再興から発展を願って自費出版「八日市民謡 江州音頭」

■平成29年7月14日(金) 第17859号

=丁野永正氏 発祥の地から=

「八日市民謡 江州音頭」を自費出版した丁野さん――丁野さんの自宅で――

◇東近江
 近江の夏、「江州音頭」の夏がやってきた――と、そこかしこから音頭取りの歌声と、にぎやかな「ソリャー、ヨイトヨイヤマッカ、ドッコイサーノセー」の掛け声が聞こえ、人々が大きな輪を作って踊り明かす。そんな光景が年々減り、規模も縮小されていく現状に危機感を抱く、江州音頭をこよなく愛する市民の一人で、八日市郷土文化研究会会員の丁野永正(ようの ながまさ)氏(74)が、サンライズ出版から「八日市民謡 江州音頭」(四六判213ページ)をこのほど自費出版し、県人会や親しい友人・知人に配付した。
 丁野氏は、「斜陽傾向にある江州音頭を守り、発展させていかないと発祥の地として恥ずかしい。政治・行政の力で全国に江州音頭を発信してもらいたいが、なかなか本腰を入れてもらえそうにないので、文化サイドの私が微力ながら取り組むことにした」と、自費出版する動機を語った。
 これまで、江州音頭について歴史や詳細をまとめた書物が少なく、1971年に深尾寅之助氏が書いた「江州音頭」がある程度で、今回、この著書の改訂版とも言える普及版としての「八日市民謡 江州音頭」を刊行させた。
 内容は、三代目真鍮家文好(小椋祥行)氏や櫻美家天勝(深尾勝義)氏、八日市江州音頭保存会の田中伸三会長、江州音頭発祥の地の住民や江州音頭愛好家の、江州音頭の現状や将来に向けた思いを紹介しているほか、江州音頭誕生の歴史、二大家元と流派・発展、近江商人による県外への拡大、全盛期から現代そして保存継承のためにやるべきこと、江州音頭の踊方と歌詞集、通説と異説などを、図表や貴重な資料・写真と共に、丁野氏の思いを綴っている。
 “おわりに”で丁野氏は、江州音頭が新しい時代に生き残るためには「発祥地の八日市やその周辺がもっと存続、発展への熱意を示し、振り付けの改良、音頭を聴かせる郷土出身人気歌手を養成するなど、一工夫が必要」と、提言している。
 出版の話を聞きつけて、東近江市内よりも、市外や県外から多くの反響があり、発刊した200冊はすぐになくなり、増刷した。また今後、もう一つの発祥地である豊郷町の踊を中心とした江州音頭にもスペースを割いた新刊も出す予定をしている。
 「八日市民謡 江州音頭」についての問い合わせは、丁野氏(TEL0748―23―5156)まで。


関連記事

powered by weblio




同日のニュース