贅を尽くした「ハレの食」食文化プロジェクト

■平成28年12月16日(金) 第17681号

=近江商人が食した婚礼食を復元「食」を起点の観光開発へ=

地元素材や手に入りにくい食材が使われた婚礼料理

◇東近江
 五個荘近江商人の食文化を観光資源に取り込もうと、東近江市と市観光協会、地元団体や料亭などが主体となり、当時の婚礼料理を復元した。質素倹約を美徳とした近江商人が、ここぞというときに食す、贅に贅を尽くした「ハレの食」を、五個荘を訪れた観光客に提供する。
 地域に継承されてきた文化遺産群を、観光資源として積極的に活用するための制度として始まった「日本遺産」に、五個荘地区の町並みや能登川地区の伊庭の水辺景観が「琵琶湖とその水辺景観―祈りと暮らしの水遺産」として認定された。
 それを受け、日本遺産の魅力を「食」を通した視点からツアーなどの観光に絡めようと、モデル事業を企画。調査結果から、江戸時代から続く料亭「納屋孫」(東近江市五個荘川並町)に代々伝わるメニューを復元した。十月には試食会も開かれた。
 大正時代後期の結婚式に振る舞われた「式三献」のメニューを中心に復元したもので、近江商人が編み出したと言われる「数の子」や、五個荘地区に伝わる正月の縁起料理「鶴の卵」「モロコの魚田」など、伝統食や縁起物が並んだ。
 琵琶湖の産物をはじめ、タイやブリなど海の魚を使った料理も振る舞われたほか、当時では珍しいタイのフライが洋皿として提供されるなど、贅沢な料理が並び、事業に携わるNPO法人歴史資源開発機構主任研究員の大沼芳幸さんは「料理の素材を吟味する視野の広さや新しい物を取り入れるなど、近江商人らしい性格と財力の大きさが表されている」とその魅力を語る。
 一品一品に込められた近江商人の力強い行動力と精神を「食」から味わってもらおうと、今後は、今回の婚礼料理をベースにした観光ツアーを展開していく。一般の人を対象としたモデルツアーは、来年一月に開催を予定している。
 伊庭地区の川や内湖に焦点を当てた食の提供と合わせ、食を起点とした観光開発の期待が高まる。(古澤和也)


関連記事

powered by weblio




同日のニュース