さん、喜多社長)

 【東近江】 織田信長の焼き討ちで途絶えた幻の銘酒「百済寺樽」が、地域おこし協力隊の比嘉彩夏さん(30)をはじめとするプロジェクトメンバーの手で444年ぶりに復活した。お披露目となった20日、醸造した喜多酒造株式会社(東近江市池田町)で鏡開きが行われ、プロジェクトに携わったオーナーらで祝杯を交わした。
 百済寺樽は、聖徳太子創建の百済寺(東近江市百済寺町)で醸造されていた僧坊酒のことで、室町時代の幕府や朝廷に献上されていたという。その後、信長の焼き討ち(1573年)で、製造方法など文献共々途絶えた。
 その話を釈迦山百済寺の濱中亮明住職から聞いた比嘉さんが「現代風の新たな百済寺樽で地域のブランド化につながれば」と発起人となって、プロジェクトを発足。地元自治会や酒米生産農家、百済寺、喜多酒造、JAなどが賛同し、復活を支援する体験オーナーとともに、酒米作りに取り組んできた。


オーナーらの鏡開き-喜多酒造株式会社

 酒米は酸味が香る「玉栄(たまざかえ)」を使用した。全国のお酒を飲み歩くオーナーの上田鉄平さん(28)=東京都=は「水を生かした独特の香りと、味に深みがある滋賀のお酒の特徴が出ている」と試飲した印象を語り、喜多良道社長は「やさしい柔らかな甘みと、余韻で広がるほのかな酸とのバランスを楽しんでほしい」と自慢の一品となった。
 その後、八日市ロイヤルホテルで開かれた関係者らによる試飲会では、アルコール度数の違う3タイプを飲み比べ、販売に向けた最終調整の参考とした。
 比嘉さんは「この地域に思いを馳せてもらうお酒になれば幸いです。今後も期待値を持ってくれる地域にしていきたい」と完成を喜んでいた。
 製造本数は一升瓶1600本。2月上旬に生酒、秋に熟成酒を販売する予定で、価格は2500円(税抜)。あいとうマーガレットステーションなどで販売される。(古澤和也)


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