福井、熊谷両氏の接戦も

■平成29年1月19日(木) 第17708号

=22日告示、29日投開票の高島市長選=

 二十二日告示、二十九日投開票の高島市長選は、再選を目指す無所属現職の福井正明氏(65)に、無所属新人で市議の熊谷もも氏(40)が挑む展開になりそうだ。市議の一部では「同じ日にある市議選に投票した人が市政批判から熊谷氏に流れる公算もあり、予想外の接戦になることもあり得る」との見方が強まっている。 【石川政実】

 福井陣営 
 「公約の九割は達成できた」。先月、安曇川町で開催の激励集会で福井氏は胸を張った。
 農林水産部長など県の要職を歴任してきた自負が見え隠れする。それは、係争中の新庁舎問題(注1)で現庁舎の増改築を進める強引とも言える手法にもつながる。
 福井氏が公約実現で最も急いだのは行財政改革だ。一般家庭の貯金にあたる積立金を増やし、借金にあたる地方債を減らして、財政健全化に努めている。
 しかし、聖域なき行財政改革は、福祉の後退につながった。国民健康保険料の平成二十七、二十八年度の二回の引き上げ、障害者福祉の補助率見直しなどだ。また同氏は一期目の実績として国道161号線の整備促進、JR湖西線の暴風対策を挙げた。
 「二期目は新たなステージを目指し、ステップアップをはかりたい」と執念を見せた。 
 福井陣営の選対本部長代行になる清水鉄次県議は「熊谷氏の動きが見えず、うちの陣営の士気があがらない。なにか不気味だ」と警戒感を強める。
 福井氏は安曇川町生まれで、立命館大学卒。安曇川町役場から昭和四十七年に県庁へ。

 熊谷陣営 
 「おはようございます」。熊谷氏の元気な声が市役所に響き渡る。大胆不敵で豪快だ。
 京都市生まれで地元の京都工芸繊維大学を卒業後、滋賀県で就職。平成二十三年、夫の祖父母が住んでいた安曇川町に移り住む。
 熊谷氏は「福井市政に欠けているのは市民の声に寄り添った政策だ。高齢者(課税対象者)のおむつ補助券をやめるなど、市の福祉はこの四年間で大きく後退した。市は公共施設を今後三十年間で半減させる計画だが、立ち止まり市民の財産処分について住民との話し合いを持つべきである。個人情報漏えい問題(注2)も市長は説明すべき」と主張。
 「市は新庁舎問題で、現在の新旭町の庁舎を増改築し一極集中化を図る計画だが、私は合併された旧六か町村が自主性を持った連邦制にしたい。新旭町の暫定庁舎に二十五億円を投入するなら、その事業費で旧今津町に分庁舎を建てるべきだ。新旭町、高島町の三極にしたい」とも。原発問題については脱原発を掲げる。
 三児の母だけに、「休止の可能性が高い高島市民病院の産婦人科問題は看過できない」と医師確保を急ぎ存続を図るという。勝手連的な選挙を展開中だ。


旧今津町、旧マキノ町らの住民が10日、県庁で会見(中央は山口武・元今津町長)

(注1) 新庁舎問題

 平成十七年、旧マキノ町、旧今津町、旧新旭町、旧安曇川町、旧高島町、旧朽木村の五町一村による対等合併で発足した高島市。新庁舎は、合併協定に基づく市条例で旧今津町と定められたが、現在まで暫定的に旧新旭町庁舎を本庁舎として使用。
 ところが二十五年一月に初当選した福井市長は、旧今津町に新庁舎を建設することを凍結し、新旭町庁舎を増改築し新庁舎とする計画を進めている。
 「新庁舎が今津町に建設されないのは市条例に違反し、現庁舎まで通う不便さで精神的苦痛を被った」として、旧今津町、旧マキノ町などの住民百五人が十日、市を相手取り、計三百十五万円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こした。


(注2)個人情報漏えい問題

 市が住民監査請求者の名簿を市議会全員協議会に配布したことでプライバシーが侵害されたとして昨年九月、請求者十二人が市を相手取り一人十二万円の計百四十四万円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こした。
 訴状によると昨年六月、市議会全員協議会が開催され、住民監査請求者について議員から「釆野哲平以下十一名はだれか」との質問があったが、監査員事務局長は「請求人から釆野以下十一名としてほしいと聞いている」と拒否。
 しかし福井市長が名簿提出を命じたことから、監査員事務局は名簿コピーを出席議員に配ったとしている。


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