県内市町 「家計相談支援」実施は8市のみ

■平成29年2月16日(木) 第17732号

=「生活困窮者自立支援法」施行3年目へ=

◇全県
 生活保護手前のセーフティーネット(安全網)として始まった「生活困窮者自立支援法」が新年度で施行から三年目を迎え、見直しの時期に入る。同法は、生活苦の人が貧困に転落するのを防ぐため、相談窓口を自治体に義務づけるとともに就労支援を求めたもの。そこで、県内十九市町の現状と課題を整理した。【高山周治】

支援団体「社会的孤立者への周知も課題」

 同法では、市町の義務として自立に関する相談窓口と離職して住居を失った人への家賃相当の住宅確保給付金支給事業を定める。
 さらに自治体の実情に応じた任意事業として、就労準備支援、家計相談支援、一時生活支援(ホームレスへの衣食住提供)、困窮家庭の子どもへの学習支援―を求めている。
 県によると、初年度の平成二十七年度の相談件数は、月平均で十万人あたり十四・九件(厚労省の目安二十件)と、全国平均十四・七件は上回った。さらに相談した人が就労支援につながった人数は、月平均二・六人(同六人)で、全国平均の一・八人は超えた。
 これについて県は、関係者には一定周知されてきたとするが、今後は支援が届ない人もいるとみて、さらなる認知度向上に努める。 今年度(四月〜十一月)の傾向としては、新規相談件数が千四百二十二件と、前年度同時期(千八百二十三件)よりも減少する見込みだが、プラン作成件数五百八十二件(前年度同時期四百八十五件)、就労支援対象者数三百四十一人(同二百七十九人)と増加傾向で、「個別に向き合う支援が実施されているのでは」とみる。
 また、任意事業(就職準備支援、家計相談支援、一時生活支援、学習支援)の実施率は六一%と、全国的に高い実施率(四位)としている。
 とくに学習支援は十九市町のうち十二市町で実施され、未実施の米原市と犬上郡でも検討が進められるなど増加が見込まれる一方で、家計相談支援を実施するのは八市と、市町全体の四割程度で、自治体間の温度差が目立っている。
 なお、今後の課題について、生活支援の関係者でつくる「しが生活支援者ネット」は、「経済的に厳しい人だけでなく、引きこもりの若者や高齢者など社会的孤立者へも支援の手をのばし、生活困窮者自立支援法を地域づくりのツールとして生かすことも求められる」としている。


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