【寄稿】日野町長 藤澤 直広

■平成29年4月15日(土) 第11782号

=自治刻刻 満開の桜=

    藤澤氏

 春を告げるホイノボリが風にゆれ、村々で五穀豊穣を願い祭りが行われます。里山からウグイスのさえずりが聞こえ、田圃に水が入りトラクターのエンジン音が響いています。NHKの朝ドラ「ひよっこ」が始まりました。舞台は茨城県の奥茨城村、のどかな田園風景が広がっています。主人公は女子高生のみね子。ときは昭和39年、東京オリンピックを前にした高度経済成長期。東京の建設現場へ出稼ぎに行っていたみね子の父親は稲刈りに帰ってきました。東京オリンピックは、日本の戦後復興を世界に示す絶好の機会と位置づけられました。
 オリンピックは平和の祭典でもあります。大正5年、昭和15年、昭和19年の大会は戦争のために開催できませんでした。みね子の叔父は軍隊経験があります。当時、国民のほとんどが戦争を体験しています。第2次世界大戦の敗戦国ドイツは、ナチスドイツが犯したアウシュビッツの悲劇など戦争責任を明らかにし、今でも戦争犯罪者は罪に問われます。戦前、日本が戦争に突き進んだ精神的主柱は「教育勅語」。「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ」と戦争になれば天皇のために命を投げ出すことが臣民の本分とされました。また、治安維持法によって自由と民主主義が圧殺され軍国主義国家に陥ってゆきました。そして敗戦。日本国憲法の下で国際社会に復帰し信頼を築いてきた日本で今、政府が教育勅語を「評価」し、治安維持法を想起させる「テロ等準備罪」を法制化しようとしています。「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し(憲法前文)」た平和への誓いを反故にしてはなりません。
 新年度が始まり、開花が遅れた桜も咲きました。入学式、ピカピカの1年生は眩しいほどに可愛らしい。この子らに満開の桜のように明るく輝く未来をつなぎたいと思います。散ることが美学とたとえられた古い時代に逆戻りすることなく、自由で平和な社会をつくるために力を合わせましょう。




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