「生活困窮者自立支援法」3年目へ 支援団体が現状と課題を情報共有

■平成29年2月8日(水) 第17725号

=広がる学習支援、足踏みの住宅・就労支援=

大津市内で開かれた支援者交流集会(県弁護士会館)

◇大津
 生活保護手前のセーフティーネットとして始まった「生活困窮者自立支援法」の施行三年目に入るのを受け、県内の関係者が現状について情報共有する第三回支援者交流集会(しが生活支援者ネットの主催)が四日、大津市内で開かれた。
 同法は、生活苦の人が貧困に転落しないよう、自立に関する相談窓口と、離職して住まいを失った人への家賃相当の住居確保給付金支給事業を市町に義務づけている。さらに、任意事業として、就職準備支援、家計管理支援、ホームレスへの宿泊場所提供、困窮家庭の子どもへの学習支援―を求める。
 同法の見直しにあたって、副代表の生水裕美さん(野洲市職員)は、子どもへの学習支援が一体的に実施されている一方、手薄な支援として住宅や家計相談、高齢者の支援、さらには就労支援のあり方などを挙げた。
 関連法については共同代表の辻本哲士さん(精神科医)は、生活困窮の様々な原因のうち、依存症対策の予防・発症後の対応や、発達障害の医療・教育が縦割りで実施され、今後円滑な連携を図るべきと指摘した。
 また、相模原市の障害者施設の殺傷事件で、精神保健福祉法に基づく退院後に事件が発生したことを受け、強制的な入院措置の後も行政が支援計画をつくってフォローする同法改正案を紹介。「住居、食事など自立の条件をクリアしないと退院は難しい」と、患者を孤立させない仕組みの重要性を話した。
 なお、県内十三市町における生活困窮者自立支援法に基づく相談件数は、月平均(平成二十七年四月〜同二十八年三月)で十万人当たり十四・九件と厚労省の目安二十件には届かないが、全国平均十四・七件を上回った。
 さらに相談した人が就労支援につながった人数も、月平均(同)で二・六人と厚労省の目安六人には及ばないが、全国平均一・八人は超えた。
 一方、任意事業(就労準備支援、家計相談支援、一時生活支援、学習支援)の実施率は六一%と、全国的に高い実施率(四位)としている。とくに子どもの学習支援は進んでおり、十九市町のうち十七市町で実施されている。


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