泥沼化する野洲市民病院問題(3)

■平成29年8月3日(木) 第17875号

=「市議は反対するなら対案出すべき」=

守山野洲医師会の福田正悟会長

◇野洲
 野洲市がJR野洲駅南口の市有地で2020年10月開業を目指す「野洲市民病院」整備計画について、市民の医療、介護のために11年から計画づくりに参画してきたのが、日頃、市民の医療を支えている開業医らで構成する守山野洲医師会。改めて市民病院計画の評価について、福田正悟・同医師会長に聞いてみた。(石川政実)

 ―市民病院整備計画で位置づけられた野洲駅前での病院建設に一部市議は反対していますが。
 福田
 いま県内を見渡してみてもJR駅前の病院はありません。高島市民病院は高島駅に近いが、野洲市民病院のようにはじめから駅と連結させたものでない。駅前がいいのは、利便性があるからです。車の免許を返上したお年寄りが駅前にあればバスで手軽に行け、他府県に住むお子さんらが見舞いに来るのも便利ですから。また、医師など働く側にとっても良く、医師確保がしやすい。

 ―反対派議員の中には、現在の野洲病院を改築すれば建設費が安くて済むという声もあるが。
 福田
 昨年3月に市の評価委員会が専門の医療コンサルタントに調査させ、「野洲病院をそのまま使うのは難しい」との結論を出しています。改築する余地がありません。

 ―反対派市議は市直営の市民病院では赤字になるとし、公設民営化や独立行政法人化などを主張していますが。
 福田
 市民の声が届いて、われわれ医師会とも、ちゃんと話ができるのは、やはり市民病院です。例えば小児科はとくに採算がとれにくいですから、民間病院だと経営が悪くなってやめますと言われれば、それで終わりですよ。
 とにかく医師会としては開院時期をできるだけ早めてほしい。耐震強度不足と基準を満たしていない現在の野洲病院での医療は限界に来ています。いま全国的に地震や水害などの自然災害が頻発(ひんぱつ)しているでしょ。災害が発生すると、その地域に一つは必ず総合病院が必要なんです。とくに野洲は、野洲川や日野川などの河川に囲まれており、震災や水害などで橋が崩落すると孤立化する。その時に病院がなかったらどうなりますか。

 ―8月定例市議会は30日から開会が予定されているが、市が再び病院事業予算案を議会に提出した場合、可否同数でこれまで通り議長採決で6度目の「ノー」になる公算が高い。駅前の市民病院に対し意気に感じて滋賀医大から16人が派遣されているが、議会にあきれ果て、野洲病院から医師が引き揚げて市民病院がとん挫することもあり得ますね。
 福田
 いろんな面で(開院の)環境が厳しくなるのは事実です。開業医も安心して、責任をもって市民の治療ができなくなります。
 国も駅前の市民病院設置に期待して交付金を内定しているが、これにも影響が出るかもしれない。反対する議員さんたちは、市民病院がとん挫すれば小児科医不足で乳幼児健診などに影響が出たり、災害時に市が孤立化したりするので、そのようなことがないよう市民のために現実的な対案をまとめて市と協議してほしい。対案を出さないなら、それは無責任です。


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