木地師 ふるさとに集う

■平成24年7月25日(水) 第16327号

=第20回惟喬親王祭=

神事に参加した全国から集まった木地師――筒井御陵で――

◇東近江
 千二百年の歴史ある木地師発祥の地「蛭谷」、奥永源寺の過疎化が進む東近江市蛭谷町でこのほど開かれた第二十回惟喬親王祭に、全国から木地師が帰ってきた。
 木地師の伝統と技に敬意を払い、山の資源を持続的に利用しながら豊かな自然とともに生きてきた木地師文化に学び、木地師のふるさとを守り、次世代へ伝えていこうと開催。今年は第二十回の節目を迎えた。
 祭には、良材を求めて全国に移り住んだ木地師や、木地師文化にふれようと集まった市民ら三百人あまりが参加した。
 第一部は筒井御陵で行われ、木地師の全国展開を支え、諸国に伝説を生んだ惟喬(これたか)親王の遺徳をたたえる神事が、西澤久夫市長、市選出県議らも出席して行われたあと、劇作家・美里けんじ作「惟喬親王物語」を木地山まみさんが語り芝居で演じ、惟喬親王をしのんだ。
 第二部は会場を木地師やまの子の家に移し、琵琶湖博物館の藤岡康弘上席総括研究員が「琵琶湖の鮭、ビワマスとびわ湖の森」と題して、ビワマスの成長に川を覆う木々の存在が欠かせないことを紹介した。


参加者の関心を集めた木地作品展示――木地師やまの子の家で――

 民俗文化映像所の姫田忠義所長が昭和五十一年に制作したドキュメンタリー映画「奥会津の木地師」は、木を求めての山での暮らし、男と女の協働、手作りの手引きろくろの技術など、伝統の木地師の姿を伝えた。
 今回はじめての木地作品展示は、全国木地師と日本工芸会の会員の全面協力で実現。普段目にすることができない盆や食器、茶筒など作品の数々が、参加者の目を引き寄せた。
 特別講演会では木工芸の第一人者で重要無形文化財保持者(人間国宝)の川北良造氏が「木と生きる、木を生かす」と題して、木地師の技と文化、木と人の関係の歴史、五重塔の建造技術など先人の英知、自身の経験や挑戦などから、木の良さ、魅力を語った。
 姫田氏は「木地師文化が教えるもの」で、イヌワシとクマタカが住める森は木地師と大きく関係する点に注目した。
 最後に小椋重則自治会長が、「蛭谷は二所帯だけになりました。何がなんでも木地師発祥の地を後世に伝えていきたい」とここまで回を重ねてきたことに感謝するとともに、次回へ向けてさらなる伸展を誓った。


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