環境対策の先駆者「伊庭貞剛」展

■平成29年7月7日(金) 第17853号

=企業トップの社会的責任 別子鉱山の歩みと成果=

教育会館で開かれている伊庭貞剛展

◇近江八幡
 近江八幡市西宿町出身で裁判官、衆議院議員(滋賀県選出)、住友総理事を歴任した伊庭貞剛(1847〜1926年)の足跡を紹介する「伊庭貞剛展」が同市新町の八幡教育会館(旧伴家住宅)で開かれている。16日まで。
 1893(明治26)年ごろ、精錬所から出る亜硫酸ガスにより農作物を枯らす煙害が深刻化していた別子銅山(愛媛県新居浜市)の環境対策に尽力した貞剛の生き様に焦点を当てた内容で、莫大な費用を投じて精錬所を無人島に移転し、旧鉱山の跡地を自然に戻す全面緑化など、当時としては先進的な貞剛の環境保全への取り組みを歴史資料とともに紹介している。


晩年の伊庭貞剛

 1894年支配人として赴任した貞剛は、17世紀末には世界一の産出量を誇った別子銅山の繁栄の陰で深刻化していた亜硫酸ガスの公害問題を憂慮し、企業の社会的責任として企業利益を優先する重鎮らの反対を押し切って自ら先頭に立って解決に取り組んだ。
 貞剛の意思を継いで現在も旧鉱山の植林事業は続けられており、鉱山跡は貞剛とともに環境保全の大切さを伝える産業遺産として継承され、新居浜市の観光地となっている。
 のちに第2代住友総理事に就任した貞剛の行動は同市の八幡堀の修復や水郷の景観保全の取り組みと共通する点がある。
 入館時間は午前9時から午後4時半まで。入館料大人400円、小・中学生250円。問い合わせは同会館(TEL0748―32―1877)へ。


関連記事

powered by weblio




同日のニュース