【寄稿】滋賀県議会議員 今江 政彦

■平成29年5月2日(火) 第17796号

=県政NOW 「共謀罪が創設されれば我が国は一億総監視社会!?」=

    今江氏

 今、国会で審議されているいわゆる「共謀罪」(テロ等準備罪)が成立すれば県民の皆さんの日常生活や社会活動に大きな影響が出る恐れがあります。刑法で罰せられるのは基本的に実際に行われた罪が対象です。現在は未遂や予備の段階で罰せられることは例外としてありますが、今国会で創設されようとしている「共謀罪」は予備よりはるか以前の計画段階でも罰せられるようにするものでまさに憲法第19条で定められた「内心の自由」をはじめとする基本的人権が侵害される恐れがあります。こうした危険性のある「共謀罪」の成立については法律の専門家である日本弁護士連合会も反対の意見を表明しています。
 私たちはこうした不安を抱く県民の皆さんの思いを受けて、県議会2月定例会議において「共謀罪を創設する法律案の提出に反対する意見書」案を提出しましたが、自民党滋賀県議会議員団をはじめとする与党勢力の反対で否決されてしまいました。意見書をめぐる質疑の中では自民党から政府の法案提案権を侵害するものであるという主張がされましたが、著しく人権侵害の可能性がある法案を提出してほしくないという県民の皆さんの思いを意見書を通じて政府や国会へ届けることは地方自治法第99条で認められたものであり、意見書自体が政府の提案権を侵害するという主張はまさに自由な意見表明を抑制するものといえます。
 これまで法律の専門家から憲法違反と指摘されてきた特定秘密保護法や安全保障法案を強行採決し、そして新たに憲法で定められた基本的人権を侵害する恐れのある「共謀罪」の創設をしようという政府与党の姿勢こそ憲法第99条で定められた憲法尊重擁護義務に反するものであると考えます。
 この「共謀罪」は「テロ等準備罪」と言い換えられていますが、日本はすでにテロ対策で国連が採択した13本の条約を締結し、国内法も整備されています。また、政府が国際組織犯罪防止条約の締結のため共謀罪の創設が必要と主張していますが、この条約の締結は現行法体系のままでも可能であるといわれています。
 この「共謀罪」の創設により一般市民も拡大解釈によって捜査・検挙の対象となるばかりでなく、市民団体への盗聴や監視が広がる可能性があり、まさに一億総監視社会になるのではないかと懸念しています。
 憲法で定められた基本的人権が尊重され、立憲主義のもとで県民の皆さんが安心して暮らせる社会を目指してこれからも県民の皆さんとともに県議会から政府や国会へしっかり声を上げていきます。



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