【寄稿】滋賀県議会議員 今江 政彦

■平成29年12月5日(火) 第17980号

=県政NOW 「滋賀県の治水政策について」=

    今江氏

 10月下旬に滋賀を襲った台風21号並びに22号により滋賀県各地では道路河川のみならず、農業、林業などにおいても多大なる損害が発生しました。また、彦根城でしっくい壁が剥がれ落ちるなど県下の文化財の被害も甚大でした。県民生活や経済活動に対する影響も大きく災害の復旧に必要な予算はおよそ35億円規模となり、国においては激甚災害の指定もされたところですが、県議会においても早期の復旧のための28億円余りの補正予算を初日に即決しました。被災された皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早く県民生活の安全安心が取り戻せるよう復旧事業を進めて参ります。
 今回の台風21号の来襲に際し、竜王町弓削地先では新川の氾濫や日野川の増水により県道や町道が冠水し、また工場から油が流出するなどの被害も確認されています。日野川についてはこれまで下流から改修事業が順次進められているものの想定を超える降雨の影響で近江八幡市と竜王町の境界にある安吉橋(あぎばし)付近では計画高水位の6メートルを超えるなど、住民にとりまして大きな不安が生じています。日野川の改修については国の直轄事業化による早期の河川改修が国に対して要望されていますが、日野川を含めてこうした県内の危険河川への対策が急がれるところです。
 また、今回の台風21号の来襲においては京都など下流の洪水を防ぐため、国交省琵琶湖河川事務所により瀬田川洗堰において10月23日の午前1時52分から3時30分まで全閉操作がされました。このことに対して11月14日に開催された首長会議では全閉操作によるびわ湖の水位上昇により河川下流域や湖岸地域で被害拡大の可能性も高まるという懸念が示され、大戸川ダムの整備を訴える声も出ました。このことに対して三日月知事はダムの必要性は否定しないとしたうえで、当面すべきは天ケ瀬の再開発や中下流の改修であり、直ちに大戸川ダムの整備は必要でないという見解を示されました。
 大戸川ダムについては平成21年、近畿地方整備局が淀川水系河川整備計画において3府県知事合意を受けて一定合理性があると判断してダムの本体工事は凍結すると決定されたところであり、また、大戸川下流部の河道改修の必要性は関係府県の共通理解であるとの認識のもとこれまで河道改修も行われてきたところです。
 ダム建設のため移転を余儀なくされた住民の皆さんに思いを寄せつつも、現時点での治水対策としては日野川をはじめとする危険河川の改修を早期に進めるとともに、どのような洪水にあっても人命が失われることを避け、かつ生活再建が困難となる被害を避けることを目的とした流域治水政策つまり「川の中の対策」に加えて「川の外の対策」を総合的に進める政策が重要と考えます。



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