知事 将来的に国保保険料統一へ

■平成29年2月23日(木) 第17738号

=県への運営移管きっかけに=

役割が問われる、県国民健康保険連合会(大津市中央4丁目)

◇全県
 国民健康保険法の改正により国民健康保険の財政運営主体が2018年度に市町から県に移管されるのに当たり、三日月大造知事は14日に開かれた県首長会議で「将来的に保険料を統一したい」考えを示した。実現すれば、同じ世帯構成、収入であれば県内どこに住んでいても保険料が同じになる。県では24年度以降の早い段階を目指している。ただ保険料率の一元化で一部の市町では一人当たりの所得が低いのに保険料の増額が予想されるなど課題も山積されている。(石川政実)

 ●構造的な赤字体質
 現在の医療保険は、大企業などのサラリーマンが加入する健康保険組合、中小企業などのサラリーマンが加入する協会けんぽ、公務員が加入する共済、自営業者、農業者、会社を定年退職した高齢者(74歳まで)などが加入する国民健康保険(国保)、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度に分かれている。
 国保は定年退職の高齢者が多く医療費がかかり、さらに非正規で働く人や無職の人たちの加入も増加し、構造的な赤字体質にある。
 14年度の全国の市町村が運営する国保の財政状況は、3586億円(昨年2月速報値)の赤字になっている。
 このため国は18年度から財政運営を市町から、都道府県に移管させる。
 具体的には、都道府県が市町村ごとに「標準的保険料」を設定し、各市町村はこれを参考に実際の保険料を定め、これまで通り保険料を徴収。市町村は徴収した保険料を都道府県に納め、交付金として都道府県から市町村に配分する仕組みになる。都道府県が運営することで市町村間の保険料の差を縮めようとするものだ。また18年度からは、国が1700億円の税金を新たに投入する。
 表の通り、26年度の県内市町の一人当たりの保険料は、最高が栗東市の10万4683円、最低が豊郷町の7万905円で、この市町格差は1・5倍となっている。


 ●県が17年度で試算
 県では18年度からの移管に備えて、新しい算出方式の「標準的保険料」に基づき、仮に17年度に移管した場合の試算を行った。ここには介護分保険料が含まれており、表との単純比較はできない。
 それによると、県内19市町全体の県平均保険料は12万6489円(16年度比5・1%減)となったが、多賀町が1万4173円増、甲賀市が1万170円増、東近江市が8587円増と急増した。19年度は異なってくるが、いずれにせよ、このように大きく保険料が増える市町には県が激変緩和措置を行うとしている。

 ●24年度以降目指す
 県では市町と協議しながら18年度〜23年度までを第一段階として収納率目標の設定や収納対策の強化などを図り、24年度以降の早い時期に保険料の完全統一化を目指す構えだ。
 これについて市長の中には「今回の制度改革で県に財政運営が移管されても、県の責任で財政支援を行うわけでない。さらに高齢者が多いことで医療費の支出が増えつづけ、低所得者が多いために財政が安定しないという構造的問題は解決しないままだ。また保険料を統一することで、これまで1人当たりの所得などで保険料が低かった市町では大きく跳ね上がるといった問題も出てくる。県と市町でもっと協議すべきだ。いずれにせよ国がきちんと責任を取るべき」との声が出ている。
 県では3月中に国保運営方針案を策定し、8月に国保運営方針を公表する予定だ。


関連記事

powered by weblio




同日のニュース