波乱含みの湖国政界と迫る知事選(4)

■平成30年1月10日(水) 第18008号

=もし自民が対抗馬擁立なら有村、二之湯両氏が下馬評に=

再選に意欲をみせるとみられる三日月大造知事(写真=畑多喜男)

 今夏には知事選(任期満了日7月19日)が行われる中、三日月大造知事(46)の去就が注目されている。前回の2014年の知事選では元経済産業省職員であった小鑓隆史氏(現参院議員)を擁立して戦った自民党。今夏の知事選では、三日月氏を推薦ないしは支持し知事与党に回るのか、それとも対抗馬を擁立するのかが最大の焦点だ。そこで自民党が独自候補に踏み切った場合の候補予定者の顔ぶれを予想してみた。(石川政実)

 自民党県議団がとくに問題にしているのは、三日月知事がこれまで嘉田由紀子前知事(67)の政策を継承してきた点だ。
 自民党の中堅県議の一人は「三日月氏は嘉田氏が昨年10月の衆院選で落選し、滋賀の衆参6議席を自民党が独占した現実に向き合うべきだ。嘉田氏から決別して三日月カラーを打ち出す時であり、その第一歩が大津市の大戸川ダムだ」と指摘する。
 昨年10月に台風21号が県内を襲った際、国土交通省琵琶湖河川事務所が大津市の瀬田川洗堰(あらいぜき)を完全に閉める「全閉操作」を実施した。
 自民党県議や県内の首長からは「大戸川ダムがあれば先の全閉操作は防げた」とダムだけに頼らない流域治水を主張する嘉田氏や三日月氏への批判を強めている。


今夏に予定されている知事選(写真は県庁)

 今後、自民党県議団と三日月知事とが大戸川ダムなどで溝が深まれば大きな争点になってくる。
 政権与党として豊富な人材を持つ自民党だけに知事選に独自候補を擁立する可能性がないとは言えない。
 もっとも上野幸夫・自民党県連副会長(県農政連会長)のように「正直、どんな選挙でも首長の再選は強い。とくに三日月氏は、各種団体や県内各地をきめ細かく回って知名度が一層高まる一方、自民党をはじめ各党への気配りもあり、スキがない。それだけに前回のような知名度のない新人では勝てない」との慎重論も多い。

油断できない三日月知事
2月県会で再選表明か


 この中で浮上しているのが19年に選挙を迎える参院議員。万が一、三日月氏に敗れても、参院選でカムバックできるからだ。その筆頭が内閣府特命担当大臣、女性活躍担当大臣などを歴任した参院議員(比例)の有村治子氏(47)=3期=。父は元県議の有村國宏氏、兄は有村國俊県議と政治一家に育ち、タカ派議員として知られる。
 次いでイケメンでロック演奏やボーカルもこなす参院議員の二之湯武史氏(40)=1期=も浮上してくる。13年の参院選で当選。父親は二之湯智・参院議員(京都府選挙区)で、参院でもめずらしい親子同時在職である。
 14年に小鑓氏(51)は自民党から担がれ、三日月氏と事実上の一騎打ちで惜敗しただけに知事に未練がないと言えばうそになるが、16年の参院選で当選したばかりであり、知事選出馬はリスキーだ。
 県内の中堅首長で呼び声が高いのが宮本和宏・守山市長(45)=2期=。国土交通省職員出身だけに中央とのパイプを生かし、中心市街地活性化事業で着実に成果を上げている。甘いフェイスとは裏腹に赤字を抱える守山市民病院を済生会へ経営移行する敏腕ぶりも。
 湖南市長の谷畑英吾氏(51)=4期=も県職員上がりだけに県行政には詳しい。大のフェイスブック好きで情報発信をこまめに行う。動物愛護のため、ネコと湖南市を組み合わせて仮想都市「こにゃん市」をつくり、ネット選挙でネコ市長を選ぶといったアイデア市長だ。
 しかし、両市長を自民党が擁立しようとすれば、敗れた場合に備えて衆参などのポストが必要だが、現在6議席とも埋まっており、両市長も冒険は避ける公算が大きい。
 奇想天外なところでは、16年の参院選で民進党公認で出馬し小鑓氏に敗れた、世耕弘成・経済産業ロシア経済協力大臣の妻の林久美子氏(45)を自民党が担ぐという説だ。
 また、もし三日月氏が自民党にすり寄って、卒原発やダム凍結をかなぐり捨てることになれば、後継者の三日月氏に鉄槌(てっつい)を浴びせるために、昨年10月の衆院選に無所属で出馬し落選した嘉田氏がリベラル勢力に押されて知事選に名乗りを上げるという憶測もあるが、いずれも噂の域を出ない。ただ自民党本部は前回の屈辱を忘れておらず、党本部主導で落下傘候補を投入することもあり得る。


林久美子・前参院議員
二之湯武史・参院議員
有村治子・参院議員
嘉田由紀子・前知事
谷畑英吾・湖南市長
宮本和宏・守山市長

関連記事

powered by weblio




同日のニュース