【寄稿】参議院議員 小鑓 隆史

■平成29年7月13日(木) 第17858号

=国政刻刻 「人生100年時代と社会制度」=

    小鑓氏

 今の子どもたちの世代では、その半分以上が100歳を超えて生きると言われています。高校や大学を卒業し、60歳の定年まで働いてもまだ40年以上の期間、つまり就職から定年までよりも長い間人生を送ることになります。終身雇用制度の下、一つの会社で懸命に働き、60代で仕事を辞め、退職金と年金で余生を過ごすという人生設計を描いてきた時代から考えると信じ難いことかもしれませんが、そういった時代が遠い未来の話ではなく、すぐそこまで迫っていることは事実です。
 そんな折、経済産業省の20代、30代の有志若手職員が5月にまとめた報告書がマスコミ等で話題となりました。少子高齢化が進み、現在の社会保障制度や医療、教育、労働法制などが持続不可能であり、今こそ大胆に見直していくべきとの提言です。
 これからの高齢社会を考えるとき、人生100年に相応しい社会制度の在り方について、現行の制度を根本的に見直していく必要があるのではないでしょうか。
 その際に重要となる概念は「制度の多様化、柔軟化」であると思います。明治の終わりに平成の時代を想像できた人は皆無でしょうし、若い時代に100歳を迎えた自分を想像することは恐らく困難でしょう。人生の期間が長くなれば、健康状態や考え方次第で働く期間や社会に対する関与の仕方も大きく異なってくるので、現在の平均的な人生設計を前提とした年金制度、退職金や働き方などの雇用制度、さらには大学教育をはじめとした教育制度も、各個人の選択肢を広げる形で多様化させていく必要があるのです。現在、政府においても様々な分野で制度の見直し議論が盛んになってきていますが、まだまだスタートに過ぎません。各個人の選択肢が広がることは、その選択に対する自己責任も大きくなっていくことでもあります。大切なことは、今後、国民一人ひとりがより積極的に議論に参加していくことであり、こうした意見を政策や仕組みづくりに反映させていく体制の構築を進めていくことではないでしょうか。



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