小説「雪辱」野村さんが出版

■平成29年1月27日(金) 第17715号

=「桜田門外の変」の仇討ち 井伊直弼の生涯と史実=

出版された小説「雪辱」と野村さん

◇東近江
 東近江市大沢町の野村しづ一さん(80)が歴史小説「雪辱」(サンライズ出版)を自費出版した。
 元東近江市教育委員で滋賀民俗学会理事でもある野村さんは長年、執筆活動に取り組み、著書に「明治の嵐」、「親鸞への旅」の他、「写真で見る湖国の原風景 昭和30年代の記録」(第十一回日本自費出版文化賞入選)がある。
 今回は、彦根藩主で幕末の大名・井伊直弼(一八一五―六〇年)の生涯をまとめたもので、大老になった直弼らが、ペリー来航を機に進めた「日米修好通商条約」の締結に絡んで起きた歴史的事件「安政の大獄」と「桜田門外の変」の史実や隠された歴史を描いた。
 幕府が同条約を結んで開国を許した判断は、天皇の許可を得ていない直弼の「独断」とされている通説への反意や、反感を抱いていた元水戸藩士たちによって直弼が暗殺(安政七年三月三日)された「安政の大獄」の約五か月後に、彦根藩士の小西貞義が仇討ちを果たしていることが貞義の親族から入手した資料から知ったことをきっかけに、筋立ては小説ではあるが、直弼の行動の裏表を史実にもとづいて執筆したところが注目される。
 野村さんは「明治から今日に至る根強い薩長史観による幕末史と(悪大老と評される)井伊直弼の見方やイメージが変わるように願っている。また、桜田門外の変で暗殺された直弼の仇討ちを果たした彦根藩士がいたということも知ってもらいたい」と話している。
 本書は、県内を中心に全国の書店で販売中(税抜千七百円)。サンライズ出版でも購入可。問い合わせは同出版(TEL0749―22―0627)へ。


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