大義問われる解散総選挙〈1区〉連載(4)

■平成29年10月19日(木) 第17940号

=比例復活含め3人当選の可能性もわずかに=

大岡氏と嘉田氏互角の戦い

リベラル元祖の小坂氏が善戦



 【全県】 22日投開票に向けて衆院選は終盤戦を迎えている。滋賀の4つの選挙区とも自民が順調な戦いぶりだ。このなかにあって1区は超激戦区。3選を目指す自民前職の大岡敏孝氏(45)と引退した民進の川端達夫氏の後継として前知事で無所属新人の嘉田由紀子氏(67)が互角の戦いを繰り広げ、ここに護憲の社民新人で共産など野党3党の統一候補である小坂淑子氏(77)が割って入って善戦している。場合によっては比例復活も含めれば3人が当選の可能性もわずかにあり得るだけに最後まで目が離せない。(石川政実)

●小池氏に決別宣言
 前滋賀県知事の嘉田氏は2日に記者会見し、引退した民進の川端氏の後継者として、衆院選に滋賀1区から無所属で立候補すると表明した。民進の前原誠司代表から希望公認でなく無所属で出てほしいとの連絡があったからだ。嘉田氏は比例では希望への投票を呼びかけると明言。
 ところが11日、大津市瀬田の個人演説会で「比例はどこも推薦しない」と前言を撤回した。その理由として、希望の小池百合子代表の再稼働容認や自民党との連立も否定しない発言を挙げた。この決別宣言は、嘉田氏と共同歩調をとってきた2,3,4区の希望候補に衝撃を与えた。
 「引退した川端氏の議席を落とせない」と川端氏が出身の東レ労組を中心にUAゼンセン滋賀支部(1万2千人)はようやくエンジンがかかり、連合傘下の各産別も引っ張られて動き出した。
 10年の知事選では1区で11万5500票を得票するなど知名度抜群の嘉田氏だけに、前回川端氏の得票数6万9千票に自らの知名度で2万票を上乗せし、連合滋賀の集結で弾みをつけたいところだ。


●型破りな戦法
 「嘉田さんは言うことがころころ変わる。同氏の言動に惑わされず、国道161号線の整備など5年間の実績を訴えていく」と大岡氏は我が道を行く。
 選挙戦術もユニークだ。選挙カーに乗るのは10日と中日の14日、18日〜21日だけ。個人演説会も14日に高島市の2か所、15日に大津市の9会場、17日、19日は大津市での各1会場のみで、後はJR駅での朝夕立ちだ。選挙カーに乗らない日は、企業・団体を訪問する。
 連携する公明の支持母体の創価学会幹部は「嘉田さんは知事時代、学会や公明の催しにほとんど顔を出してくれなかった。嘉田さんを当選させるわけにいかない」と燃えていたが、公明もエンジンがかかってきた。大岡氏は前回の7万8千票を固め、そこに5年間の実績で1万票を乗せて僅差で嘉田氏をリードするがほぼ互角の戦い。
 一方、日本維新の会滋賀県総支部の有志らは14〜16日、党の選挙カーで4選挙区を回り、1区と3区については自民の大岡氏と武村氏の支持を訴えた。1区では、前々回に維新候補者が4万3千票を得票しているだけに、大岡氏応援で上乗せに期待も。


●フレッシュ77です
 「8日のびわ湖放送での立候補予定者討論会で、大岡さんが嘉田さんに『あなたが小坂さんを応援すべきではなかったか』と言ってもらいスカッとした」。13日に大津市内で開かれた個人演説会で小坂氏は嘉田氏を批判した。
 昨年の参院選から市民団体と民進、共産、社民、新社会の4党で野党共闘を目指して協議を重ねてきた。ところが民進は突如として希望に行ってしまい、小坂氏らははしごを外されそうになった。だが「憲法を守ろうとする市民のうねりは、なくしたら絶対あかん」と3野党と市民団体の統一候補として出馬を決意する。嘉田氏に野党統一候補になってほしいと要請したこともあったが、希望へと傾いていただけに擁立を断念した。
 38年間、小学校教諭を勤めてきただけに堅物かと思いきや、「フレッシュ77歳です」とユーモアも忘れない。同氏の義侠心にファンも多く、予想外に善戦。近畿比例ブロックでは、社民から大阪9区の服部良一氏(67)と小坂氏の2人が比例重複であり、小坂氏に比例復活のチャンスが残されている。


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