【寄稿】滋賀県議会議員 小寺 ひろお

■平成29年2月12日(日) 第17729号

=県政NOW 「大統領令」って何?=

    小寺氏

 メキシコ国境の壁の建設にTPPからの離脱、さらには入国禁止措置などトランプ大統領が就任直後から刺激的な大統領令に署名し世界中を驚かせています。あまり聞きなれない大統領令ですが改めてどのようなものか調べてみました。
 大統領令は大統領が連邦政府機関に対して発する命令のことで議会の承認を必要とせず、法律と同等の効力を持つために大統領が政策をすぐに実行できる便利な手段といわれています。そのため議会法案に反対できる「拒否権」と並んで大統領の大きな武器でもあります。ただしメキシコ国境の壁の建設のように予算を伴うものについては議会の承認が必要となるため、その実現性には疑問符がつくかもしれません。また大統領令は具体的な政策というよりは新政権の方向性を示すものという見方もあり、今少し動向を見極める必要があります。
 トランプ大統領により急に注目を集めた大統領令ですが、決してトランプ大統領だけが発令しているわけではありません。例えばオバマ前大統領も下院で共和党に対抗するために大統領令を活用する方針を示されましたし、有名なリンカーン大統領による奴隷解放宣言も実は大統領令でした。つまり大統領令そのものが問題なのではなく国民の賛否が二分する課題に対して大統領令を出すことによりアメリカだけではなく世界全体に不安を感じさせることが問題といえるのではないでしょうか。
 世界のリーダーであるアメリカ大統領があからさまに自国の利益だけを優先する姿勢を打ち出し、大統領令で物事を性急に進めようとする姿勢は決して感心できたものではありません。近江商人の精神に「三方よし」というものがあります。トランプ大統領にも「アメリカよし」「相手国よし」そして「世界よし」というふうに、近江商人の精神を少しは学んでもらいたいものです。



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