波乱含みの湖国政界と迫る知事選(6)

■平成30年1月18日(木) 第18015号

=共産党石黒委員長『巨額国体で財政破綻に』=

共産党県委員会の石黒良治委員長

 【全県】 共産党県委員会、県労連などで構成する「明るい滋賀県政をつくる会」は11日、2024年に県で開催される国体整備費の削減を求める8823筆の署名を三日月大造知事に提出した。このうち1034筆は県職員の署名であり、県職員の間でも将来の財政破たんへの不安が募っている。今夏の知事選の本当の争点は、大津市の大戸川ダム建設問題ではなく、実は財政問題なのだ。そこで同会の中心メンバーの共産党県委員会の石黒良治委員長に国体問題や知事選の取り組みを聞いた。(石川政実)

三日月氏の姿勢次第で
「前回とは違った対応も」


 つくる会の松本利寛共同代表は署名提出の折、「大戸川ダム建設や国体施設整備などで土建型県政が(かつての野崎県政のように)復活しないよう求める」と述べた。同会では、国体事業の抜本的見直し、改憲や原発再稼働の反対を軸に前回同様、候補者擁立を目指している。


 「どこの府県でも1巡目の国体と違って、2巡目は既存施設を活用するなどして国体開催経費(表参照)を100億円〜250億円前後の質素なものにしている。そのような中、滋賀県は約600億円と推定され、全国的にも突出している」と話すのは、共産党県委員会の石黒委員長。
 県は昨年6月、26年度までの県財政の収支見通しを公表した。それによれば、国体に向けた施設整備費や社会保障費負担増により、図のように毎年度100億円を超える財源不足が生じ、なんの手だてもしなければ19年度中には県の貯金にあたる基金が底をつくとしている。
 さらに26年度までの累積財源不足は1326億円(中間値では1145億円)にのぼる。この収支見通し時点の国体の想定開催経費は427億円だった。


200億円もかかる24年開催の滋賀国体の主会場(彦根市)。写真は主会場の完成予想図(県提供)

 しかし、そこにはまだ整備方針が決まっていなかったプール(想定額70億円で、うち県負担は46億円)などの整備費などが含まれておらず、開催経費は最終的に500億円を超えると見られている。まさに財政破たんへまっしぐらと言えるかもしれない。
 石黒委員長は「陸上競技場など国体主会場(彦根市)は現在、使用されている施設(陸上競技場、庭球場、プール、体育館)を壊して整備するもので約200億円かかり、大津市におの浜の県立体育館も同市瀬田地域の山林への移転・新築にともない約100億円と、この2つだけで計300億円に達する。野洲市、竜王町、湖南市にまたがる県希望が丘文化公園など、既存施設を活用することを基本にすれば大幅に削減できるはずだ。県はまず国体開催費用の全体像を明らかにし、財政破たんを招かないために、どの額まで抑え込むのかを決めて抜本的な削減を行う必要がある。国体向けの施設整備費を見直して、社会保障や子育て支援などに優先的に使うべきだ。18年度が国体見直しの最後のチャンス」と指摘。


 また「今秋に自公が憲法改正の発議をする可能性があり、その直前の知事選だけに憲法9条改正に反対する候補者が求められる。もし三日月知事が再選出馬を表明し、国体の抜本的見直しをはじめ、改憲や原発再稼働に明確に反対するなら、つくる会も前回知事選とは違った対応をとることもあり得る。市民と野党の共闘を大切にして、今後、社民党、民進党、市民団体とも知事選について話し合いたい」と含みのある発言も。
 24年の国体開催年の1〜2年前には施設整備を終わらせる必要があるだけに、巨額の開催経費に大ナタを振るえる期間は残りわずかになっている。


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